子宮内膜症の漢方相談|薬剤師が5タイプで体質を見立てる
2000年銀座にて漢方薬局を開業。30〜50代女性の冷え・婦人科・慢性不調のご相談を延べ1万人以上担当。女性のご相談者が9割を占めます。
公開日:2026年8月31日
結論からお伝えすると、子宮内膜症に漢方を使うときは「痛み止めの代わり」を探すのではなく、血の滞り・冷え・気の巡り・こもった熱・気血の不足の5つに分けて考えます。診断と治療は婦人科で受けてください。そのうえで、体質の側から並行してご相談いただけます。
なお、当薬局のご相談は医師による診断ではなく、東洋医学の考え方にもとづく体質の見立てです。診断・治療は医療機関で行われることを前提にお読みください。
「鎮痛剤が効かないほど月経痛が重い」
「年々痛みが強くなっている気がする」
「月経以外のときも下腹部が痛む」
子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)は、月経痛という「誰にでもあるもの」の陰に隠れて、受診が遅れやすい病気です。まず学会の説明で何が起きているのかを整理したうえで、東洋医学から見た5つの体質タイプを順に見ていきます。
1. なぜ月経のたびに痛みが強くなっていくのか?
鎮痛剤が効かない/月経のとき以外も下腹部の痛みが続く/性交時や排便時に痛みがある/不正出血がある/発熱をともなう強い下腹部痛がある/妊娠を希望していて1年以上授からない。以上は当薬局からのお願いとして挙げているもので、学会が定めた基準ではありません。これらに当てはまる場合は、漢方の相談より先に婦人科をご受診ください。子宮内膜症の診断と治療は婦人科が行うものです。当薬局は診断をする場ではありません。強い月経痛を体質として片づけず、一度は婦人科でご確認ください。
子宮内膜症とは何かを、日本産科婦人科学会は「子宮の内膜組織が、何らかの原因で、子宮の内側以外の場所(異所性)に入り込み、発育してしまう病気」と説明しています。本来あるべき場所ではないところで、月経と同じ変化が繰り返される——だから月経のたびに痛みが出る、という構図です(日本産科婦人科学会「子宮内膜症」)。
症状の中心についても数字が示されています。同学会は「月経痛(月経困難症)は、子宮内膜症の9割の患者さんにみられます」としています。逆にいえば、強い月経痛を「体質だから」で片づけてしまうと、この病気を見落とすことがあるということです。
年齢についても記述があります。「20〜30代の女性で発症することが多く、そのピークは30〜40歳ともいわれています」。働き盛りと重なる時期です。
妊娠との関係も明記されています。「子宮内膜症の患者さんのうち、半数近くが不妊に悩むといわれています」。将来の妊娠を考えている方にとって、受診のタイミングは早いほうが選択肢が広く残ります。
経過についても書かれています。「閉経を迎え、エストロゲンの影響がなくなると、痛みの症状もおさまります」。終わりのある経過であることは、長い治療を続けるうえで知っておく価値のある情報です。とはいえ、それまでの十数年〜数十年をどう過ごすかが問題になります。
東洋医学では、子宮内膜症という病名を使いません。血が滞っている、冷えが血の滞りを固めている、気の巡りの滞りが血に及んでいる、熱と水の停滞が重なっている、気血が足りていない——という体全体の傾向のあらわれとして読みます。同じ「月経痛」でも、冷えると悪化する方と、緊張で悪化する方では、体の側の事情が違うと考えるわけです。
2. 東洋医学では子宮内膜症をどう5つに分けるのか?
東洋医学では子宮内膜症という病名を使いません。「血の巡りが滞っている」という見方が土台にあり、そこに冷え・熱・気の滞り・不足のどれが重なるかで整理します。次の5つを目安にします。※婦人科での診断と治療を優先してください。
タイプ1:血の滞り型|瘀血(おけつ)
血の巡りが滞っている傾向。刺すような月経痛、レバー状のかたまり、経血の色が濃いという特徴が重なります。この土台にほかのタイプが乗ることが多い整理です。
タイプ2:冷え+血の滞り型|寒凝血瘀(かんぎょうけつお)
冷えによって血の巡りがさらに滞っている傾向。温めると楽になり、冷えると強まるという反応がはっきり出ます。冬や冷房で悪化します。
タイプ3:気の巡り停滞型|気滞血瘀(きたいけつお)
ストレスで気の巡りが滞り、血の巡りも連動して滞っている傾向。月経前の張る痛み・乳房の張り・いらだちが強く出ます。
タイプ4:熱こもり型|湿熱瘀阻(しつねつおそ)
熱と水の停滞が下半身にこもっている傾向。灼けるような痛み・おりものの増加・においが気になるといった訴えが重なります。
タイプ5:気血不足型|気血両虚(きけつりょうきょ)
気と血が足りず、痛みが「重だるく引きずる」形で出る傾向。月経後に強い疲労が残り、立ちくらみ・顔色の悪さをともないます。
なお、この5つで説明がつかない方もいらっしゃいます。まだ婦人科で診断を受けていない方は、そちらが先です。5つに当てはめること自体が目的ではありません。
3. 自分はどのタイプ? 20問セルフチェック
全20問です。各タイプ4項目のうち2つ以上当てはまれば、そのタイプの傾向があります。3つ以上当てはまるタイプが、いまの体質の主軸に近いと考えてください。2つ以上当てはまるタイプが複数ある場合は、下の「2タイプ以上に当てはまる方へ」をお読みください。
※この2つ・3つという目安は、ご相談前の整理のために当薬局が置いているもので、診断基準ではありません。
- 刺すような痛みで場所が決まっている
- レバー状のかたまりが出る
- 経血の色が黒っぽく濃い
- 顔にくすみ・しみが出やすい
- 温めると痛みが楽になる
- 冷えると強まる
- 手足やお腹が冷たい
- 経血に暗い色のかたまりが混じる
- 月経前に張るような痛みが出る
- 乳房が張る
- いらだち・ため息が多い
- 痛みの強さが月ごとに変わる
- 灼けるような痛みがある
- おりものが増える・においが気になる
- 経血の色が鮮やかで粘る
- 便がすっきり出ない
- 痛みが重だるく引きずる
- 月経後にぐったりする
- 立ちくらみがある
- 顔色が白い・髪が抜けやすい
複数のタイプの特徴が重なって見えることがあります(当薬局の見立て上の整理で、件数として集計したものではありません)。その場合、市販の一処方では体質の主軸に届かないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる煎じ薬という選択肢もあります。
4. タイプ別に、今日から何ができるか?

いずれも日々の食事と暮らしの範囲でできることです。合わないと感じたら続けないでください。
①月経の開始日と終了日 ②痛みの強さ(10点満点)を日ごとに ③鎮痛剤を飲んだ日と回数——この3つを3周期ぶん記録して、受診の際にお持ちください。「毎回つらい」より「何日目にどのくらい」のほうが、治療方針を決める材料になります。鎮痛剤は我慢して減らすものではありません。飲む回数が増えていること自体が、受診すべき情報です。あわせて、腰とお腹を冷やさない・同じ姿勢を続けない、という2点を日常で心がけてください。
タイプ1:血の滞り型
合う食材:黒きくらげ・玉ねぎ・青魚・サフラン
暮らし:同じ姿勢を続けない。下半身を締めつけすぎない
タイプ2:冷え+血の滞り型
合う食材:しょうが・シナモン・よもぎ・黒糖
暮らし:腰とお腹を温める。冷たい飲み物を減らす
タイプ3:気の巡り停滞型
合う食材:しそ・柑橘類・セロリ・ジャスミン茶
暮らし:月経前の1週間は予定を詰めない。夕方の軽い散歩
タイプ4:熱こもり型
合う食材:はと麦・冬瓜・どくだみ茶・れんこん
暮らし:辛いもの・お酒を控えめに。通気性のよい下着を選ぶ
タイプ5:気血不足型
合う食材:レバー・ほうれん草・黒ごま・なつめ
暮らし:月経後の1週間は睡眠を優先する。無理な減量をしない
5. 子宮内膜症の裏に何が隠れているのか?
月経の悩みは、重なっている症状で打ち手が変わります。当てはまるものが決まっている方は、その症状別の記事のほうが具体策に届きます。
- 冷えると痛みが強まる(冷え+血の滞り型の方へ) → 「寒暖差で生理痛が重い方へ」
- 痛みそのものが主役(血の滞り型の方へ) → 「秋の生理痛で悩む方へ」
- 経血量やかたまりが気になる(血の滞り型の方へ) → 「秋の経血量の変化で悩む方へ」
- 月経前の頭痛が主役(気の巡り停滞型の方へ) → 「秋の月経前頭痛で悩む方へ」
- 周期が乱れている(気血不足型の方へ) → 「秋の月経不順で悩む方へ」
また、月経の不調は冷え・睡眠・胃腸・ストレスと地続きです。痛みだけを抑えようとしても戻ってしまうと感じている方は、初回のご相談で冷え・睡眠・便通・仕事の状況もあわせて伺います。
6. 市販の漢方が合わないのはなぜ?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて設計されています。複数のタイプにまたがる不調では、ひとつの処方が体質の主軸と噛み合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
ただし、これは市販薬を否定するものではありません。合っている方はそのまま続けていただいて構いません。
婦人科でOC・LEP(低用量ピル)やジエノゲスト、GnRH製剤などを処方されている方も、それらを続けたままご相談いただけます。当薬局はそれらの薬を減らす・やめる判断をする場ではありません。とくにホルモン療法は自己判断での中断が経過に影響することがあります。処方内容はお薬手帳で確認し、飲み合わせに注意が要る組み合わせがあればその場でお伝えします。
7. 相談すると何をして、いくらかかるのか?
ご相談の流れ:①LINE・お電話・Web予約でご予約 →②ご来店。体調・お悩み・これまでの経過・暮らしを伺い、脈と舌を拝見 →③体質の主軸を整理し、合う処方をご提案 →④煎じ薬をお渡し →⑤経過を確認し、必要なら処方を調整。脈と舌を実際に拝見するため、ご相談は来店を基本としています。
無料相談は30分です。まずはここでお身体の状態と、漢方が選択肢になるかを整理します。継続される場合の費用の目安は毎月15,000〜25,000円程度です。煎じ薬は1日分パックで、朝5〜10分で準備できます。短期間のおためしコースもご用意していますので、金額と内容は無料相談の際にご案内します。
※ 2026年8月31日 時点のご案内です。金額は変わることがあります。
※LINE登録でお渡しする5,000円OFFクーポンは通常の1か月コースが対象です。おためし2週間コースなど、他の割引との併用はできません。
医療機関で治療を受けている方は、その治療を続けながらご相談ください。当薬局は診断を行う場ではありません。お薬手帳をお持ちいただけると、併用の確認がスムーズです。
子宮内膜症のお悩みを、体質から見立てます
無料相談(30分)で、これまでの経過・お薬・暮らしを伺い、脈と舌からお身体の状態を整理します。薬剤師歴45年以上の柳澤が担当します。
▶ LINE登録で5,000円OFFクーポン進呈(通常の1か月コースが対象・他の割引との併用不可)
📞 03-3547-5102(13:00〜19:00/土日祝休)
🗓️ Web予約 📍 地図・アクセス(〒104-0061 東京都中央区銀座3-14-4/東銀座駅 徒歩3分)
※ 医療機関での診断・治療を受けている方は、そちらを優先してください。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。自己判断で治療を中断しないでください。
※お身体の変化には個人差があります。妊娠中・授乳中・服薬中の方は事前にお知らせください。
8. よくある質問(FAQ)
Q. 婦人科に通っていますが、漢方相談も受けられますか?
はい。通院しながらご相談に来られる方もいらっしゃいます。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。処方されているお薬がある場合はお薬手帳をお持ちください。ホルモン療法は自己判断で中断せず、続けながらご相談ください。
Q. どんなときに医療機関を受診したほうがよいですか?
鎮痛剤が効かない・月経のとき以外も下腹部の痛みが続く・性交時や排便時に痛みがある・不正出血がある・発熱をともなう強い下腹部痛がある・妊娠を希望していて1年以上授からない、というときは漢方相談より先に婦人科をご受診ください。日本産科婦人科学会は「月経痛(月経困難症)は、子宮内膜症の9割の患者さんにみられます」としており、強い月経痛を体質として片づけると見落としにつながります。
Q. 鎮痛剤を飲みすぎている気がして不安です。
我慢して減らすものではありません。飲む回数が増えていること自体が、婦人科に伝えるべき情報です。当薬局は鎮痛剤をやめる判断をする場ではありません。ご相談では、飲んだ回数を記録してお持ちいただけると、いまの状態を共有しやすくなります。
Q. 将来の妊娠が心配です。
日本産科婦人科学会は「子宮内膜症の患者さんのうち、半数近くが不妊に悩むといわれています」としています。妊娠を考えているなら、受診と相談は早いほうが選択肢が広く残ります。治療方針は婦人科とご相談ください。当薬局は妊娠に関する効果をお約束する場ではありません。
Q. この痛みは一生続くのでしょうか?
同学会は「閉経を迎え、エストロゲンの影響がなくなると、痛みの症状もおさまります」としています。終わりのある経過ではありますが、発症は「20〜30代の女性で発症することが多く、そのピークは30〜40歳ともいわれています」とされ、それまでの期間をどう過ごすかが実際の課題になります。治療の組み立ては婦人科とご相談ください。
Q. 市販の漢方を試しましたが、しっくりきません。なぜでしょうか?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて作られています。子宮内膜症では複数のタイプの特徴が重なって見えることがあり、そうした場合はひとつの処方が体質の主軸と合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
Q. 西洋薬を服用中ですが、漢方は併用できますか?
お薬手帳を拝見して確認します。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、高血圧症や心不全に対してチアジド系降圧利尿薬やループ利尿薬が投与されている場合、糖尿病に対してインスリンが投与されている場合に「低カリウム血症を生じやすく、重篤化しやすいので、注意が必要である」としています。同マニュアルはこのほか、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとして、併用時の注意を挙げています。初期症状としては「手足のしびれ、つっぱり感、こわばり」「徐々に進行する四肢の脱力や筋肉痛」が挙げられています。服用中のお薬は必ずお知らせください。
Q. 予約方法とキャンセルについて教えてください。
LINE・お電話・Web予約から承ります。ご予約の変更やキャンセルが必要になった場合は、分かった時点でLINEまたはお電話でご連絡ください。
Q. 女性の悩みを男性薬剤師に話しづらいのですが。
ご相談者の9割が女性です。ご予約時に「女性スタッフを希望」とお伝えいただければ調整いたします。
本記事は東洋医学・漢方に関する一般的な解説であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。漢方の体感には個人差があります。妊娠中・授乳中の方、医療機関で治療中の方、慢性疾患をお持ちの方は、必ず事前に薬剤師にご相談ください。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、チアジド系降圧利尿薬・ループ利尿薬やインスリンが使われている場合に低カリウム血症を生じやすいとし、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとしています。服用中のお薬は事前にお知らせください。気になる症状がある場合は、医療機関の受診を優先してください。