春のむくみと漢方|梅雨むくみも5タイプで薬剤師が解説

春のむくみと漢方|梅雨むくみも5タイプで薬剤師が解説

春のむくみと漢方|梅雨むくみも5タイプで薬剤師が解説

ふくらはぎのむくみを指で確認する30代女性 春・梅雨むくみ 水滞

「春になると朝の顔がパンパン」「夕方になると脚が重だるい」「梅雨に入ったらむくみが悪化した」「朝と夜の体重差が2kg近くある」「靴下の跡がいつまでも消えない」——30〜50代女性のカウンターで毎年3月から7月にかけて急増するお声です。中医学ではむくみを「水滞(水のめぐりの停滞)」と捉え、原因となる体質によって5タイプに分けて見立てていきます。春は寒暖差・新生活ストレス・気圧変動、梅雨は湿邪と、季節要因も加わって悪化しやすい時期。本記事では、脾虚水停・陽虚水泛・気滞水停・湿熱内蘊・腎陽虚の5タイプで見立てる手順、各タイプ別の合う食材と整え方をまとめます。LINE友だち追加で5,000円分のクーポンを進呈しております。初回のご相談は無料、薬剤師歴45年の店主が60分かけてお話を伺います。

監修者
柳澤 謙行(やなざわ けんこう)/銀座漢方天風堂薬局 薬剤師
薬剤師歴45年・漢方相談のべ10,000件超/創業2000年
この記事でわかること
  • 春と梅雨でむくみが増える中医学的な理由(湿邪・脾虚・気滞・腎陽)
  • あなたのむくみはどのタイプか、5タイプ別セルフチェック15問
  • 脾虚水停・陽虚水泛・気滞水停・湿熱内蘊・腎陽虚の見立てと整え方
  • 「五苓散を飲んでも整わない」と感じる方への見立て直し
  • 春〜梅雨期に共通の養生(塩分より大事な「水のめぐり」)

なぜ春・梅雨はむくみやすいのか — 季節と水のめぐり

白衣の薬剤師が漢方相談カウンターでむくみの見立てを記録 個別の体質診断

「春になると顔がパンパン」「梅雨に脚がむくむ」というお声は、毎年3月から7月にかけて、カウンターで急増します。これは「気のせい」「年のせい」と片付けてしまわない方が、整え方の方向が見えてきます。

中医学では、むくみを「水滞(すいたい)」と捉えます。体内の水分(水)が、本来流れるべきところで流れず、特定の場所(顔・脚・お腹など)に溜まる状態です。水のめぐりに最も関わる臓は脾(消化吸収と水分代謝の中心)腎(水の最終的な代謝)、そして気のめぐり(肝・気滞)です。

春は寒暖差・新生活ストレス・気圧変動が、肝の気のめぐりと脾の働きを乱します。気滞水停・脾虚水停タイプが目立ちます。梅雨は外界の湿邪が体内に侵入し、痰湿・湿熱内蘊タイプが悪化しやすい時期です。冬の冷えを引きずっている方は陽虚水泛タイプで春先に悪化、加齢による腎陽の弱りがある方は腎陽虚タイプの傾向が強まります。

同じ「むくみ」でも、人によって出方は5つに分かれます。脾の弱りで水が下に流れ脚に溜まる型、冷えで水が動かない型、ストレスで気が詰まり水も詰まる型、湿が熱を持って下半身に溜まる型、腎の冷えで朝の顔・夜の脚に表れる型。それぞれ合う食材も、漢方処方の方向も大きく違います。

食材選びの基本的な見立て方は、「【食べ物診断】あなたの体質に合う食材は?5タイプ別ガイド」で詳しく解説しています。本記事はその中でも特に「春〜梅雨期×むくみ」に焦点を絞った見立てです。

【セルフチェック】あなたのむくみはどのタイプ?15問診断

以下、各タイプ3問ずつ、計15問のセルフチェックです。「最近1〜2ヶ月、よく当てはまる」と感じる項目にチェックを入れてください。最も多く当てはまったタイプが、現時点であなたの体に出ている傾向です。複数タイプにまたがる方は、上位2つの混合タイプとお考えください。

A. 脾虚水停タイプ(脾の弱り+水の下方停滞)

  • 夕方に脚がパンパン、靴下の跡が消えない
  • 朝の顔が浮腫むより、夕方〜夜の脚むくみが強い
  • 食欲低下・軟便・疲れやすさが伴う

B. 陽虚水泛タイプ(冷えで水が動かない)

  • 手足や腰が冷たい、温めるとむくみが楽になる
  • 冷たい飲食でむくみが悪化、エアコンが苦手
  • 軟便〜下痢、夜中にトイレで目が覚める

C. 気滞水停タイプ(ストレスで気と水が詰まる)

  • ストレスでむくみが強まる、月経前のむくみが顕著
  • 朝の顔がパンパン、ため息が多い、肩こり
  • 気圧変動でむくみ+頭重が出やすい(雨の前後)

D. 湿熱内蘊タイプ(湿+熱が下半身に溜まる)

  • 梅雨に強く悪化、脚・下腹のむくみ+ベタつき
  • 口臭・口内炎・舌に厚い黄色い苔がある
  • 便がねっとり臭う・尿が濃い・赤い吹き出物

E. 腎陽虚タイプ(腎の冷えと水代謝低下)

  • 朝の顔むくみ+夜のトイレ起き併発、腰冷え
  • 足首から下が冷たく腫れる感じ、足のだるさ
  • 白髪・髪薄・耳鳴り・夜間頻尿(加齢サイン)

各タイプ3問中2〜3個当てはまる場合、その傾向が現時点で表に出ています。たとえばAとBの両方で2個ずつ当てはまる方は「脾虚水停+陽虚水泛」の混合で、もともと脾が弱い体質に冷えが重なって脚むくみが慢性化しているパターン。CとDの混合は「ストレス+湿熱」で月経前に下半身のむくみと吹き出物が同時に出やすい組み合わせです。

5タイプ別の見立てと整え方

春・梅雨むくみ5タイプ別のおすすめ食材イラスト

ここからは、各タイプの見立てと、おすすめ食材・避けたい食材・代表的な漢方処方の方向性を解説します。※食材や処方の体感には個人差があります。

ご注意
以下の食材は中医学の食養生上の分類であり、食品による治療・予防・症状改善を示すものではありません。処方名は代表例で、実際の服用可否は体質・既往歴・服薬状況・製品ごとの効能効果により異なります。自己判断での服用は避け、必ず医師・薬剤師等にご相談ください。

季節別の傾向まとめ: 春(3-5月)は寒暖差・新生活ストレス・気圧変動で気滞水停・陽虚水泛が目立ち、梅雨(5月末-7月)は外界の湿邪で脾虚水停・湿熱内蘊が悪化しやすい傾向があります。

A. 脾虚水停タイプ(脾の弱り+水の下方停滞)

主訴: 夕方の脚むくみ/靴下跡が消えない/食欲低下・軟便/疲労感

もともと脾の力が弱く、水が下方に流れて停滞しているパターンです。慢性疲労・冷たい飲食習慣・産後の方に多く見られます。

分類 内容
おすすめ食材 山芋、はと麦、なつめ、白米のお粥、かぼちゃ、栗、しいたけ、人参、温かい味噌汁
避けたい食材 冷たい飲み物、生野菜の多食、乳製品の連日、甘い菓子、お酒の常用
代表的な漢方処方の方向 参苓白朮散・防己黄耆湯等の「脾を補い水を流す」処方(補中益気湯は気虚が強い場合の補気として検討)
養生のポイント 朝食を温かいお粥+山芋に、はと麦を白米に混ぜる、夕方の脚上げ10分

B. 陽虚水泛タイプ(冷えで水が動かない)

主訴: 手足腰の冷え/温めると楽/冷飲食で悪化/軟便/夜のトイレ起き

体を温める力(陽)が不足し、水が冷えで動かないまま停滞しているパターンです。冷え性・低体温・夏でも冷たい飲食が苦手な方に多く見られます。

分類 内容
おすすめ食材 生姜、ねぎ、シナモン、くるみ、サツマイモ、栗、温かい根菜スープ、紅茶
避けたい食材 刺身、冷たい飲み物、生野菜の朝食、夏野菜(きゅうり・トマト)の梅雨期多食
代表的な漢方処方の方向 真武湯・苓姜朮甘湯・人参湯等の「陽を温め水を流す」処方(当帰芍薬散は血虚を伴う冷えむくみで検討)
養生のポイント 朝の白湯+生姜、お腹のカイロ、靴下を欠かさない、エアコン対策

C. 気滞水停タイプ(ストレスで気と水が詰まる)

主訴: ストレスでむくみ強まる/PMSむくみ/朝の顔/気圧変動で悪化

ストレスで肝の気のめぐりが滞り、それが水の動きも止めてしまうパターンです。新生活・仕事の繁忙期・PMSが強い方に多く見られます。

分類 内容
おすすめ食材 柑橘類(レモン・グレープフルーツ)、しそ、ミント、ジャスミン茶、セロリ、春菊、玉ねぎ
避けたい食材 過度な甘い物、強いコーヒーの空腹時、お酒の常用、夜更かしと連日のカフェイン
代表的な漢方処方の方向 四逆散・加味逍遙散・半夏厚朴湯等の「肝の気を巡らせる」処方(五苓散は水滞主因で口渇・尿量減少を伴う場合に別途検討)
養生のポイント 食前にしそ・レモンの香り、5分の深呼吸、月経サイクルで養生を変える

D. 湿熱内蘊タイプ(湿+熱が下半身に溜まる)

主訴: 梅雨悪化/脚下腹ベタつき/口臭・口内炎/便ねっとり/濃い尿

湿邪が熱を帯びて体内に蓄積し、特に下半身のむくみとして表れているパターンです。揚げ物・お酒・甘い物の習慣化、運動不足の方に多く見られます。

分類 内容
おすすめ食材 緑豆・もやし・冬瓜・きゅうり・はと麦・とうもろこしの髭茶・苦瓜
避けたい食材 揚げ物、お酒の連日、唐辛子の多用、チョコレート、夜遅い肉食
代表的な漢方処方の方向 三妙散・四妙散・茵蔯蒿湯等の「湿熱を流す」処方(越婢加朮湯は体力中等度以上で口渇・発汗・尿量減少を伴う熱感あるむくみで検討)
養生のポイント 夜21時以降の食事を避ける、緑豆スープを夕食に、20分散歩で軽く汗

E. 腎陽虚タイプ(腎の冷えと水代謝低下)

主訴: 朝の顔+夜のトイレ起き/腰冷え/足首腫れ/夜間頻尿/加齢サイン

加齢や慢性的な冷えで腎陽が弱り、水の最終代謝が低下しているパターンです。40代後半以降・冷え重度・慢性疲労の方に多く見られます。

分類 内容
おすすめ食材 くるみ、黒胡麻、黒豆、山芋、なつめ、栗、エビ、羊肉、シナモン、温かい根菜スープ
避けたい食材 冷たい飲み物、生野菜の朝食、夜遅い水分摂取、極端な減塩
代表的な漢方処方の方向 八味地黄丸・牛車腎気丸・真武湯等の「腎陽を温めて水を流す」処方
養生のポイント 腰回りを温める、就寝3時間前から水分を控える、黒い食材を日常に取り入れる

「五苓散を飲んでも整わない」と感じる方への見立て直し

むくみ対策 はと麦茶・小豆・生姜・冬瓜 利水養生

ドラッグストアで「むくみに五苓散」と聞いて試したけれど、効きませんでした——というお声を本当に多くいただきます。

五苓散は口渇・尿量減少・頭重・吐き気を伴う水滞型のむくみに用いられることがある処方です。脾虚水停・陽虚水泛・湿熱内蘊・腎陽虚や、ストレス性気滞主因の方が飲むと「むしろ冷える」「体感が得られない」と感じることがあります。

たとえば、夕方の脚むくみが慢性化している方(脾虚水停)には参苓白朮散・防己黄耆湯の方向、冷えで水が動かない方(陽虚水泛)には真武湯・苓姜朮甘湯の方向、梅雨に下半身が腫れる方(湿熱内蘊)には越婢加朮湯の方向、朝の顔と夜のトイレ起きが併発する40代後半以降(腎陽虚)には八味地黄丸・牛車腎気丸の方向で見立てます。

「むくみに適する漢方」と一括りにせず、自分はどのタイプに近いのかを整えてから処方を選ぶ。当薬局のカウンターでは、ここを大事にしてお話を伺っています。複数のタイプが重なる方には、煎じ薬で「あなたの一剤」を仕立てて、優先度を整えながら組み立てていきます。

春から梅雨へ — 季節別の養生切替

体質は変わらなくても、春と梅雨で養生の重みづけを変えると、季節要因に振り回されにくくなります。

時期 主な悪化タイプ 優先養生
3-4月(春先) 気滞水停・陽虚水泛 寒暖差対策・ストレス対処(柑橘・しそ・ジャスミン茶)
5月(春盛り) 気滞水停・脾虚水停 PMS・新生活疲労対策、山芋・なつめを朝食に
5月末-6月(梅雨入り) 脾虚水停・湿熱内蘊 はと麦・小豆・冬瓜の利水食材、温かい料理中心に
6月後半-7月(梅雨後半) 湿熱内蘊・腎陽虚 緑豆・とうもろこしの髭茶、夜の水分を控える

梅雨入り前後で同じ方でも症状の主訴が変わることが多いです。「春先は朝の顔が気になっていたけれど、梅雨に入って脚のむくみが目立つようになった」というのは、よくあるパターン。季節要因と体質の重なり方が変わるためです。

食養生の限界 — 漢方相談で見えてくること

食養生はむくみを整える土台ですが、限界もあります。「合う食材を続けたが体調の変化が乏しい」「複数タイプにまたがって優先がわからない」「むくみで日中だるくて仕事に集中できない」「市販の漢方薬を試したが体感が得られない」——こうした方は、漢方相談で「証」を見立て、生薬を組み合わせるのも選択肢になります。

当薬局では、初回60分の無料相談で、ご相談者の体質を脈・舌・問診で見立てます。脾虚水停と陽虚水泛が混ざっているか、気滞水停と湿熱内蘊が重なっているか、見立てが立てば、合う食材も漢方薬も一緒に組み立てることができます。

降圧薬・利尿薬・糖尿病薬を服用中の方、HRT中の方、妊娠中・授乳中の方も、服用中のお薬と適切に組み合わせるご相談を承ります。

よくあるご質問

Q. 春と梅雨でむくみのタイプは変わりますか?

A. 外界の湿邪は梅雨期に最も強くなるため、痰湿や湿熱内蘊タイプの方は梅雨でむくみが悪化しやすくなります。一方、寒暖差・気圧変動・新生活ストレスの影響が大きい春は、気滞水停や陽虚水泛タイプが目立ちます。体質は同じでも、季節要因で症状の出方が変わるイメージです。

Q. 「五苓散」を飲んでもむくみが整いません。

A. 五苓散は口渇・尿量減少・頭重・吐き気を伴う水滞型のむくみに用いられることのある処方です。脾虚水停・陽虚水泛・腎陽虚や、ストレス性気滞主因の方には方向が違います。タイプを見立てずに「むくみに五苓散」と一括りに選ぶと、合わない処方を続けてしまうことがあります。

Q. 夕方に脚がパンパンになるのはどのタイプですか?

A. 脾虚水停または陽虚水泛タイプが多いです。一日の終わりに重力で水分が下に溜まり、脾や陽の弱さで戻りきらない状態です。山芋・はと麦・生姜・くるみが見立ての方向です。

Q. 朝起きると顔がむくむのはどのタイプですか?

A. 気滞水停・湿熱内蘊・腎陽虚いずれの可能性もあります。前夜の飲酒・甘い物・冷たい飲み物・塩分過剰・睡眠不足のどれが当てはまるかで方向が変わります。腎陽虚の方は朝の顔むくみ+夜のトイレ起き併発が特徴です。

Q. ダイエットしてもむくみが取れず体重が落ちません。

A. むくみが取れない方は、減量より「水分代謝の整え」が先決です。脾虚や陽虚の方が極端な制限を続けると更に代謝が落ちます。タイプに合った食材で底支えしながら、軽い運動と組み合わせるのが効率的です。「漢方ダイエット5タイプ」もご参照ください。

Q. 妊娠中・授乳中のむくみも漢方相談できますか?

A. 可能です。妊娠中・授乳中は使える生薬が限定されますが、食養生と組み合わせた整え方をご案内します。妊娠後期の浮腫は妊娠高血圧症候群の可能性もあるため、まず産婦人科の主治医にご相談ください。

Q. むくみが続く場合、医療機関を受診すべきですか?

A. 片足だけ強くむくむ・痛みを伴う・尿量が極端に減る・息切れや動悸を伴う場合は、心臓・腎臓・血管系の疾患の可能性があるため、内科を必ず受診してください。両足の軽度〜中等度の継続的なむくみで原因が判然としない場合は、まず医療機関で確認した上で、生活要因が関わる場合に漢方相談も選択肢になります。

Q. 塩分を減らせばむくみは治りますか?

A. 医師から減塩指導を受けている方はそれを優先してください。中医学の養生では塩分量だけでなく、冷飲食・甘味過多・運動不足・睡眠リズムも併せて見ます。塩分制限だけでむくみが整いにくい場合、体質に合った食養生を組み合わせる方向で検討します。

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本記事の5タイプ別見立ては、あくまで一般的な傾向の整理です。実際のあなたの体質は、複数タイプの混合や、季節・年齢・生活環境で日々変化しています。「自分はどのタイプか確信が持てない」「市販の漢方薬を試したが体調の変化が乏しい」「ダイエットしてもむくみが取れない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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免責事項
本記事は中医学の一般的な養生の考え方をまとめた情報提供であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。片足だけ強くむくむ・痛みを伴う・尿量が極端に減る・息切れや動悸を伴う・全身性の浮腫がある場合は、心臓・腎臓・血管系の疾患の可能性があるため、内科を必ず受診してください。妊娠後期の浮腫は妊娠高血圧症候群の可能性もあります。持病をお持ちの方、薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断による生活の急激な変更を避け、必ず主治医または当薬局へご相談ください。
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