パニック障害の漢方相談|薬剤師が5タイプで体質を見立てる
2000年銀座にて漢方薬局を開業。30〜50代女性の冷え・婦人科・慢性不調のご相談を延べ1万人以上担当。女性のご相談者が9割を占めます。
公開日:2026年9月2日
結論からお伝えすると、パニック障害に漢方を使うときは「不安を消す薬」を探すのではなく、気の巡り・気血の不足・こもった熱・水の停滞・冷えの5つに分けて考えます。治療の中心は精神科・心療内科です。そのうえで、体質の側から並行してご相談いただけます。
なお、当薬局のご相談は医師による診断ではなく、東洋医学の考え方にもとづく体質の見立てです。診断・治療は医療機関で行われることを前提にお読みください。
「電車の中で突然、心臓がどうにかなりそうになった」
「また発作が起きたらと思うと、外出できない」
「救急で検査をしたけれど、心臓に異常はないと言われた」
パニック障害(ぱにっくしょうがい)は、発作が起きていないときの姿からは想像されにくく、周りに伝わりにくい不調です。まず厚生労働省の解説で発作・予期不安・広場恐怖という3つの段階を整理したうえで、東洋医学から見た5つの体質タイプを順に見ていきます。
1. なぜ理由もなく動悸や息苦しさが襲ってくるのか?
胸の痛みが続く・冷や汗をともなう/意識を失ったことがある/発作のあとも息苦しさが何時間も続く/死にたい気持ちや自分を傷つけたい気持ちが浮かぶ/アルコールや市販薬の量が増えている。以上は当薬局からのお願いとして挙げているもので、学会が定めた基準ではありません。これらに当てはまる場合は、漢方の相談より先に精神科・心療内科をご受診ください。動悸や息苦しさは心臓や呼吸器の病気でも起こります。まず医療機関でご確認ください。死にたい気持ちや自分を傷つけたい気持ちが浮かぶときは、ためらわずに医療機関や公的な相談窓口にご連絡ください(厚生労働省「まもろうよ こころ」に電話・SNSの相談先がまとめられています)。パニック障害の診断は精神科・心療内科が行うものであり、当薬局は診断をする場ではありません。
厚生労働省の「こころもメンテしよう」は、パニック発作について「突然理由もなく激しい不安に襲われて、心臓がドキドキする、めまいがしてふらふらする、呼吸が苦しくなるといった状態となり」と説明しています。理由が思い当たらないのに起きる、という点が書き込まれていることが大切です。原因が説明できないことは、この病気では例外ではありません(厚生労働省「こころもメンテしよう」不安障害)。
発作そのものより日常を狭めるのは、その次の段階です。同じ解説は「『また発作が起きたらどうしよう』と心配になることが多く、これを『予期不安』といいます」としています。「起きていないときの不安」に名前がついているということです。
そして三つ目が行動の制限です。「電車や人混みを避ける、頼れる人がいない状況や一人で出かけることを避ける、あるいはエレベーターなど逃げられない場所を避けるようになることがあります」。生活の範囲が少しずつ狭くなるという経過です。ここまで来ているなら、体質の相談より先に医療機関につながっていただきたいところです。
大前提として、動悸や息苦しさは心臓や呼吸器の病気でも起こります。まだ医療機関で確かめていない方は、そちらが先です。パニック障害という診断は、そうした身体の病気を確かめたうえで、精神科・心療内科が行うものです。当薬局は診断をする場ではありません。
東洋医学では、パニック障害という病名を使いません。気の巡りが滞っている、気血が足りず心を養えていない、心に熱がこもっている、水が停滞している、体を温める力が落ちている——という体全体の傾向のあらわれとして読みます。これは治療の代わりではなく、治療を受けながら体の土台を整えるための見方です。
2. 東洋医学ではパニック障害をどう5つに分けるのか?
東洋医学ではパニック障害という病名を使いません。動悸・息苦しさ・強い不安が、体のどの傾向から出ているかで整理します。次の5つを目安にします。※医療機関での治療を続けたままご相談いただけます。
タイプ1:気の巡り停滞型|肝気鬱結(かんきうっけつ)
ストレスで気の巡りが滞っている傾向。のどのつかえ・胸のつかえが土台にあり、電車や人混みなど場面に結びついて強まります。
タイプ2:気血不足型|心脾両虚(しんぴりょうきょ)
考えすぎと胃腸の弱りで、心を養う気と血が足りていない傾向。疲れると動悸が出やすく、眠りが浅い・物忘れが増えるという訴えが重なります。
タイプ3:熱こもり型|心火亢盛(しんかこうせい)
こもった熱が上に上がっている傾向。動悸に加えて、のぼせ・口内炎・強いいらだち・寝つけなさが出ます。睡眠不足やお酒で強まります。
タイプ4:水はけ低下型|痰飲(たんいん)
水の停滞が胸まわりに起きている傾向。息苦しさ・めまい感・吐き気が同時に出やすく、雨の日や湿度の高い日に強まります。
タイプ5:冷え・虚弱型|心腎陽虚(しんじんようきょ)
体を温める力が底で落ちている傾向。強い不安と冷え・むくみ・夜間のトイレが重なります。長い疲労や産後に見られる整理です。
なお、この5つで説明がつかない方もいらっしゃいます。まだ身体の病気を確かめていない場合や、行動の制限が進んで外出が難しくなっている場合は、東洋医学の枠組みより先に医療機関につながってください。5つに当てはめること自体が目的ではありません。
3. 自分はどのタイプ? 20問セルフチェック
全20問です。各タイプ4項目のうち2つ以上当てはまれば、そのタイプの傾向があります。3つ以上当てはまるタイプが、いまの体質の主軸に近いと考えてください。2つ以上当てはまるタイプが複数ある場合は、下の「2タイプ以上に当てはまる方へ」をお読みください。
※この2つ・3つという目安は、ご相談前の整理のために当薬局が置いているもので、診断基準ではありません。
- のどや胸がつかえる
- 特定の場面で強まる
- ため息が多い
- 月経前に悪化する
- 疲れると動悸が出る
- 眠りが浅く夢が多い
- 食が細い・軟便になりやすい
- 顔色が白い
- のぼせる・顔が赤くなる
- 口内炎ができやすい
- 寝つけない・眠りが浅い
- 怒りっぽい
- 息苦しさとめまい感が同時に来る
- 吐き気をともなう
- 雨の日や湿度の高い日に悪化する
- 痰がからむ・体が重だるい
- 手足の冷えが強い
- 強い不安が朝から続く
- 夜間にトイレで目が覚める
- 腰が重だるい
複数のタイプの特徴が重なって見えることがあります(当薬局の見立て上の整理で、件数として集計したものではありません)。その場合、市販の一処方では体質の主軸に届かないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる煎じ薬という選択肢もあります。
4. タイプ別に、今日から何ができるか?

いずれも日々の食事と暮らしの範囲でできることです。合わないと感じたら続けないでください。
発作の最中に何かをするのは難しいものです。記録するのはあとで構いません。①起きた時刻と場所 ②直前にしていたこと ③どのくらいで落ち着いたか——この3つだけをメモしてください。場面に共通点が見えると、避けるべきものと避けなくてよいものが分かれてきます。これは主治医との相談材料にもなります。国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」は、カフェインの取り過ぎで不安が悪化することは少なくないとし、アルコールやカフェインなどの物質使用によって生じる不安を「物質・医薬品誘発性不安症」と呼んでいます。記録と一緒に、この2つの量も見直してみてください。
タイプ1:気の巡り停滞型
合う食材:しそ・柑橘類・セロリ・ジャスミン茶
暮らし:深呼吸を1日数回。予定に余白をつくる
タイプ2:気血不足型
合う食材:なつめ・山芋・鶏肉・うるち米
暮らし:朝食を抜かない。睡眠時間を優先する
タイプ3:熱こもり型
合う食材:セロリ・トマト・緑豆・菊花茶
暮らし:アルコールとカフェインを控える。就寝前の照明を落とす
タイプ4:水はけ低下型
合う食材:はと麦・大根・生姜・とうもろこしのひげ茶
暮らし:冷たい飲み物を減らす。食べすぎた翌日は軽くする
タイプ5:冷え・虚弱型
合う食材:しょうが・シナモン・くるみ・羊肉
暮らし:腰と足首を冷やさない。湯船につかる
5. パニック障害の裏に何が隠れているのか?
動悸や不安は、季節や重なっている不調で出方が変わります。当てはまるものが決まっている方は、その症状別の記事のほうが具体策に届きます。
- まず記録から始めたいとき(全タイプ向け) → 「動悸・息切れのセルフチェックと記録のすすめ」
- 受診すべきか迷っているとき(最優先でお読みください) → 「こんな動悸・息切れは早めに病院へ|受診の目安」
- 気温差で動悸が出る(水はけ低下型・冷え虚弱型の方へ) → 「寒暖差と動悸|季節の変わり目の体調と向き合う」
- 動悸と眠れなさが重なる(気血不足型・熱こもり型の方へ) → 「秋の動悸を伴う不眠で悩む方へ」
- デスクワーク中に強まる(気の巡り停滞型の方へ) → 「長時間同じ姿勢・デスクワークと動悸・息切れ感」
また、発作の起きやすさは睡眠・カフェイン・月経周期・疲労と地続きです。発作だけを止めようとしても戻ってしまうと感じている方は、初回のご相談で睡眠・飲み物・月経・仕事の状況もあわせて伺います。
6. 市販の漢方が合わないのはなぜ?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて設計されています。複数のタイプにまたがる不調では、ひとつの処方が体質の主軸と噛み合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
ただし、これは市販薬を否定するものではありません。合っている方はそのまま続けていただいて構いません。
精神科・心療内科でSSRIや抗不安薬を処方されている方も、それらを続けたままご相談いただけます。当薬局はそれらの薬を減らす・やめる判断をする場ではありません。とくにSSRIや抗不安薬は自己判断で急にやめると体調に影響が出ることがあります。減量や中止は必ず処方元でご相談ください。処方内容はお薬手帳で確認し、飲み合わせに注意が要る組み合わせがあればその場でお伝えします。
7. 相談すると何をして、いくらかかるのか?
ご相談の流れ:①LINE・お電話・Web予約でご予約 →②ご来店。体調・お悩み・これまでの経過・暮らしを伺い、脈と舌を拝見 →③体質の主軸を整理し、合う処方をご提案 →④煎じ薬をお渡し →⑤経過を確認し、必要なら処方を調整。脈と舌を実際に拝見するため、ご相談は来店を基本としています。
無料相談は30分です。まずはここでお身体の状態と、漢方が選択肢になるかを整理します。継続される場合の費用の目安は毎月15,000〜25,000円程度です。煎じ薬は1日分パックで、朝5〜10分で準備できます。短期間のおためしコースもご用意していますので、金額と内容は無料相談の際にご案内します。
※ 2026年9月2日 時点のご案内です。金額は変わることがあります。
※LINE登録でお渡しする5,000円OFFクーポンは通常の1か月コースが対象です。おためし2週間コースなど、他の割引との併用はできません。
医療機関で治療を受けている方は、その治療を続けながらご相談ください。当薬局は診断を行う場ではありません。お薬手帳をお持ちいただけると、併用の確認がスムーズです。
パニック障害のお悩みを、体質から見立てます
無料相談(30分)で、これまでの経過・お薬・暮らしを伺い、脈と舌からお身体の状態を整理します。薬剤師歴45年以上の柳澤が担当します。
▶ LINE登録で5,000円OFFクーポン進呈(通常の1か月コースが対象・他の割引との併用不可)
📞 03-3547-5102(13:00〜19:00/土日祝休)
🗓️ Web予約 📍 地図・アクセス(〒104-0061 東京都中央区銀座3-14-4/東銀座駅 徒歩3分)
※ 医療機関での診断・治療を受けている方は、そちらを優先してください。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。自己判断で治療を中断しないでください。
※お身体の変化には個人差があります。妊娠中・授乳中・服薬中の方は事前にお知らせください。
8. よくある質問(FAQ)
Q. 精神科や心療内科に通っていますが、漢方相談も受けられますか?
はい。通院しながらご相談に来られる方もいらっしゃいます。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。治療の中心は主治医の治療で、漢方はその代わりになるものではありません。処方されているお薬がある場合はお薬手帳をお持ちください。医療機関での治療は自己判断で中断せず、続けながらご相談ください。
Q. どんなときに医療機関を受診したほうがよいですか?
胸の痛みが続く・冷や汗をともなう・意識を失ったことがある・発作のあとも息苦しさが何時間も続く、というときは救急も含めて受診してください。動悸や息苦しさは心臓や呼吸器の病気でも起こります。また、死にたい気持ちや自分を傷つけたい気持ちが浮かぶときは、ためらわずに医療機関や公的な相談窓口にご連絡ください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」に電話・SNSの相談先がまとめられています。
Q. 発作が起きていないときも不安なのですが、これも症状ですか?
はい、名前がついています。厚生労働省の解説は「『また発作が起きたらどうしよう』と心配になることが多く、これを『予期不安』といいます」としています。発作が起きていない時間の不安も、この病気の一部として説明されています。気の持ちようの問題として片づけないでください。
Q. 電車やエレベーターを避けるようになりました。
同じ解説は「電車や人混みを避ける、頼れる人がいない状況や一人で出かけることを避ける、あるいはエレベーターなど逃げられない場所を避けるようになることがあります」としています。行動の制限が進んでいる段階なら、体質の相談より先に医療機関につながってください。そのうえで、治療を続けながら体の土台を整えるご相談は承ります。
Q. 漢方でパニック障害の治療の代わりになりますか?
なりません。治療の中心は精神科・心療内科の治療です。当薬局のご相談は診断でも治療でもなく、東洋医学の考え方でお身体の傾向を整理するものです。主治医の治療を続けたうえで、体の土台の側から何ができるかを一緒に考える、という位置づけでお考えください。
Q. 市販の漢方を試しましたが、しっくりきません。なぜでしょうか?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて作られています。パニック障害では複数のタイプの特徴が重なって見えることがあり、そうした場合はひとつの処方が体質の主軸と合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
Q. 西洋薬を服用中ですが、漢方は併用できますか?
お薬手帳を拝見して確認します。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、高血圧症や心不全に対してチアジド系降圧利尿薬やループ利尿薬が投与されている場合、糖尿病に対してインスリンが投与されている場合に「低カリウム血症を生じやすく、重篤化しやすいので、注意が必要である」としています。同マニュアルはこのほか、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとして、併用時の注意を挙げています。初期症状としては「手足のしびれ、つっぱり感、こわばり」「徐々に進行する四肢の脱力や筋肉痛」が挙げられています。服用中のお薬は必ずお知らせください。
Q. 予約方法とキャンセルについて教えてください。
LINE・お電話・Web予約から承ります。ご予約の変更やキャンセルが必要になった場合は、分かった時点でLINEまたはお電話でご連絡ください。
Q. 女性の悩みを男性薬剤師に話しづらいのですが。
ご相談者の9割が女性です。ご予約時に「女性スタッフを希望」とお伝えいただければ調整いたします。
本記事は東洋医学・漢方に関する一般的な解説であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。漢方の体感には個人差があります。妊娠中・授乳中の方、医療機関で治療中の方、慢性疾患をお持ちの方は、必ず事前に薬剤師にご相談ください。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、チアジド系降圧利尿薬・ループ利尿薬やインスリンが使われている場合に低カリウム血症を生じやすいとし、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとしています。服用中のお薬は事前にお知らせください。気になる症状がある場合は、医療機関の受診を優先してください。