不安神経症の漢方相談|薬剤師が5タイプで体質を見立てる

不安神経症の漢方相談|薬剤師が5タイプで体質を見立てる

不安神経症(ふあんしんけいしょう)の漢方相談|銀座漢方天風堂薬局
監修: 柳澤 謙行(やなぎさわ けんこう)/銀座漢方天風堂薬局 薬剤師(薬剤師歴45年以上)
2000年銀座にて漢方薬局を開業。30〜50代女性の冷え・婦人科・慢性不調のご相談を延べ1万人以上担当。女性のご相談者が9割を占めます。

公開日:2026年9月8日

結論からお伝えすると、不安神経症に漢方を使うときは「不安を消す薬」を探すのではなく、気血の不足・気の巡り・潤い不足・水の停滞・冷えの5つに分けて考えます。治療の中心は精神科・心療内科です。そのうえで、体質の側から並行してご相談いただけます。

なお、当薬局のご相談は医師による診断ではなく、東洋医学の考え方にもとづく体質の見立てです。診断・治療は医療機関で行われることを前提にお読みください。

「心配ごとが頭から離れず、いつも気を張っている」
「人前で話すと思うだけで、何日も前から眠れない」
「不安のせいで体まで疲れきってしまう」

不安神経症(ふあんしんけいしょう)は古くから使われてきた呼び方で、厚生労働省のサイトでは「不安障害」という言葉で説明されています。まずどこからが病気として扱われるのかを整理したうえで、東洋医学から見た5つの体質タイプを順に見ていきます。

目次

1. どこからが「不安症」と呼ばれるのか?

漢方相談カウンターのイメージ
先に精神科・心療内科を受診していただきたいサイン
死にたい気持ちや自分を傷つけたい気持ちが浮かぶ/不安のために外出や出勤ができない/眠れない日が続いている/アルコールや市販薬の量が増えている/体重が減ってきている/動悸や息苦しさで倒れそうになったことがある。以上は当薬局からのお願いとして挙げているもので、学会が定めた基準ではありません。これらに当てはまる場合は、漢方の相談より先に精神科・心療内科をご受診ください。死にたい気持ちや自分を傷つけたい気持ちが浮かぶときは、ためらわずに医療機関や公的な相談窓口にご連絡ください(厚生労働省「まもろうよ こころ」に電話・SNSの相談先がまとめられています)。診断は精神科・心療内科が行うものであり、当薬局は診断をする場ではありません。

まず線引きです。厚生労働省の「こころもメンテしよう」は「心配や不安が過度になりすぎて、日常生活に影響が出ていたら、それは不安障害かもしれません」としています。不安があること自体ではなく、日常生活に影響が出ているかどうかが目安だ、ということです(厚生労働省「こころもメンテしよう」不安障害)。

そのうえで、いくつかの型が説明されています。全般性不安障害については「学校のことや家族・友達のこと、生活上のいろいろなことが気になり、極度に不安や心配になる状態が半年以上続きます」。対象がひとつに定まらず、次から次へと心配ごとが移っていくという形です。

社交不安障害については「人に注目されることや人前で恥ずかしい思いをすることが怖くなって、人と話すことだけでなく、人が多くいる場所に、強い苦痛を感じる病気」とされています。「性格が内気だから」で片づけられてしまいやすいところですが、苦痛の強さと生活への影響で見るものだ、ということです。

なお、突然の発作が主役の場合は別の型(パニック障害)として整理されています。発作・予期不安・外出の制限が中心なら、そちらの記事のほうが具体的です。

東洋医学では、不安神経症という病名を使いません。気血が足りず心を養えていない、気の巡りが滞っている、潤いが足りず心が落ち着かない、水が停滞している、体を温める力が落ちている——という体全体の傾向のあらわれとして読みます。これは治療の代わりではなく、治療を受けながら体の土台を整えるための見方です。

2. 東洋医学では不安神経症をどう5つに分けるのか?

体質を見立てる漢方薬局

東洋医学では不安神経症という病名を使いません。不安がどの体の傾向から出ているかで整理します。次の5つを目安にします。※医療機関での治療を続けたままご相談いただけます。

タイプ1:気血不足型|心脾両虚(しんぴりょうきょ)

考えすぎと胃腸の弱りで、心を養う気と血が足りていない傾向。取り越し苦労が止まらず、眠りが浅い・食が細いという訴えが重なります。

タイプ2:気の巡り停滞型|肝気鬱結(かんきうっけつ)

ストレスで気の巡りが滞っている傾向。のどのつかえ・胸のつかえが主役で、不安といらだちが交互に来ます。月経前に全体が悪化します。

承認基準で「不安神経症」に挙げられている処方例:半夏厚朴湯
厚生労働省の一般用漢方製剤承認基準で、効能・効果に「不安神経症」が挙げられている処方です。どなたにも同じ処方が合うわけではありません。

タイプ3:潤い不足型|心陰虚(しんいんきょ)

体を潤す力が不足し、心が静まりにくい傾向。夜になると不安が強まり、寝汗・手足のほてり・動悸をともないます。

タイプ4:水はけ低下型|痰飲(たんいん)

水の停滞が胸まわりに起きている傾向。不安に胸のつかえ・吐き気・めまい感が同時に出ます。雨の日や食べすぎのあとに強まります。

承認基準で「不安神経症」に挙げられている処方例:半夏厚朴湯
厚生労働省の一般用漢方製剤承認基準で、効能・効果に「不安神経症」が挙げられている処方です。どなたにも同じ処方が合うわけではありません。

タイプ5:冷え・虚弱型|心腎陽虚(しんじんようきょ)

体を温める力が底で落ちている傾向。理由のない不安が朝から続き、冷え・むくみ・夜間のトイレが重なります。長い疲労のあとに見られます。

なお、この5つで説明がつかない方もいらっしゃいます。突然の発作が主役の場合はパニック障害の型として整理されており、そちらの記事のほうが具体的です。日常生活に影響が出ている段階なら、東洋医学の枠組みより先に医療機関につながってください。5つに当てはめること自体が目的ではありません。

3. 自分はどのタイプ? 20問セルフチェック

全20問です。各タイプ4項目のうち2つ以上当てはまれば、そのタイプの傾向があります。3つ以上当てはまるタイプが、いまの体質の主軸に近いと考えてください。2つ以上当てはまるタイプが複数ある場合は、下の「2タイプ以上に当てはまる方へ」をお読みください。
※この2つ・3つという目安は、ご相談前の整理のために当薬局が置いているもので、診断基準ではありません。

タイプ1:気血不足型(心脾両虚(しんぴりょうきょ))
  • 考えごとが止まらない
  • 眠りが浅く夢が多い
  • 食が細い・軟便になりやすい
  • 疲れやすい・顔色が白い
タイプ2:気の巡り停滞型(肝気鬱結(かんきうっけつ))
  • のどや胸がつかえる
  • 不安といらだちが交互に来る
  • ため息が多い
  • 月経前に悪化する
タイプ3:潤い不足型(心陰虚(しんいんきょ))
  • 夜になると不安が強まる
  • 寝汗をかく・手足がほてる
  • 動悸がする
  • 口が渇く・眠りが浅い
タイプ4:水はけ低下型(痰飲(たんいん))
  • 胸のつかえと吐き気が同時に来る
  • めまい感がある
  • 雨の日や湿度の高い日に悪化する
  • 痰がからむ
タイプ5:冷え・虚弱型(心腎陽虚(しんじんようきょ))
  • 理由のない不安が朝から続く
  • 手足の冷えが強い
  • 夜間にトイレで目が覚める
  • 腰が重だるい
2タイプ以上に当てはまる方へ
複数のタイプの特徴が重なって見えることがあります(当薬局の見立て上の整理で、件数として集計したものではありません)。その場合、市販の一処方では体質の主軸に届かないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる煎じ薬という選択肢もあります。

自分のタイプがわからない方は、ご相談ください

無料相談(30分)で、脈・舌・これまでの経過から、体質の主軸を整理します。

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4. タイプ別に、今日から何ができるか?

小皿に分けた生薬。ウイキョウ・ナツメ・人参と乳鉢
当薬局が保有する生薬の写真です(撮影日の記録はありません)。体質の見立てに合わせてこれらを組み合わせます。

いずれも日々の食事と暮らしの範囲でできることです。合わないと感じたら続けないでください。

全タイプ共通:不安の中身ではなく「強まる時間帯」を記録する
不安の中身を書き出すと、かえって反芻が続くことがあります。記録するのは①不安が強まった時間帯 ②そのときの体の状態(眠れているか・食べられているか・疲れているか) ③直前にあったことの3つにしてください。体の側の条件と結びついていることが見えてくると、打ち手が生活の側に見つかります。カフェインの量と睡眠時間は、まっさきに見直す価値があります。

タイプ1:気血不足型

合う食材:なつめ・山芋・鶏肉・うるち米
暮らし:朝食を抜かない。就寝1時間前に考えごとを紙に出す

タイプ2:気の巡り停滞型

合う食材:しそ・柑橘類・セロリ・ジャスミン茶
暮らし:夕方の軽い散歩。予定を詰めすぎない

タイプ3:潤い不足型

合う食材:白きくらげ・黒豆・百合根・梨
暮らし:夜更かしを避ける。就寝前のカフェインを断つ

タイプ4:水はけ低下型

合う食材:はと麦・大根・生姜・陳皮
暮らし:冷たい飲み物を減らす。夕食を軽くする

タイプ5:冷え・虚弱型

合う食材:しょうが・シナモン・くるみ・羊肉
暮らし:腰と足首を冷やさない。湯船につかる

5. 不安神経症の裏に何が隠れているのか?

不安の出方は、季節や重なっている不調で変わります。当てはまるものが決まっている方は、その症状別の記事のほうが具体策に届きます。

また、不安の強さは睡眠・月経周期・胃腸・カフェインと地続きです。気持ちの側だけを何とかしようとしても戻ってしまうと感じている方は、初回のご相談で睡眠・食事・月経・飲み物もあわせて伺います。

6. 市販の漢方が合わないのはなぜ?

市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて設計されています。複数のタイプにまたがる不調では、ひとつの処方が体質の主軸と噛み合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。

ただし、これは市販薬を否定するものではありません。合っている方はそのまま続けていただいて構いません。

精神科・心療内科でSSRIや抗不安薬を処方されている方も、それらを続けたままご相談いただけます。当薬局はそれらの薬を減らす・やめる判断をする場ではありません。自己判断で急にやめると体調に影響が出ることがあります。減量や中止は必ず処方元でご相談ください。処方内容はお薬手帳で確認し、飲み合わせに注意が要る組み合わせがあればその場でお伝えします。

7. 相談すると何をして、いくらかかるのか?

漢方相談カウンターのイメージ

ご相談の流れ:①LINE・お電話・Web予約でご予約 →②ご来店。体調・お悩み・これまでの経過・暮らしを伺い、脈と舌を拝見 →③体質の主軸を整理し、合う処方をご提案 →④煎じ薬をお渡し →⑤経過を確認し、必要なら処方を調整。脈と舌を実際に拝見するため、ご相談は来店を基本としています。

無料相談は30分です。まずはここでお身体の状態と、漢方が選択肢になるかを整理します。継続される場合の費用の目安は毎月15,000〜25,000円程度です。煎じ薬は1日分パックで、朝5〜10分で準備できます。短期間のおためしコースもご用意していますので、金額と内容は無料相談の際にご案内します。
※ 2026年9月8日 時点のご案内です。金額は変わることがあります。

※LINE登録でお渡しする5,000円OFFクーポンは通常の1か月コースが対象です。おためし2週間コースなど、他の割引との併用はできません。

医療機関で治療を受けている方は、その治療を続けながらご相談ください。当薬局は診断を行う場ではありません。お薬手帳をお持ちいただけると、併用の確認がスムーズです。

不安神経症のお悩みを、体質から見立てます

無料相談(30分)で、これまでの経過・お薬・暮らしを伺い、脈と舌からお身体の状態を整理します。薬剤師歴45年以上の柳澤が担当します。

▶ LINE登録で5,000円OFFクーポン進呈(通常の1か月コースが対象・他の割引との併用不可)

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📞 03-3547-5102(13:00〜19:00/土日祝休)

🗓️ Web予約 📍 地図・アクセス(〒104-0061 東京都中央区銀座3-14-4/東銀座駅 徒歩3分)

※ 医療機関での診断・治療を受けている方は、そちらを優先してください。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。自己判断で治療を中断しないでください。

※お身体の変化には個人差があります。妊娠中・授乳中・服薬中の方は事前にお知らせください。

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8. よくある質問(FAQ)

Q. 精神科や心療内科に通っていますが、漢方相談も受けられますか?

はい。通院しながらご相談に来られる方もいらっしゃいます。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。治療の中心は主治医の治療で、漢方はその代わりになるものではありません。処方されているお薬がある場合はお薬手帳をお持ちください。

Q. どんなときに医療機関を受診したほうがよいですか?

死にたい気持ちや自分を傷つけたい気持ちが浮かぶ・不安のために外出や出勤ができない・眠れない日が続いている・アルコールや市販薬の量が増えている、というときは漢方相談より先に受診してください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」に電話・SNSの相談先がまとめられています。

Q. どこからが病気なのでしょうか。心配性なだけかもしれません。

厚生労働省の解説は「心配や不安が過度になりすぎて、日常生活に影響が出ていたら、それは不安障害かもしれません」としています。不安があること自体ではなく、日常生活に影響が出ているかどうかが目安です。全般性不安障害については「極度に不安や心配になる状態が半年以上続きます」という期間の目安も示されています。判断は医療機関が行います。

Q. 人前で話すのが怖いのは、ただの性格ですか?

同じ解説は社交不安障害を「人に注目されることや人前で恥ずかしい思いをすることが怖くなって、人と話すことだけでなく、人が多くいる場所に、強い苦痛を感じる病気」と説明しています。性格の問題として片づけられがちですが、苦痛の強さと生活への影響で見るものです。困っているなら相談する理由になります。

Q. パニック障害の記事と、どちらを読めばよいですか?

突然の発作と、その後の予期不安・外出の制限が主役なら、パニック障害の記事です。対象が次々に移る心配ごとや、人前の場面での強い苦痛が主役なら、この記事のほうが具体的です。両方に当てはまる方は両方お読みください。どちらに当たるかを決めるのは医療機関です。

Q. 市販の漢方を試しましたが、しっくりきません。なぜでしょうか?

市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて作られています。不安神経症では複数のタイプの特徴が重なって見えることがあり、そうした場合はひとつの処方が体質の主軸と合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。

Q. 西洋薬を服用中ですが、漢方は併用できますか?

お薬手帳を拝見して確認します。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、高血圧症や心不全に対してチアジド系降圧利尿薬やループ利尿薬が投与されている場合、糖尿病に対してインスリンが投与されている場合に「低カリウム血症を生じやすく、重篤化しやすいので、注意が必要である」としています。同マニュアルはこのほか、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとして、併用時の注意を挙げています。初期症状としては「手足のしびれ、つっぱり感、こわばり」「徐々に進行する四肢の脱力や筋肉痛」が挙げられています。服用中のお薬は必ずお知らせください。

Q. 予約方法とキャンセルについて教えてください。

LINE・お電話・Web予約から承ります。ご予約の変更やキャンセルが必要になった場合は、分かった時点でLINEまたはお電話でご連絡ください。

Q. 女性の悩みを男性薬剤師に話しづらいのですが。

ご相談者の9割が女性です。ご予約時に「女性スタッフを希望」とお伝えいただければ調整いたします。

免責事項
本記事は東洋医学・漢方に関する一般的な解説であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。漢方の体感には個人差があります。妊娠中・授乳中の方、医療機関で治療中の方、慢性疾患をお持ちの方は、必ず事前に薬剤師にご相談ください。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、チアジド系降圧利尿薬・ループ利尿薬やインスリンが使われている場合に低カリウム血症を生じやすいとし、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとしています。服用中のお薬は事前にお知らせください。気になる症状がある場合は、医療機関の受診を優先してください。
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