掌蹠膿疱症の漢方相談|薬剤師が5タイプで体質を見立てる
2000年銀座にて漢方薬局を開業。30〜50代女性の冷え・婦人科・慢性不調のご相談を延べ1万人以上担当。女性のご相談者が9割を占めます。
公開日:2026年9月12日
結論からお伝えすると、掌蹠膿疱症に漢方を使うときは「膿疱を消す薬」を探すのではなく、熱と水の停滞・血の熱・乾燥・気の巡り・冷えの5つに分けて考えます。診断と治療は皮膚科で受けてください。そのうえで、体質の側から並行してご相談いただけます。
なお、当薬局のご相談は医師による診断ではなく、東洋医学の考え方にもとづく体質の見立てです。診断・治療は医療機関で行われることを前提にお読みください。
「手のひらの膿疱が治ったと思うとまた出てくる」
「足の裏が痛くて長く歩けない」
「うつる病気だと思われているようでつらい」
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、見た目から誤解されやすく、良くなったり悪くなったりを繰り返すために気持ちが折れやすい病気です。まず学会の説明を整理したうえで、東洋医学から見た5つの体質タイプを順に見ていきます。
1. なぜ手のひらと足の裏にくり返し膿疱が出るのか?
関節(とくに鎖骨や胸の中央)の痛みが強い/発熱をともなう/皮疹が急に全身へ広がった/爪の変形が進んでいる/歩けないほど足の裏が痛い/ステロイド外用を自己判断で中止・変更しようとしている。以上は当薬局からのお願いとして挙げているもので、学会が定めた基準ではありません。これらに当てはまる場合は、漢方の相談より先に皮膚科をご受診ください。掌蹠膿疱症の診断と治療は皮膚科が行うものです。当薬局は診断をする場ではありません。ステロイド外用の中止・変更は必ず皮膚科の指示に従ってください。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、掌蹠膿疱症を「ウミが溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します」と説明しています(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「掌蹠膿疱症」)。
この「周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します」という一文は、当薬局にとって都合のよい情報ではありませんが、必ずお伝えしています。何かを始めた直後に良くなったとしても、それが元々の波なのか、始めたことによるものなのかは、短い期間では区別がつきません。ご相談の際も、この点を前提にお話しします。
症状については「出始めに、よくかゆくなります。また、鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節症)やその他の関節が痛くなることがあります」とされています。皮膚だけの病気として捉えていると、関節の痛みが結びつきません。胸の中央や鎖骨のあたりが痛むときは、そのことも皮膚科でお伝えください。
ここでひとつ、書けないことをはっきりさせておきます。掌蹠膿疱症については、扁桃や歯の病巣感染、喫煙との関連がしばしば語られます。しかし上に挙げた学会のQ&Aには、それらについての記述がありません。そのため当記事では、それらを学会の見解としては書きません。ご自身に思い当たることがある場合は、皮膚科の主治医に直接おたずねください。
東洋医学では、掌蹠膿疱症という病名を使いません。熱と水が停滞している、血に熱がこもっている、血が足りず乾いている、気の巡りが滞っている、体を温める力が落ちている——という体全体の傾向のあらわれとして読みます。同じ「膿疱」でも、じくじくして赤みが強い方と、乾いて皮がむける方では、体の側の事情が違うと考えるわけです。
2. 東洋医学では掌蹠膿疱症をどう5つに分けるのか?
東洋医学では掌蹠膿疱症という病名を使いません。手のひらと足の裏に出る膿疱を、体の中の熱と水の停滞のあらわれとして読みます。次の5つを目安にします。※皮膚科での診断と治療、および歯科・扁桃の病巣検索を優先してください。
タイプ1:熱と水の停滞型|湿熱(しつねつ)
熱と水の停滞が重なっている傾向。膿疱が繰り返し出て、赤みと熱感が強い。脂っこい食事・お酒のあとに悪化します。
タイプ2:血の熱型|血熱(けつねつ)
血の中に熱がこもっている傾向。赤みが鮮やかで、かゆみより灼けるような感覚が強い。ストレスや睡眠不足で一気に増えます。
タイプ3:乾燥型|血虚風燥(けっきょふうそう)
血が足りず皮膚が乾いている傾向。膿疱よりひび割れ・角化・皮むけが主役で、冬に悪化します。経過が長くなっている場合に、この見方をとることがあります。
タイプ4:気の巡り停滞型|肝気鬱結(かんきうっけつ)
ストレスで気の巡りが滞っている傾向。忙しい時期や緊張が続いたあとに一段悪くなり、落ち着くと引くという波がはっきり出ます。
タイプ5:冷え・虚弱型|脾腎陽虚(ひじんようきょ)
体を温める力と胃腸の力が落ちている傾向。膿疱の色が淡く、治りが遅い。冷えと疲れやすさが土台にあります。
なお、この5つで説明がつかない方もいらっしゃいます。まだ皮膚科で診断を受けていない方は、そちらが先です。手のひら・足の裏の症状は水虫(白癬)など別の病気でも起こります。5つに当てはめること自体が目的ではありません。
3. 自分はどのタイプ? 20問セルフチェック
全20問です。各タイプ4項目のうち2つ以上当てはまれば、そのタイプの傾向があります。3つ以上当てはまるタイプが、いまの体質の主軸に近いと考えてください。2つ以上当てはまるタイプが複数ある場合は、下の「2タイプ以上に当てはまる方へ」をお読みください。
※この2つ・3つという目安は、ご相談前の整理のために当薬局が置いているもので、診断基準ではありません。
- 膿疱が繰り返し出る
- 赤みと熱感が強い
- 脂っこい食事やお酒で悪化する
- 口が粘る・便がすっきり出ない
- 赤みが鮮やかで灼ける感じがある
- ストレスや睡眠不足で急に増える
- のぼせる・口が渇く
- 眠りが浅い
- ひび割れ・角化・皮むけが主役
- 冬や乾燥期に悪化する
- 皮膚がごわつく・厚くなる
- 爪の変形をともなう
- 忙しい時期に一段悪くなる
- 落ち着くと引くという波がある
- ため息が多い・胸がつかえる
- 寝つきが悪い
- 膿疱の色が淡く治りが遅い
- 手足の冷えが強い
- 疲れやすい・食が細い
- 軟便になりやすい
複数のタイプの特徴が重なって見えることがあります(当薬局の見立て上の整理で、件数として集計したものではありません)。その場合、市販の一処方では体質の主軸に届かないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる煎じ薬という選択肢もあります。
4. タイプ別に、今日から何ができるか?

いずれも日々の食事と暮らしの範囲でできることです。合わないと感じたら続けないでください。
学会が「周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します」としているとおり、この病気には波があります。そのため、短期間の変化だけで何かの効果を判断しないでください。3ヶ月だけ、①膿疱の数の目安(少ない/ふつう/多い) ②かゆみと痛みの強さ(10点満点) ③その週にあったこと(体調・季節・生活の変化)を週1回記録してみてください。波の周期が見えてくると、皮膚科での相談も具体的になります。あわせて、手足を強くこすらない・熱いお湯で洗いすぎない、の2点を心がけてください。
タイプ1:熱と水の停滞型
合う食材:はと麦・冬瓜・どくだみ茶・れんこん
暮らし:揚げ物・乳製品・アルコールを控えめに。喫煙は主治医と相談を
タイプ2:血の熱型
合う食材:トマト・セロリ・緑豆・菊花茶
暮らし:夜更かしを避ける。辛いものとアルコールを控える
タイプ3:乾燥型
合う食材:黒ごま・白きくらげ・松の実・なつめ
暮らし:手足の保湿を欠かさない。熱すぎるお湯で洗わない
タイプ4:気の巡り停滞型
合う食材:しそ・柑橘類・セロリ・ジャスミン茶
暮らし:夕方の軽い散歩。予定に余白をつくる
タイプ5:冷え・虚弱型
合う食材:山芋・かぼちゃ・しょうが・なつめ
暮らし:冷たい飲み物を減らす。腰と足首を冷やさない
5. 掌蹠膿疱症の裏に何が隠れているのか?
皮膚の悩みは、出ている場所と質感で打ち手が変わります。当てはまるものが決まっている方は、その症状別の記事のほうが具体策に届きます。
- かゆみが主役(熱と水の停滞型・血の熱型の方へ) → 「秋の皮膚のかゆみで悩む方へ」
- 乾いて皮がむける(乾燥型の方へ) → 「すねの粉ふき・かゆみで悩む方へ」
- 水仕事で手が荒れる(乾燥型の方へ) → 「秋の主婦湿疹で悩む方へ」
- 赤み・かゆみ・乾燥が長く続く(体質別の整理) → 「アトピー・慢性湿疹と漢方」
- 季節の変わり目に悪化する(全タイプ向けの整理) → 「秋のかゆみ肌で悩む方へ」
また、皮膚の状態は睡眠・胃腸・ストレス・季節と地続きです。手足だけを見ていても戻ってしまうと感じている方は、初回のご相談で睡眠・便通・仕事の状況もあわせて伺います。
6. 市販の漢方が合わないのはなぜ?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて設計されています。複数のタイプにまたがる不調では、ひとつの処方が体質の主軸と噛み合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
ただし、これは市販薬を否定するものではありません。合っている方はそのまま続けていただいて構いません。
皮膚科でステロイド外用薬や活性型ビタミンD3外用薬、光線療法などを受けている方も、それらを続けたままご相談いただけます。当薬局はそれらの治療を減らす・やめる判断をする場ではありません。ステロイド外用の中止・変更は必ず皮膚科の指示に従ってください。処方内容はお薬手帳で確認し、飲み合わせに注意が要る組み合わせがあればその場でお伝えします。
7. 相談すると何をして、いくらかかるのか?
ご相談の流れ:①LINE・お電話・Web予約でご予約 →②ご来店。体調・お悩み・これまでの経過・暮らしを伺い、脈と舌を拝見 →③体質の主軸を整理し、合う処方をご提案 →④煎じ薬をお渡し →⑤経過を確認し、必要なら処方を調整。脈と舌を実際に拝見するため、ご相談は来店を基本としています。
無料相談は30分です。まずはここでお身体の状態と、漢方が選択肢になるかを整理します。継続される場合の費用の目安は毎月15,000〜25,000円程度です。煎じ薬は1日分パックで、朝5〜10分で準備できます。短期間のおためしコースもご用意していますので、金額と内容は無料相談の際にご案内します。
※ 2026年9月12日 時点のご案内です。金額は変わることがあります。
※LINE登録でお渡しする5,000円OFFクーポンは通常の1か月コースが対象です。おためし2週間コースなど、他の割引との併用はできません。
医療機関で治療を受けている方は、その治療を続けながらご相談ください。当薬局は診断を行う場ではありません。お薬手帳をお持ちいただけると、併用の確認がスムーズです。
掌蹠膿疱症のお悩みを、体質から見立てます
無料相談(30分)で、これまでの経過・お薬・暮らしを伺い、脈と舌からお身体の状態を整理します。薬剤師歴45年以上の柳澤が担当します。
▶ LINE登録で5,000円OFFクーポン進呈(通常の1か月コースが対象・他の割引との併用不可)
📞 03-3547-5102(13:00〜19:00/土日祝休)
🗓️ Web予約 📍 地図・アクセス(〒104-0061 東京都中央区銀座3-14-4/東銀座駅 徒歩3分)
※ 医療機関での診断・治療を受けている方は、そちらを優先してください。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。自己判断で治療を中断しないでください。
※お身体の変化には個人差があります。妊娠中・授乳中・服薬中の方は事前にお知らせください。
8. よくある質問(FAQ)
Q. 皮膚科に通っていますが、漢方相談も受けられますか?
はい。通院しながらご相談に来られる方もいらっしゃいます。当薬局のご相談は診断ではなく、東洋医学の考え方による体質の見立てです。処方されているお薬がある場合はお薬手帳をお持ちください。ステロイド外用の中止・変更は必ず皮膚科の指示に従ってください。
Q. どんなときに医療機関を受診したほうがよいですか?
関節(とくに鎖骨や胸の中央)の痛みが強い・発熱をともなう・皮疹が急に全身へ広がった・爪の変形が進んでいる・歩けないほど足の裏が痛い、というときは漢方相談より先に皮膚科をご受診ください。日本皮膚科学会は「鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節症)やその他の関節が痛くなることがあります」としており、皮膚以外の症状も伝える価値があります。
Q. 良くなったり悪くなったりを繰り返します。効いていないということでしょうか?
日本皮膚科学会は、この病気について「周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します」と説明しています。波があること自体が、この病気の経過として書かれています。そのため当薬局では、短い期間の変化だけで何かの効果を判断しないようお伝えしています。数ヶ月単位の記録をつけていただくと、波と変化を分けて考えやすくなります。
Q. 扁桃や歯の治療、禁煙が関係すると聞きました。本当ですか?
当薬局は、それを学会の見解としてお伝えすることができません。上に挙げた日本皮膚科学会のQ&Aには、扁桃や歯の病巣感染、喫煙との関連についての記述がないためです。よく語られる話ではありますが、当てはまるかどうかを含めて、皮膚科の主治医に直接おたずねください。
Q. 人にうつりますか?
掌蹠膿疱症は、日本皮膚科学会の説明では「ウミが溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気」とされています。感染症として説明されてはいません。ただし、手のひらや足の裏の症状は水虫(白癬)など別の病気でも起こるため、診断がまだの方はまず皮膚科でご確認ください。
Q. 市販の漢方を試しましたが、しっくりきません。なぜでしょうか?
市販の漢方薬は、特定のタイプに合わせて作られています。掌蹠膿疱症では複数のタイプの特徴が重なって見えることがあり、そうした場合はひとつの処方が体質の主軸と合わないことがあります。薬剤師が体質を見立てて処方を組み合わせる形をとる方もいらっしゃいます。
Q. 西洋薬を服用中ですが、漢方は併用できますか?
お薬手帳を拝見して確認します。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、高血圧症や心不全に対してチアジド系降圧利尿薬やループ利尿薬が投与されている場合、糖尿病に対してインスリンが投与されている場合に「低カリウム血症を生じやすく、重篤化しやすいので、注意が必要である」としています。同マニュアルはこのほか、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとして、併用時の注意を挙げています。初期症状としては「手足のしびれ、つっぱり感、こわばり」「徐々に進行する四肢の脱力や筋肉痛」が挙げられています。服用中のお薬は必ずお知らせください。
Q. 予約方法とキャンセルについて教えてください。
LINE・お電話・Web予約から承ります。ご予約の変更やキャンセルが必要になった場合は、分かった時点でLINEまたはお電話でご連絡ください。
Q. 女性の悩みを男性薬剤師に話しづらいのですが。
ご相談者の9割が女性です。ご予約時に「女性スタッフを希望」とお伝えいただければ調整いたします。
本記事は東洋医学・漢方に関する一般的な解説であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。漢方の体感には個人差があります。妊娠中・授乳中の方、医療機関で治療中の方、慢性疾患をお持ちの方は、必ず事前に薬剤師にご相談ください。甘草(カンゾウ)を含む漢方では、まれに偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ)が起こることがあります。厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」は、チアジド系降圧利尿薬・ループ利尿薬やインスリンが使われている場合に低カリウム血症を生じやすいとし、副腎皮質ステロイド・甲状腺ホルモン薬・経口避妊薬・アスピリン・イブプロフェンなども低カリウム血症を惹起しうるとしています。服用中のお薬は事前にお知らせください。気になる症状がある場合は、医療機関の受診を優先してください。