梅雨の食欲不振・胃もたれ5タイプと漢方|薬剤師が見立てる体質別の整え方
「梅雨に入ってから食欲がガクッと落ちた」「胃が重くて何を食べてもおいしくない」「冷たい麺類ばかり食べてしまう」「食後に体が重く眠くなる」「雨の日だけ胃もたれする」——30〜50代女性のカウンターで本当に多く伺うお声です。中医学では梅雨期(5月下旬〜7月上旬)は外界の湿邪が体内に侵入しやすく、脾胃(消化吸収を司る)が最も影響を受ける時期と考えていきます。本記事では、脾胃気虚・湿困脾胃・肝胃不和・食滞・脾陽虚の5タイプで見立てる手順、各タイプ別の合う食材と整え方をまとめます。LINE友だち追加で5,000円分のクーポンを進呈しております。初回のご相談は無料、薬剤師歴45年の店主が60分かけてお話を伺います。
柳澤 謙行(やなざわ けんこう)/銀座漢方天風堂薬局 薬剤師
薬剤師歴45年・漢方相談のべ10,000件超/創業2000年
- 梅雨に食欲が落ちる中医学的な理由(湿邪と脾胃の関係)
- あなたの食欲不振・胃もたれはどのタイプか、5タイプ別セルフチェック15問
- 脾胃気虚・湿困脾胃・肝胃不和・食滞・脾陽虚の見立てと整え方
- 「六君子湯を飲んでも効かない」と感じる方への見立て直し
- 梅雨期の食養生、控えるべき食材・取り入れたい食材
なぜ梅雨は食欲が落ちるのか — 湿邪と脾胃
「梅雨に入ると食欲が落ちる」「6月になると胃が重い」というお声は、毎年5月下旬から6月にかけて急増します。これは「気のせい」「夏バテの前触れ」と片付けてしまわない方が、整え方の方向が見えてきます。
中医学では、梅雨期は外界の湿邪(しつじゃ)が体内に侵入しやすい時期と捉えます。湿邪は重く、粘り、停滞しやすい性質を持つため、体内に入ると消化吸収を司る脾(ひ)の働きを鈍らせます。
脾は中医学では「気・血・水のもとを作る臓」とされ、食べたものを気や血に変える仕事を担います。湿邪が脾を阻害すると、食欲の低下・胃もたれ・体の重だるさ・食後の眠気・舌に厚い苔——といったお馴染みのパターンが揃って出てきます。
同じ梅雨期でも、人によって出方は5つに分かれます。エネルギー不足型、湿が脾に詰まった型、ストレスで肝が胃を妨げる型、食べ物が停滞した型、体を温める力が弱った型。それぞれ合う食材も、漢方処方の方向も大きく違います。
食材選びの基本的な見立て方は、「【食べ物診断】あなたの体質に合う食材は?5タイプ別ガイド」で詳しく解説しています。本記事はその中でも特に「梅雨×食欲不振・胃もたれ」に焦点を絞った見立てです。
【セルフチェック】梅雨の食欲不振はどのタイプ?15問診断
以下、各タイプ3問ずつ、計15問のセルフチェックです。「最近1〜2ヶ月、よく当てはまる」と感じる項目にチェックを入れてください。最も多く当てはまったタイプが、現時点であなたの体に出ている傾向です。複数タイプにまたがる方は、上位2つの混合タイプとお考えください。
A. 脾胃気虚タイプ(エネルギー不足型)
- 食欲がそもそも湧かない、食べてもおいしくない
- 声が小さい、少し動くと疲れる、汗をかきやすい
- 食後すぐに眠くなる、午後の集中力が切れる
B. 湿困脾胃タイプ(湿が脾に詰まった型)
- 雨の日や蒸し暑い日に胃もたれが悪化する
- 口がねばつく・粘る感じ、舌に厚い白い苔がつく
- 体が重だるい、頭がボーッとする、めまい
C. 肝胃不和タイプ(ストレス型)
- ストレスがかかると食欲が落ちる、胃が詰まる
- げっぷ・ガス・胸のつかえ感、ため息が多い
- 胃の痛みが背中や脇まで広がる感じがある
D. 食滞タイプ(食べ過ぎ停滞型)
- 食べ過ぎた翌日も胃が重い、げっぷが食べ物の臭い
- 口臭が気になる、舌の苔が厚く黄色っぽい
- 便が臭い・形が崩れる・便意が遅れる
E. 脾陽虚タイプ(冷え型)
- 冷たい飲食で胃の調子を崩しやすい、手足が冷える
- 軟便〜下痢になりやすい、温めると楽になる
- 朝の食欲が特に弱い、夕方は少し楽になる
各タイプ3問中2〜3個当てはまる場合、その傾向が現時点で表に出ています。たとえばAとBの両方で2個ずつ当てはまる方は「脾胃気虚+湿困脾胃」の混合で、エネルギー不足の体に梅雨の湿が重なって食欲が立たない状態。AとEの混合は冷え+エネルギー不足、CとDの混合はストレス過食後の停滞型です。
5タイプ別の見立てと整え方
ここからは、各タイプの見立てと、おすすめ食材・避けたい食材・代表的な漢方処方の方向性を解説します。※食材や処方の体感には個人差があります。
A. 脾胃気虚タイプ(エネルギー不足型)
主訴: 食欲そのものが湧かない/食後眠気/声小/汗多/午後の集中力切れ
もともと脾胃の力が弱く、梅雨の湿邪で更にエネルギーが落ちている状態です。慢性疲労・産後・大病後の方に多く見られます。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| おすすめ食材 | 山芋(山薬)、なつめ、白米のお粥、かぼちゃ、栗、鶏肉、しいたけ、人参、豆腐 |
| 避けたい食材 | 冷たい飲み物、生野菜の多食、極端な低糖質食、空腹のままの清涼飲料水 |
| 代表的な漢方処方の方向 | 六君子湯・四君子湯・補中益気湯等の「脾胃の気を補う」処方 |
| 養生のポイント | 朝のひと口を温かい白湯から、お粥+山芋を朝食に、無理な食事制限は避ける |
B. 湿困脾胃タイプ(湿が脾に詰まった型)
主訴: 雨の日に悪化/口がねばつく/舌に厚い苔/体が重だるい/めまい
梅雨の湿邪が体内に侵入し、脾胃に居座って消化吸収を妨げているパターンです。お酒・甘い物・乳製品が習慣化している方に多く見られます。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| おすすめ食材 | はと麦、大根、生姜、白いんげん豆、玄米、もやし、トウモロコシのひげ茶 |
| 避けたい食材 | 乳製品の過剰、揚げ物、甘い菓子、夜遅い炭水化物、お酒の常用 |
| 代表的な漢方処方の方向 | 平胃散・藿香正気散・二陳湯等の「湿を流す・脾胃を整える」処方 |
| 養生のポイント | はと麦と大根おろしを毎日1品、湿気の高い日は冷たい飲食を控える |
C. 肝胃不和タイプ(ストレス型)
主訴: ストレスで食欲低下/胸のつかえ/げっぷ・ガス/ため息/背中まで張る
ストレスで肝の気のめぐりが滞り、それが胃の働きを妨げているパターンです。新しい環境・仕事の繁忙期・人間関係のお悩みがある方に多く見られます。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| おすすめ食材 | 柑橘類(レモン・グレープフルーツ)、しそ、ミント、ジャスミン茶、セロリ、玉ねぎ、春菊 |
| 避けたい食材 | 過度な甘い物、強いコーヒーの空腹時飲用、お酒の常用 |
| 代表的な漢方処方の方向 | 四逆散・半夏厚朴湯・加味逍遙散等の「肝と胃を整える」処方 |
| 養生のポイント | 食前にしそやレモンの香りで気を巡らせる、ジャスミン茶を午後に、深呼吸5分 |
D. 食滞タイプ(食べ過ぎ停滞型)
主訴: 食べ過ぎ翌日も重い/食べ物臭いげっぷ/口臭/黄苔/便が臭い
食べたものが脾胃に停滞して、消化が追いつかなくなっているパターンです。会食・外食が続いた後、お酒の翌日、暴飲暴食の習慣化で見られます。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| おすすめ食材 | 大根、山査子(さんざし)、麦芽、陳皮(みかんの皮)、生姜、お粥、味噌汁 |
| 避けたい食材 | 揚げ物、肉の大量摂取、お酒の連日、夜遅い食事、冷たい飲み物 |
| 代表的な漢方処方の方向 | 保和丸・大柴胡湯・平胃散等の「停滞を流す」処方 |
| 養生のポイント | 食滞日は1日1〜2食に減らす、大根おろしを食事ごとに、20分の食後散歩 |
E. 脾陽虚タイプ(冷え型)
主訴: 冷飲食で胃を壊す/手足冷え/軟便〜下痢/温めると楽/朝の食欲弱い
体を温める力(陽)が不足して、消化吸収の温度が足りていないパターンです。冷たい飲食の習慣・薄着・冬場の冷え・加齢で見られます。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| おすすめ食材 | 生姜、ねぎ、シナモン(肉桂)、サツマイモ、栗、くるみ、もち米、温かい根菜スープ |
| 避けたい食材 | 刺身・冷たい飲み物の常用、生野菜の朝食、夏野菜の梅雨期多食 |
| 代表的な漢方処方の方向 | 人参湯・大建中湯・真武湯等の「脾陽を温める」処方 |
| 養生のポイント | 朝の白湯を欠かさない、お腹を温めるカイロ、生姜入りスープを夕食に |
「六君子湯を飲んでも効かない」と感じる方への見立て直し
ドラッグストアで「食欲不振・胃もたれに六君子湯」と聞いて試したけれど、効きませんでした——というお声を多くいただきます。
六君子湯は脾胃気虚タイプ(上記A)には合いますが、湿困脾胃・肝胃不和・食滞・脾陽虚の方が飲むと「むしろ胃が重くなる」「効いている感じがしない」と感じることがあります。
たとえば、雨の日に胃もたれが悪化する方(湿困脾胃)には平胃散の方向、ストレスで胃が詰まる方(肝胃不和)には四逆散の方向、食べ過ぎ翌日の胃もたれが続く方(食滞)には保和丸の方向、冷たい飲食でお腹を壊す方(脾陽虚)には人参湯の方向で見立てます。
「食欲不振・胃もたれに効く漢方」と一括りにせず、自分はどのタイプに近いのかを整えてから処方を選ぶ。当薬局のカウンターでは、ここを大事にしてお話を伺っています。複数のタイプが重なる方には、煎じ薬で「あなたの一剤」を仕立てて、優先度を整えながら組み立てていきます。
梅雨期の食養生 — 5タイプ共通の柱
5タイプいずれの方にも共通する、梅雨期の食養生の柱を整理します。
| 梅雨期に控えたい | 梅雨期に取り入れたい |
|---|---|
| 冷たい飲み物・氷入り飲料 | 温かい白湯・はと麦茶 |
| 生野菜サラダの多食 | 蒸し野菜・温野菜 |
| 乳製品(牛乳・チーズ)の連日 | 温かい味噌汁・お粥 |
| 揚げ物・脂っこい食事 | 大根・しそ・しょうが・陳皮 |
| 甘い菓子・果物の食べ過ぎ | 山芋・かぼちゃ・栗(温性の自然な甘味) |
「いつもの食事+1品の調整」で、梅雨期の脾胃への負担が大きく変わります。たとえば朝の冷たいヨーグルトを温かいお粥+山芋に変える、お昼の冷たい蕎麦に生姜と大根おろしを足す、夜の生野菜サラダを蒸し野菜に変える、これだけでも体感は変わってきます。
食養生の限界 — 漢方相談で見えてくること
食養生は梅雨期の食欲不振・胃もたれを整える土台ですが、限界もあります。「合う食材を続けたが体が変わらない」「複数タイプにまたがって優先がわからない」「胃薬を毎日飲み続けるのに抵抗がある」「逆流性食道炎・機能性ディスペプシアと言われた」——こうした方は、漢方相談で「証」を見立て、生薬の力で底支えするのが効率的です。
当薬局では、初回60分の無料相談で、ご相談者の体質を脈・舌・問診で見立てます。脾胃気虚と湿困脾胃が混ざっているか、肝胃不和と食滞が重なっているか、見立てが立てば、合う食材も漢方薬も一緒に組み立てることができます。
胃薬(PPI・H2ブロッカー)を服用中の方、降圧薬・糖尿病薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方も、服用中のお薬と適切に組み合わせるご相談を承ります。
よくあるご質問
Q. 梅雨になると食欲が落ちるのはなぜですか?
A. 中医学では梅雨期は外界の湿気(湿邪)が増え、脾(消化吸収を司る臓)に負担がかかります。湿邪は脾の働きを鈍くするため、食欲・消化力が低下しやすくなります。冷たい飲み物や生野菜の多食が重なると、より顕著になります。
Q. 胃薬を飲んでも改善しない胃もたれは?
A. 市販の胃薬で改善しない場合、湿困脾胃(湿が消化を妨げる)や食滞(食べ物が停滞)など、別のメカニズムが働いている可能性があります。タイプに合った見立てで方向を変えるとよいことが多いです。
Q. 梅雨期に痩せていく食欲不振は心配ですか?
A. 1-2kg程度の体重変動は梅雨期によくありますが、月単位で3kg以上減る・全く食べられない・嘔吐が続く場合は、まず消化器内科の受診をおすすめします。器質的疾患の除外が優先です。
Q. 六君子湯を飲んでいるが効果が感じられません。
A. 六君子湯は脾胃気虚タイプには合いますが、湿困脾胃・肝胃不和・食滞・脾陽虚の方には方向が違うことが多いです。タイプを見立てずに処方を選ぶと合わない漢方薬を続けてしまうことになります。当薬局のカウンターでは、まずタイプ見立てから整え直しのご相談を承ります。
Q. 朝食を抜くと胃もたれが楽になるのですが続けてよいですか?
A. 短期的には楽でも、脾胃の力を弱める方向に作用することが多いです。温かい白粥や山芋の少量から始める方が、長期的な整え方として有利です。
Q. 妊娠中・授乳中の食欲不振にも漢方相談できますか?
A. 可能です。妊娠悪阻・授乳期の食欲低下は使える生薬が限定されますが、食養生と組み合わせた整え方をご案内します。事前にご相談状況をお知らせください。
Q. ストレスで食欲がない場合はどのタイプですか?
A. 肝胃不和タイプの典型です。肝の気のめぐりが滞り、それが胃に影響して食欲低下や胃のつかえ感が出ます。香り食材(柑橘・しそ・ジャスミン茶)が見立ての方向です。詳しくは「ストレス過食5タイプと漢方」もご参照ください(過食側の見立て)。
Q. 雨の日だけ胃もたれする体質はどれですか?
A. 湿困脾胃タイプの可能性が高いです。湿邪が脾の働きを妨げ、雨の日に外界の湿気と相まって悪化します。はと麦・大根・生姜が見立ての方向です。
📊 当薬局のご相談者37名の傾向
37名のご相談者のうち、便通・お腹の張り・食欲・胃もたれを併発症として挙げる方は約45%(17名)。多くは婦人科や自律神経のご相談に併発する形で言及されます。
ご相談プロセスの一例:50代女性(過食と気分の落ち込みでご相談)は、3ヶ月のカウンセリングを経て生活リズムが整い、食事と睡眠の習慣を見直す土台ができたと、ご感想をいただいています。
胃腸の問題は精神面・冷え・睡眠と連動するため、単独で対処するより全体の養生サイクルを整える方向が結果につながりやすい。
※当薬局HPお客様の声バックアップ分析 n=37、2026年5月時点。
※漢方の体感には個人差があります。
※気になる症状は医療機関の受診を優先してください。
※掲載の体験記述は処方による効能効果を示すものではなく、ご相談プロセスと生活変化の記録です。
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銀座漢方天風堂のご相談について
本記事の5タイプ別見立ては、あくまで一般的な傾向の整理です。実際のあなたの体質は、複数タイプの混合や、季節・年齢・生活環境で日々変化しています。「自分はどのタイプか確信が持てない」「市販の漢方薬を試したが体調の変化が乏しい」「逆流性食道炎・機能性ディスペプシアと言われたが薬を増やしたくない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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本記事は中医学の一般的な食養生の考え方をまとめた情報提供であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。月単位で3kg以上の体重減少、嘔吐の継続、強い腹痛、黒色便等がある場合は、消化器内科を必ず受診してください。持病をお持ちの方、薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断による食事の急激な変更を避け、必ず主治医または当薬局へご相談ください。掲載の食材・目安量は健常な成人を想定しています。
