酒さの漢方相談|銀座の薬剤師が5タイプで体質を見立てる
2000年銀座にて漢方薬局を開業。30〜50代女性の冷え・婦人科・慢性不調のご相談を延べ1万人以上担当。女性のご相談者が9割を占めます(当薬局の漢方相談記録より、傾向値)。
公開日:2026年8月20日
結論からお伝えすると、酒さに漢方を使うときは「赤みを消す薬」を探すのではなく、こもった熱・熱と水の停滞・気の巡り・血の滞り・乾燥の5つに分けて考えます。診断と治療は皮膚科で受けてください。そのうえで、体質の側から並行してご相談いただけます。
なお、当薬局のご相談は医師による診断ではなく、東洋医学の考え方にもとづく体質の見立てです。診断・治療は医療機関で行われることを前提にお読みください。
「顔の赤みが一年じゅう引かない」
「温度差やお酒でカッと熱くなる」
「化粧品を変えても良くならない」
酒さ(しゅさ・酒皶)は、「赤ら顔」という言葉で片づけられて、病気として扱われないまま長引くことのある不調です。まず学会のガイドラインの説明を整理したうえで、東洋医学から見た5つの体質タイプを順に見ていきます。
1. なぜ顔の赤みとほてりが引かないのか?
目の充血・異物感・見え方の変化がある/鼻が厚く盛り上がってきた/膿をもったぶつぶつが急に増えた/ステロイド外用を長く使っていて、やめると悪化する/顔の痛みや腫れが強い。以上は当薬局からのお願いとして挙げているもので、学会が定めた基準ではありません。これらに当てはまる場合は、漢方の相談より先に皮膚科をご受診ください。眼型酒皶では目に症状が出ることがあります。目の症状は眼科と皮膚科の両方にご相談ください。ステロイド外用の中止・変更は必ず皮膚科の指示に従ってください。
酒さ(酒皶)とは何かを、日本皮膚科学会の尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023は「主として中高年の顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患で,紅斑と毛細血管拡張,火照り感を主体とした赤ら顔とも呼ばれる症状」と説明しています。「原因不明の慢性炎症性疾患」と書かれている——つまり、体質や気の持ちようの話ではなく、病気として扱われています(日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023)。
病型も分かれています。同ガイドラインは「紅斑毛細血管拡張型酒皶/丘疹膿疱型酒皶/瘤腫型酒皶・鼻瘤/眼型酒皶」を挙げ、これらは単独のこともあれば混在することもあるとしています。赤みが主役なのか、ぶつぶつが主役なのか、目の症状があるのかで、治療の組み立てが変わります。まず皮膚科でどの型かを確かめてください。
悪化のきっかけについても具体的です。「増悪因子として,紫外線,外気温の急激な変化,刺激のある食べ物やアルコールの摂取などが知られている」。ここは日常で手を打てる部分で、養生の中心にもなります。
混同しやすい別のものがあります。ステロイド外用薬を長く使ったあとに起こる「酒さ様皮膚炎」は、ここで扱っている酒皶とは別の病態です。心当たりのある方は、自己判断で外用薬を中止・変更しないでください。やめ方によって症状が強く出ることがあります。必ず皮膚科の指示に従ってください。
東洋医学では、酒さという病名を使いません。上半身に熱がこもっている、熱と水が停滞している、気の滞りが熱に変わっている、血が滞っている、潤いが足りず内に熱がこもっている——という体全体の傾向のあらわれとして読みます。同じ「顔が赤い」でも、ほてりが主役の方と、ぶつぶつが主役の方では、体の側の事情が違うと考えるわけです。
2. 東洋医学では酒さをどう5つに分けるのか?
東洋医学では酒さという病名を使いません。顔の赤み・ほてり・小さなぶつぶつを、上半身にこもった熱のあらわれとして読みます。次の5つを目安にします。※診断と治療は皮膚科が行います。ステロイド外用中の方は、中止・変更を自己判断せず必ず皮膚科の指示に従ってください。
タイプ1:熱こもり型|肺胃熱盛(はいいねっせい)
顔まわりに熱がこもっている傾向。赤みとほてりが強く、辛いもの・お酒・熱い飲食で一気に増します。もっとも分かりやすい整理です。
承認基準で「酒さ」に挙げられている処方例:清上防風湯
厚生労働省の一般用漢方製剤承認基準で、効能・効果に「酒さ」が挙げられている処方です。どなたにも同じ処方が合うわけではありません。
タイプ2:熱と水の停滞型|湿熱(しつねつ)
熱に水の停滞が重なっている傾向。赤みに加えて小さな膿を持ったぶつぶつが出て、脂っぽさをともないます。湿度の高い時期に悪化します。
タイプ3:気の巡り停滞型|肝鬱化火(かんうつかか)
ストレスで滞った気が熱に変わっている傾向。緊張する場面で急に赤くなり、いらだち・ため息をともないます。月経前に悪化する方が該当します。
タイプ4:血の滞り型|瘀血(おけつ)
長引くうちに血の巡りが滞っている傾向。赤みが暗い色に変わり、血管が浮いて見える。何年も続いている方に当てはまる整理です。
タイプ5:乾燥型|陰虚内熱(いんきょないねつ)
潤す力が不足し、こもった熱を冷ませていない傾向。赤みに乾燥・ひりつき・皮むけが重なります。夕方から夜に強まるのが特徴です。
なお、この5つで説明がつかない方もいらっしゃいます。ステロイド外用を長く使っている方や、目の症状がある方は、東洋医学の枠組みより先に皮膚科での確認が要ります。5つに当てはめること自体が目的ではありません。
3. 自分はどのタイプ? 20問セルフチェック
全20問です。各タイプ4項目のうち2つ以上当てはまれば、そのタイプの傾向があります。3つ以上当てはまるタイプが、いまの体質の主軸に近いと考えてください。2つ以上当てはまるタイプが複数ある場合は、下の「2タイプ以上に当てはまる方へ」をお読みください。
※この2つ・3つという目安は、ご相談前の整理のために当薬局が置いているもので、診断基準ではありません。
- 赤みとほてりが強い
- 辛いものやお酒で一気に赤くなる
- 口が渇く・便秘がち
- 熱い場所で悪化する
- 膿を持ったぶつぶつが出る
- 肌が脂っぽい
- 湿度の高い時期に悪化する
- 口が粘る・便がすっきり出ない
- 緊張する場面で急に赤くなる
- いらだち・ため息が多い
- 月経前に悪化する
- 寝つきが悪い
- 赤みが暗い色になってきた
- 細い血管が浮いて見える
- 症状が何年も続いている
- 肩こり・顔のくすみがある
- 赤みに乾燥とひりつきが重なる
- 夕方から夜に強まる
- のぼせるのに足は冷える
- 寝汗をかく・口が渇く
複数のタイプの特徴が重なって見えることがあります(当薬局の見立て上の整理で、件数として集計したものではありません)。その場合、市販の一処方では体質の主軸に届かないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる煎じ薬という選択肢もあります。
4. タイプ別に、今日から何ができるか?

いずれも日々の食事と暮らしの範囲でできることです。合わないと感じたら続けないでください。
日本皮膚科学会のガイドラインは、増悪因子として「紫外線,外気温の急激な変化,刺激のある食べ物やアルコールの摂取」を挙げています。まずここから手を打ってください。①日焼け止めと日よけを一年じゅう使う ②急に熱い場所・寒い場所へ移動しない(サウナや熱い湯を控えめに) ③辛いもの・熱い飲み物を控えめに ④アルコールを減らす——の4点です。あわせて、洗顔でこすらない・成分の多い化粧品を重ねない、といった刺激を減らす工夫も心がけてください。合わないと感じたものは続けないでください。
タイプ1:熱こもり型
合う食材:大根・トマト・きゅうり・菊花茶
暮らし:辛いもの・アルコール・熱い飲み物を控えめに
タイプ2:熱と水の停滞型
合う食材:はと麦・冬瓜・どくだみ茶・れんこん
暮らし:揚げ物・乳製品を控えめに。洗いすぎない
タイプ3:気の巡り停滞型
合う食材:しそ・柑橘類・セロリ・ジャスミン茶
暮らし:深呼吸を習慣に。就寝1時間前に照明を落とす
タイプ4:血の滞り型
合う食材:玉ねぎ・青魚・黒きくらげ・らっきょう
暮らし:急激な温度差を避ける。強くこすらない
タイプ5:乾燥型
合う食材:白きくらげ・梨・黒豆・百合根
暮らし:夜更かしを避ける。刺激の強い化粧品を使わない
5. 酒さの裏に何が隠れているのか?
顔の赤みは、重なっている肌の悩みで打ち手が変わります。当てはまるものが決まっている方は、その症状別の記事のほうが具体策に届きます。
- 季節の変わり目に荒れる(気の巡り停滞型の方へ) → 「春の肌荒れに漢方で体質改善」
- 夜にほてりとかゆみが出る(乾燥型の方へ) → 「夜になると肌がかゆくなる方へ」
- 室温差と乾燥で悪化する(乾燥型の方へ) → 「暖房で乾く部屋の肌乾燥で悩む方へ」
- くすみと乾燥が重なる(血の滞り型の方へ) → 「乾燥による肌のくすみで悩む方へ」
- 月経周期で悪化する(気の巡り停滞型の方へ) → 「秋のPMS×肌荒れで悩む方へ」
また、顔の赤みは睡眠・胃腸・月経周期・緊張と地続きです。顔だけを見ていても戻ってしまうと感じている方は、初回のご相談で睡眠・便通・月経・お酒の量もあわせて伺います。
6. 市販の漢方が合わないのはなぜ?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて設計されています。複数のタイプにまたがる不調では、ひとつの処方が体質の主軸と噛み合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
ただし、これは市販薬を否定するものではありません。合っている方はそのまま続けていただいて構いません。
皮膚科でメトロニダゾール外用薬や内服薬を処方されている方も、それらを続けたままご相談いただけます。当薬局はそれらの治療を減らす・やめる判断をする場ではありません。とくにステロイド外用を長く使っている方は、自己判断で中止・変更しないでください。処方内容はお薬手帳で確認し、飲み合わせに注意が要る組み合わせがあればその場でお伝えします。
7. 相談すると何をして、いくらかかるのか?
ご相談の流れ:①LINE・お電話・Web予約でご予約 →②ご来店。体調・お悩み・これまでの経過・暮らしを伺い、脈と舌を拝見 →③体質の主軸を整理し、合う処方をご提案 →④煎じ薬をお渡し →⑤経過を確認し、必要なら処方を調整。脈と舌を実際に拝見するため、ご相談は来店を基本としています。
無料相談は30分です。まずはここでお身体の状態と、漢方が選択肢になるかを整理します。継続される場合の費用の目安は毎月15,000〜25,000円程度です。煎じ薬は1日分パックで、朝5〜10分で準備できます。短期間のおためしコースもご用意していますので、金額と内容は無料相談の際にご案内します。
※ 2026-08-10 時点のご案内です。金額は変わることがあります。
※LINE登録でお渡しする5,000円OFFクーポンは通常の1か月コースが対象です。おためし2週間コースなど、他の割引との併用はできません。
医療機関で治療を受けている方は、その治療を続けながらご相談ください。当薬局は診断を行う場ではありません。お薬手帳をお持ちいただけると、併用の確認がスムーズです。
酒さのお悩みを、体質から見立てます
無料相談(30分)で、これまでの経過・お薬・暮らしを伺い、脈と舌からお身体の状態を整理します。薬剤師歴45年以上の柳澤が担当します。
▶ LINE登録で5,000円OFFクーポン進呈(通常の1か月コースが対象・他の割引との併用不可)
📞 03-3547-5102(13:00〜19:00/土日祝休)
🗓️ Web予約 📍 地図・アクセス(〒104-0061 東京都中央区銀座3-14-4/東銀座駅 徒歩3分)
※ 医療機関での診断・治療を受けている方は、そちらを優先してください。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。自己判断で治療を中断しないでください。
※お身体の変化には個人差があります。妊娠中・授乳中・服薬中の方は事前にお知らせください。
8. よくある質問(FAQ)
Q. 皮膚科に通っていますが、漢方相談も受けられますか?
はい。通院しながらご相談に来られる方もいらっしゃいます。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。処方されているお薬がある場合はお薬手帳をお持ちください。ステロイド外用の中止・変更は必ず皮膚科の指示に従ってください。
Q. どんなときに医療機関を受診したほうがよいですか?
目の充血・異物感・見え方の変化がある・鼻が厚く盛り上がってきた・膿をもったぶつぶつが急に増えた・顔の痛みや腫れが強い、というときは漢方相談より先に受診してください。日本皮膚科学会のガイドラインは病型として「眼型酒皶」を挙げており、目に症状が出ることがあります。目の症状は眼科にもご相談ください。
Q. ただの赤ら顔と何が違うのですか?
日本皮膚科学会のガイドラインは酒皶を「主として中高年の顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患で,紅斑と毛細血管拡張,火照り感を主体とした赤ら顔とも呼ばれる症状」と説明しています。「原因不明の慢性炎症性疾患」と位置づけられており、体質や気の持ちようの話としては扱われていません。どの病型に当たるかを含めて、判断は皮膚科が行います。
Q. 「酒さ様皮膚炎」と言われたのですが、同じものですか?
別のものです。ステロイド外用薬を長く使ったあとに起こる酒さ様皮膚炎は、このガイドラインが扱う酒皶とは異なる病態として区別されています。心当たりのある方は、自己判断で外用薬を中止・変更しないでください。やめ方によって症状が強く出ることがあります。必ず皮膚科の指示に従ってください。
Q. 生活で気をつけることはありますか?
同ガイドラインは増悪因子として「紫外線,外気温の急激な変化,刺激のある食べ物やアルコールの摂取などが知られている」としています。日焼け止めと日よけを一年じゅう使う、急な温度差を避ける(サウナや熱い湯を控えめに)、辛いものと熱い飲み物を控えめに、アルコールを減らす——この4点が出発点です。合わないと感じたものは続けないでください。
Q. 市販の漢方を試しましたが、しっくりきません。なぜでしょうか?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて作られています。酒さでは複数のタイプの特徴が重なって見えることがあり、そうした場合はひとつの処方が体質の主軸と合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
Q. 西洋薬を服用中ですが、漢方は併用できますか?
お薬手帳を拝見して確認します。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、高血圧症や心不全に対してチアジド系降圧利尿薬やループ利尿薬が投与されている場合、糖尿病に対してインスリンが投与されている場合に「低カリウム血症を生じやすく、重篤化しやすいので、注意が必要である」としています。同マニュアルはこのほか、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとして、併用時の注意を挙げています。初期症状としては「手足のしびれ、つっぱり感、こわばり」「徐々に進行する四肢の脱力や筋肉痛」が挙げられています。服用中のお薬は必ずお知らせください。
Q. 予約方法とキャンセルについて教えてください。
LINE・お電話・Web予約から承ります。ご予約の変更やキャンセルが必要になった場合は、分かった時点でLINEまたはお電話でご連絡ください。
Q. 女性の悩みを男性薬剤師に話しづらいのですが。
ご相談者の9割が女性です。ご予約時に「女性スタッフを希望」とお伝えいただければ調整いたします。
本記事は東洋医学・漢方に関する一般的な解説であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。漢方の体感には個人差があります。妊娠中・授乳中の方、医療機関で治療中の方、慢性疾患をお持ちの方は、必ず事前に薬剤師にご相談ください。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、チアジド系降圧利尿薬・ループ利尿薬やインスリンが使われている場合に低カリウム血症を生じやすいとし、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとしています。服用中のお薬は事前にお知らせください。気になる症状がある場合は、医療機関の受診を優先してください。