冷え性と漢方|梅雨冷え・夏の冷房冷え・全身の冷えを体質別に整える総合ガイド
「手足が一年中冷たい」「梅雨に入って急に体が冷える」「夏なのに冷房で足元が冷える」「お腹を触ると冷たい」——冷えは季節や部位によって表れ方が変わりますが、東洋医学では一過性に温めるだけでなく、あなたの体質(冷えのタイプ)を見立てて根本から整えていきます。本記事は、銀座漢方天風堂の薬剤師が、冷えの5タイプ・季節別(梅雨冷え/夏の冷房冷え/秋冬の冷え)・部位別の見立てと、体質に合う食養生を一通りまとめた総合ガイドです。気になる症状はこのページから各詳細記事へ進めます。※冷えの感じ方・体質には個人差があります。
結論から:冷えは「温める力(陽気)の不足」「血の巡りの不足・滞り」「水分の停滞」のいずれか、または複数が重なって起こります。まずセルフチェックで自分のタイプを見立て、季節と部位に合わせて整えるのが近道です。
柳澤 謙行(やなぎさわ けんこう)/銀座漢方天風堂薬局 薬剤師
薬剤師歴45年・漢方相談のべ10,000件超
目次
冷えとは — 東洋医学の考え方
西洋医学では「冷え」は病名として扱われにくいのですが、東洋医学では古くから整えるべき体の状態として重視してきました。冷えの背景には主に3つの要素があります。
- 温める力(陽気)の不足=陽虚:そもそも体を温めるエネルギーが足りない。お腹・腰・足が冷え、寒がりで疲れやすい。
- 血の不足・滞り=血虚/瘀血:手足の末端まで血が巡らず冷える。顔色がさえない、肩こり、月経トラブルを伴いやすい。
- 水分の停滞=水滞:余分な水が体を冷やす。むくみ・重だるさ・天気で悪化を伴いやすい。
さらに、上半身はほてるのに下半身は冷える「上熱下寒」という状態もあり、更年期世代に多くみられます。どのタイプかで整え方の重点が変わるため、まずは見立てが大切です。
冷えの5タイプ セルフチェック
当てはまる項目が最も多いタイプが、現時点の冷えの傾向です。複数にまたがる方は上位2タイプの混合とお考えください。
A. 陽虚(温める力の不足)
- お腹・腰・足が冷たい
- 寒がりで夏でも靴下が手放せない
- 軟便・夜間のトイレが多い
B. 血虚(血の不足)
- 手足の先が冷える、顔色がさえない
- 爪が割れやすい・髪がパサつく
- 立ちくらみ・眠りが浅い
C. 瘀血(血の滞り)
- 手足は冷えるのに肩こり・頭痛が強い
- 月経痛・経血に塊
- くま・しみが気になる
D. 水滞(水分の停滞)
- 冷えとむくみが同時に出る
- 体が重だるい・天気が悪いと不調
- 朝と夜で体重差が大きい
E. 上熱下寒(上はほてり下は冷え)
- 顔はほてる・のぼせるのに足は冷たい
- イライラ・寝つきの悪さ
- 更年期世代・自律神経の乱れ
より詳しいタイプ別の見立ては あなたの冷えはどのタイプ?5タイプ別 漢方の選び方 をご覧ください。食事面は 体質別 食べ物診断 も参考になります。
🌿 5タイプのセルフチェックとあわせて、ご自身の体質を数値で確かめたい方は 気血水バランス診断(無料・約5分/30問で6タイプ判定) もお試しください。
季節別の冷え
梅雨の冷え(湿気が体を冷やす)
梅雨は外界の湿気(湿邪)が体に入り、水滞を悪化させて冷えを招きます。「夏が近いのに急に冷える」のはこのためです。温かい食事を基本に、利水(余分な水を流す)食材を1〜2品加えるのが梅雨の冷え対策の柱です。
夏の冷房冷え(夏なのに冷える)
冷房・冷たい飲食・汗冷えで、夏でも手足やお腹が冷えます。職場や電車の冷房、朝晩の寒暖差も要因です。
部位別の冷え
冷える部位によって関わる体質が異なります。手足の末端は血の巡り、お腹・腰は温める力が中心になりやすいです。
体質別 冷えを整える食養生
| タイプ | おすすめの方向 | 控えめに |
|---|---|---|
| A. 陽虚 | 生姜・ねぎ・羊肉・くるみ・シナモン・温かい料理 | 生もの・冷飲・夏野菜の冬季多食 |
| B. 血虚 | レバー・黒豆・人参・ほうれん草・なつめ・黒胡麻 | 食事を抜く・極端な減量 |
| C. 瘀血 | 玉ねぎ・青魚・酢・黒酢・適度な運動 | 脂っこい物・運動不足 |
| D. 水滞 | はと麦・小豆・冬瓜・大根・温かいお茶 | 水分の摂り過ぎ・甘い物・乳製品過剰 |
| E. 上熱下寒 | 足元を温め、のぼせは冷やしすぎない。香味野菜で巡りを | 辛い物の過多・夜更かし |
食材選びの詳しい考え方は 体質別 食べ物診断 をご覧ください。
※漢方処方の例:陽虚=真武湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯、血虚=当帰芍薬散、瘀血=桂枝茯苓丸、水滞=苓桂朮甘湯・五苓散、上熱下寒=加味逍遙散 など。いずれも体質により異なり、断定的な効能効果を示すものではありません。実際の処方は薬剤師にご相談ください。
冷えと連動する不調
冷えは単独でなく、むくみ・PMS・のぼせなどと連動して現れることが多くあります。
よくある質問
Q. 冷え性は漢方で体質から変えられますか?
A. 冷えは一時的に温めるだけでなく、温める力(陽気)の不足、血の巡り、水分代謝など根本の傾向を整える視点が東洋医学にはあります。体質タイプを見立て、合う食養生と漢方で底支えするのが基本の方向です。体感には個人差があります。
Q. 夏なのに冷えるのはなぜですか?
A. 冷房・冷たい飲食・汗冷え・自律神経の乱れが重なり、夏でも手足やお腹が冷える方は多くいます。特に上半身はほてるのに下半身は冷える「上熱下寒」は更年期世代に多い状態です。
Q. 手足の冷えとお腹の冷えはタイプが違いますか?
A. はい。手足の末端冷えは血の巡り(血虚・瘀血)が、お腹の冷えは温める力(陽虚)や水分の停滞(水滞)が関わりやすく、整え方の重点が変わります。部位別の見立てが役立ちます。
Q. 冷えとむくみが同時に出るのはどう考えますか?
A. 冷えとむくみは「水滞(水のめぐりの停滞)」という同じ根を持つことが多く、温めて水を巡らせる方向で同時に整えていきます。
Q. 冷えの相談はどこにすればよいですか?
A. 銀座漢方天風堂薬局では薬剤師が問診・脈・舌からあなたの冷えタイプを見立て、食養生と漢方の方向性をご提案します。LINEまたは来店でご相談いただけます。
銀座漢方天風堂のご相談について
冷えは複数タイプが混ざることが多く、季節・年齢・環境で変化します。「自分はどのタイプか確信が持てない」「いろいろ試したが変わらない」という方は、一度ご相談ください。薬剤師歴45年の店主が、現在のお薬も踏まえてあなたに合う方向をご提案します。
→ 店舗情報・アクセス・ご相談の流れの詳細は 銀座の漢方薬局 銀座漢方天風堂薬局のご案内 をご覧ください。
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本記事は東洋医学の一般的な養生の考え方をまとめた情報提供であり、特定の疾患の診断・治療や効能効果を保証するものではありません。持病のある方・服薬中の方・妊娠中・授乳中の方は自己判断を避け、主治医または当薬局へご相談ください。気になる症状は医療機関の受診を優先してください。
