妊活中のカフェインとお酒|公的な上限と体質別の5タイプで整理
2000年銀座にて漢方薬局を開業。30〜50代女性の冷え・婦人科・慢性不調のご相談を延べ1万人以上担当。女性のご相談者が9割を占めます。
公開日:2026年9月20日
結論からお伝えすると、公的機関が示している目安は「やめること」ではなく「一日あたりの量」です。カナダ保健省は妊娠を計画している女性について一日300mg以下を推奨しています。コーヒーでおよそマグカップ2杯強にあたります。そのうえで、同じ量でも体の側の事情によって出方が変わります。
なお、当薬局のご相談は医師による診断ではなく、東洋医学の考え方にもとづく体質の見立てです。診断・治療は医療機関で行われることを前提にお読みください。
「コーヒーは完全にやめたほうがいいのか、判断がつかない」
「お茶なら大丈夫だと思っていた」
「付き合いのお酒をどう断ればいいか分からない」
妊活を始めると、飲み物のことで急に迷いが増えます。まず公的機関が実際に何と言っているかを数値で確認したうえで、東洋医学から見た5つの体質タイプを順に見ていきます。
1. 妊活中、コーヒーとお酒はどこまでよいのか?
月経が3か月以上来ていない/不正出血がある/飲酒を自分で減らせない・やめられない/飲まないと手が震える/飲酒後に強い動悸や意識の遠のきがある/すでに妊娠している可能性がある。以上は当薬局からのお願いとして挙げているもので、学会が定めた基準ではありません。これらに当てはまる場合は、漢方の相談より先に婦人科・産婦人科をご受診ください。これらに当てはまる場合は、飲み物の調整より先に医療機関にご相談ください。妊娠している可能性がある場合は、量の議論より先に産婦人科をご受診ください。飲酒を自分で減らせない場合は、精神科・心療内科やアルコール health 相談の窓口が適切です。厚生労働省の飲酒ガイドラインは、アルコールを分解する酵素が非常に弱い人について「ごく少量の飲酒でも、強い動悸、急に意識を失うなどの反応が起こることがあり危険です」としています。
まずカフェインです。食品安全委員会のファクトシートによれば、カナダ保健省は「妊婦又は授乳婦及び妊娠を計画している女性:一日に 300 mg 以下(コーヒーでは、マグカップ(237 ml 入り)で約 2 杯強)」を推奨しています。「妊娠を計画している女性」が名指しで入っている数少ない基準です(食品安全委員会「ファクトシート 食品中のカフェイン」)。
妊娠後はより厳しい数値が示されています。同ファクトシートによれば、欧州食品安全機関(EFSA)は「妊婦については、習慣的なカフェイン摂取 200 mg/日以下であれば、胎児に健康リスクは生じない」としています。英国食品基準庁も妊娠した女性に対して一日200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)までを勧めています。
ここで見落とされやすいのが、何にどれだけ入っているかです。同ファクトシートの表では、コーヒー(浸出液)が60 mg/100 ml に対して、玉露は160 mg/100 ml。玉露はコーヒーの2倍以上です。紅茶は30 mg/100 ml、せん茶とウーロン茶は20 mg/100 ml。「コーヒーをやめてお茶にした」という切り替えが、選んだお茶によっては逆になることがあります。
お酒は扱いが違います。厚生労働省の飲酒ガイドラインは、妊娠中について「妊娠中の飲酒により、胎児へ胎児性アルコール症候群等をもたらす可能性があります」として、避けることが必要な場合に挙げています。カフェインのような上限値の形では示されていません(厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」)。
妊娠前の時期についても、同ガイドラインには押さえておきたい記述があります。「女性は、一般的に、男性と比較して体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も男性に比べて少ないことや、エストロゲン(女性ホルモンの一種)等のはたらきにより、アルコールの影響を受けやすいことが知られています」。国内の目標では、生活習慣病のリスクを高める量として1日あたりの純アルコール摂取量が女性20g以上が挙げられています。純アルコール量は「摂取量(ml) × アルコール濃度(度数/100)× 0.8」で計算でき、ビール500ml(5%)でちょうど20gです。
東洋医学では、飲み物を「何を飲むか」だけでなく「飲んだあとに体がどう変わるか」で見ます。冷たいものでお腹が冷える方、水を増やすほど重だるくなる方、カフェイン1杯で動悸がする方、食事と一緒の濃いお茶が響いている方、お酒のあとにほてって寝汗をかく方——同じ量でも出方が違います。
2. 東洋医学では妊活中の飲み物をどう5つに分けるのか?
同じ飲み物でも、体の側の事情によって出方が変わります。何を飲んだあとにどう変わるかで、次の5つを目安にします。
タイプ1:冷え型|腎陽虚(じんようきょ)
体を温める力が落ちている傾向。冷たい飲み物のあとに下腹が冷え、その日のうちに腰の重さが出ます。夏でも常温以上でないとつらい、氷入りを飲むと翌日お腹の調子が崩れる——という反応が目印です。
タイプ2:水はけ低下型|脾虚湿盛(ひきょしっせい)
水をさばく力が落ちている傾向。「水分をたくさん摂ったほうがいい」と聞いて増やしたら、かえって重だるくなった方はここです。飲んだ量ほどトイレに行かず、夕方にむくみが出ます。量の問題ではなく、さばけていないという整理です。
タイプ3:気の巡り停滞型|肝気鬱結(かんきうっけつ)
気の巡りが滞っている傾向。カフェインの影響が人より強く出ます。1杯で動悸がする、午後に飲むと寝つけない、やめると頭が痛くなる——という形です。妊活のストレスとカフェインが互いを強めている、という読み方をする整理です。
タイプ4:血の不足型|血虚(けっきょ)
血が足りていない傾向。濃いお茶を食事と一緒に飲む習慣がある方に当てはまります。立ちくらみ・爪の割れ・月経量の減少が同時にあり、飲み物そのものより「食事と同時に飲んでいること」が効いている整理です。
タイプ5:熱こもり型|陰虚内熱(いんきょないねつ)
潤いが不足して熱がこもっている傾向。お酒のあとに顔がほてり、寝汗をかき、翌朝に口が渇きます。量は変わっていないのに以前よりつらくなった、という変化がある方はここです。
なお、この5つで説明がつかない方もいらっしゃいます。月経が長く来ていない場合や不正出血がある場合は、東洋医学の枠組みより先に医療機関での確認が要ります。5つに当てはめること自体が目的ではありません。
3. 自分はどのタイプ? 20問セルフチェック
全20問です。各タイプ4項目のうち2つ以上当てはまれば、そのタイプの傾向があります。3つ以上当てはまるタイプが、いまの体質の主軸に近いと考えてください。2つ以上当てはまるタイプが複数ある場合は、下の「2タイプ以上に当てはまる方へ」をお読みください。
※この2つ・3つという目安は、ご相談前の整理のために当薬局が置いているもので、診断基準ではありません。
- 冷たい飲み物のあとに下腹が冷える
- 氷入りを飲むと翌日お腹の調子が崩れる
- 夏でも常温以上でないとつらい
- 腰やお尻が冷たい
- 水分を増やしたら重だるくなった
- 飲んだ量のわりにトイレが近くない
- 夕方に足がむくむ
- 胃がちゃぽちゃぽすることがある
- コーヒー1杯でも動悸がする
- 午後に飲むと夜に寝つけない
- やめると頭痛や不機嫌が出る
- ため息が多い・のどのつかえを感じる
- 食事と一緒に濃いお茶やコーヒーを飲む
- 立ちくらみがする
- 爪が割れやすい・髪がパサつく
- 月経の量が減ってきた
- お酒のあとに顔がほてる
- 飲んだ夜に寝汗をかく
- 翌朝に口が強く渇く
- 以前より少量で影響が出るようになった
複数のタイプの特徴が重なって見えることがあります(当薬局の見立て上の整理で、件数として集計したものではありません)。その場合、市販の一処方では体質の主軸に届かないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる煎じ薬という選択肢もあります。
4. タイプ別に、今日から何ができるか?

いずれも日々の食事と暮らしの範囲でできることです。合わないと感じたら続けないでください。
飲み物の相談でいちばん多いのは、ゼロにしようとして続かず、罪悪感だけが残るという形です。公的機関が示しているのは上限であってゼロではありません。まず①いま一日に何をどれだけ飲んでいるかを3日ぶん書き出す ②カフェインの量に置き換える(コーヒー150mlで約90mg、玉露100mlで160mg) ③上限との差を見る——ここまでやると、やめるべきものと減らすだけでよいものが分かれます。減らす対象が決まっていない状態で我慢を始めると、たいてい続きません。
タイプ1:冷え型
合う食材:白湯・ほうじ茶・しょうが湯・黒豆茶
暮らし:飲み物は常温以上を基本にする。朝いちばんに白湯を1杯
タイプ2:水はけ低下型
合う食材:はと麦茶・とうもろこしのひげ茶・小豆
暮らし:一度に大量に飲まず、少量を回数に分ける
タイプ3:気の巡り停滞型
合う食材:ジャスミン茶・ミント(薄めに)・そば茶
暮らし:午後2時以降のカフェインをやめて2週間ようすを見る
タイプ4:血の不足型
合う食材:なつめ茶・黒ごま・ほうじ茶(薄め)
暮らし:濃いお茶・コーヒーは食事の前後1時間をあける
タイプ5:熱こもり型
合う食材:白きくらげ・梨・豆乳(温めて)
暮らし:飲むなら同量以上の水を一緒に。就寝3時間前までにする
5. 妊活中の飲み物の裏に何が隠れているのか?
飲み物の影響は、いま体に出ているサインによって読み方が変わります。当てはまるものが決まっている方は、その症状別の記事のほうが具体策に届きます。
- 冷たい飲み物で下腹が冷える(冷え型の方へ) → 「妊活中の冷えでお悩みの方へ」
- 高温期が上がりきらない(冷え型の方へ) → 「基礎体温が安定しない原因を漢方で整える」
- 期間が気になっている方へ → 「妊活1年で授からないとき」
- 食事の側から整えたい方へ → 「妊活に良い食事と生活習慣」
- ノンカフェインの選択肢を探している方へ → 「カフェインが気になる時期の飲み物選び」
また、飲み物の習慣は睡眠・仕事の時間帯・ストレスと地続きです。カフェインを減らすと日中がもたない、という方は、初回のご相談で就寝時刻・仕事の時間帯・月経の状況もあわせて伺います。
6. 市販の漢方が合わないのはなぜ?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて設計されています。複数のタイプにまたがる不調では、ひとつの処方が体質の主軸と噛み合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
ただし、これは市販薬を否定するものではありません。合っている方はそのまま続けていただいて構いません。
不妊治療を受けている方も、その治療を続けたままご相談いただけます。当薬局はそれらの治療を減らす・やめる判断をする場ではありません。処方内容はお薬手帳で確認します。
7. 相談すると何をして、いくらかかるのか?
ご相談の流れ:①LINE・お電話・Web予約でご予約 →②ご来店。体調・お悩み・これまでの経過・暮らしを伺い、脈と舌を拝見 →③体質の主軸を整理し、合う処方をご提案 →④煎じ薬をお渡し →⑤経過を確認し、必要なら処方を調整。脈と舌を実際に拝見するため、ご相談は来店を基本としています。
無料相談は30分です。まずはここでお身体の状態と、漢方が選択肢になるかを整理します。継続される場合の費用の目安は毎月15,000〜25,000円程度です。煎じ薬は1日分パックで、朝5〜10分で準備できます。短期間のおためしコースもご用意していますので、金額と内容は無料相談の際にご案内します。
※ 2026年9月20日 時点のご案内です。金額は変わることがあります。
※LINE登録でお渡しする5,000円OFFクーポンは通常の1か月コースが対象です。おためし2週間コースなど、他の割引との併用はできません。
医療機関で治療を受けている方は、その治療を続けながらご相談ください。当薬局は診断を行う場ではありません。お薬手帳をお持ちいただけると、併用の確認がスムーズです。
妊活中の飲み物のお悩みを、体質から見立てます
無料相談(30分)で、これまでの経過・お薬・暮らしを伺い、脈と舌からお身体の状態を整理します。薬剤師歴45年以上の柳澤が担当します。
▶ LINE登録で5,000円OFFクーポン進呈(通常の1か月コースが対象・他の割引との併用不可)
📞 03-3547-5102(13:00〜19:00/土日祝休)
🗓️ Web予約 📍 地図・アクセス(〒104-0061 東京都中央区銀座3-14-4/東銀座駅 徒歩3分)
※ 医療機関での診断・治療を受けている方は、そちらを優先してください。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。自己判断で治療を中断しないでください。
※お身体の変化には個人差があります。妊娠中・授乳中・服薬中の方は事前にお知らせください。
8. よくある質問(FAQ)
Q. 妊活中、カフェインは完全にやめるべきですか?
公的機関が示しているのは上限であって、ゼロにするようにとは書かれていません。食品安全委員会のファクトシートによれば、カナダ保健省は「妊婦又は授乳婦及び妊娠を計画している女性:一日に 300 mg 以下(コーヒーでは、マグカップ(237 ml 入り)で約 2 杯強)」を推奨しています。妊娠後については、欧州食品安全機関が「妊婦については、習慣的なカフェイン摂取 200 mg/日以下であれば、胎児に健康リスクは生じない」としています。ただしカフェインへの感受性には個人差がありますので、動悸や不眠が出る方は量にかかわらず控えめにしてください(食品安全委員会「ファクトシート 食品中のカフェイン」)。
Q. コーヒーをやめてお茶にしました。これで安心でしょうか?
選んだお茶によっては、かえって増えていることがあります。食品安全委員会のファクトシートによれば、コーヒー(浸出液)が60 mg/100 ml であるのに対し、玉露は160 mg/100 ml です。紅茶は30 mg/100 ml、せん茶とウーロン茶は20 mg/100 ml、インスタントコーヒーは57 mg/100 ml。玉露はコーヒーの2倍以上にあたります。「お茶だから少ない」とは限りません(食品安全委員会「ファクトシート 食品中のカフェイン」)。
Q. 妊活中のお酒は、どのくらいまでなら大丈夫ですか?
当薬局が「ここまでなら大丈夫」という量をお示しすることはできません。厚生労働省の飲酒ガイドラインは、妊娠中の飲酒について「胎児へ胎児性アルコール症候群等をもたらす可能性があります」として、避けることが必要な場合に挙げています。妊娠に気づく前の時期を含むことになるため、妊活中の扱いは主治医とご相談ください。なお同ガイドラインは、生活習慣病のリスクを高める量として1日あたりの純アルコール摂取量が女性20g以上を挙げています。ビール500ml(5%)でちょうど20gにあたります(厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」)。
Q. 漢方を飲めば妊娠しやすくなりますか?
妊娠を約束できる漢方はありません。当薬局のご相談は、体質の偏りを整える方向のもので、妊娠の成立を保証するものではありません。妊娠の可能性は年齢をはじめ多くの条件に左右されます。不妊の検査や治療は医療機関の領域ですので、まず産婦人科でご確認ください。そのうえで、治療を続けながら体質の側から並行して考えたいという方に、ご相談をお受けしています。
Q. 市販の漢方を試しましたが、しっくりきません。なぜでしょうか?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて作られています。妊活中の飲み物では複数のタイプの特徴が重なって見えることがあり、そうした場合はひとつの処方が体質の主軸と合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
Q. 西洋薬を服用中ですが、漢方は併用できますか?
お薬手帳を拝見して確認します。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、高血圧症や心不全に対してチアジド系降圧利尿薬やループ利尿薬が投与されている場合、糖尿病に対してインスリンが投与されている場合に「低カリウム血症を生じやすく、重篤化しやすいので、注意が必要である」としています。同マニュアルはこのほか、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとして、併用時の注意を挙げています。初期症状としては「手足のしびれ、つっぱり感、こわばり」「徐々に進行する四肢の脱力や筋肉痛」が挙げられています。服用中のお薬は必ずお知らせください。
Q. 予約方法とキャンセルについて教えてください。
LINE・お電話・Web予約から承ります。ご予約の変更やキャンセルが必要になった場合は、分かった時点でLINEまたはお電話でご連絡ください。
Q. 女性の悩みを男性薬剤師に話しづらいのですが。
ご相談者の9割が女性です。ご予約時に「女性スタッフを希望」とお伝えいただければ調整いたします。
本記事は東洋医学・漢方に関する一般的な解説であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。漢方の体感には個人差があります。妊娠中・授乳中の方、医療機関で治療中の方、慢性疾患をお持ちの方は、必ず事前に薬剤師にご相談ください。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、チアジド系降圧利尿薬・ループ利尿薬やインスリンが使われている場合に低カリウム血症を生じやすいとし、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとしています。服用中のお薬は事前にお知らせください。気になる症状がある場合は、医療機関の受診を優先してください。