銀座漢方天風堂薬局 薬剤師(薬剤師歴45年以上)
体質を見立てて生薬を組み合わせる「あなたの一剤」を仕立てる煎じ薬を中心に、冷え・婦人科・睡眠・疲労・皮膚のご相談を専門とする。
アトピー・慢性湿疹と漢方|薬剤師が4タイプで見立てる赤み・かゆみ・乾燥の整え方
「ステロイドを塗ると一時的に治まるが、やめるとぶり返す」「夜寝る前になるとかゆみが強くなって眠れない」「肘・膝の裏や首がいつも赤くなっている」「保湿しても粉を吹くような乾燥が止まらない」——慢性化したアトピー性皮膚炎・慢性湿疹のご相談は、当薬局でも年間を通じて多いお悩みです。とくに5月の連休明けから梅雨入りまで、汗ばむ季節への変わり目に悪化を訴える方が増えます。
中医学では、慢性化したアトピー・湿疹を「湿熱」「血熱」「血虚風燥」「脾虚湿盛」の4つのタイプに分けて見立てます。同じ「皮膚が赤い・かゆい」でも、原因は「ジュクジュクの湿気と熱」「血の中にこもった熱」「血の不足からくる乾燥」「胃腸の弱りからの慢性化」とまったく違います。タイプを見立てずに同じ漢方や同じ強さのステロイドを続けても、毎年同じ場所がぶり返してしまいます。この記事では4タイプの見分け方、代表処方の使い分け、ステロイドとの上手な併用、初夏の養生をまとめます。
- なぜアトピー・慢性湿疹は長引くのか(中医学的メカニズム)
- あなたの皮膚不調がどのタイプか(4問×4タイプのセルフチェック)
- 湿熱・血熱・血虚風燥・脾虚湿盛 4タイプの代表処方と使い分け
- 消風散・温清飲・当帰飲子・補中益気湯のどれが自分に合うか
- ステロイド外用薬・タクロリムス・抗ヒスタミン薬と漢方の上手な併用
- 「夜のかゆみ」「ジュクジュク」「カサカサ」を毎年繰り返さないための、初夏の養生
- アトピーの裏に隠れている、6大不調(冷え・婦人科・胃腸)との接点
1. なぜアトピー・慢性湿疹は長引くのか
西洋医学では、アトピー性皮膚炎を「皮膚バリア機能の低下」と「免疫の過剰反応(Th2優位)」が組み合わさった慢性炎症性疾患として整理しています。バリアが弱った皮膚から外の刺激物が入り、それに対して免疫が過剰に反応し、炎症とかゆみが連鎖していく状態です。治療の柱はステロイド外用薬・タクロリムス軟膏・抗ヒスタミン薬・保湿、そして近年は生物学的製剤やJAK阻害薬も使われます。
中医学では、この皮膚バリアの弱りと免疫の暴走を、もう一段深い「体質の偏り」として捉えます。「湿熱(皮膚の中で湿気と熱がこもる)」「血熱(血の中に熱がこもって夜にかゆむ)」「血虚風燥(血が不足して肌が乾く)」「脾虚湿盛(胃腸の弱りで湿が長引く)」の4つです。皮膚は内臓の鏡という言い方をしますが、実際にご相談を受けていると、慢性化したアトピーの方は胃腸・血の質・自律神経のいずれかに弱点を持っていることが大多数です。
| タイプ | 病態のイメージ | こんな方に多い |
|---|---|---|
| ① 湿熱 (しつねつ) |
皮膚に湿気と熱がこもる。ジュクジュク・赤み・滲出液・強いかゆみ。 | 汗ばむ季節に悪化・甘い物好き・舌の苔が黄色・脂っこい食事 |
| ② 血熱 (けつねつ) |
血の中に熱がこもる。夜のかゆみが強い・赤みが鮮やか・イライラ。 | 夜眠れないかゆみ・寝汗・口渇・舌が真っ赤・ストレス過多 |
| ③ 血虚風燥 (けっきょふうそう) |
血が不足し肌が乾く。粉吹き・カサカサ・夜の乾燥かゆみ・苔癬化。 | 乾燥型アトピー・月経で悪化・貧血気味・髪パサつき・疲れやすい |
| ④ 脾虚湿盛 (ひきょしっせい) |
胃腸の弱りで湿が長引く。慢性のジュクジュク・むくみ・疲労。 | 食後眠い・お腹下しやすい・舌に歯型・湿気で悪化・体力低下 |
当薬局で問診する限り、慢性化したアトピー・湿疹の方は「湿熱+血熱」「血虚風燥+脾虚」「血熱+血虚風燥」のように、複数の素因が重なっているケースが大多数です。市販の消風散や温清飲を単独で試して動かないのは、組み合わせの調整が必要な体質だから、というのが当薬局の見立ての立場です。
2. あなたのアトピーはどのタイプ?4タイプ別セルフチェック
4タイプそれぞれに4つずつ、当てはまるかどうか○×でチェックしてください。3つ以上当てはまるタイプが、あなたの中心となる体質です。重なる場合も多いので、上位2タイプを目安に読み進めてください。
① 湿熱タイプ(ジュクジュク・赤み・強いかゆみ)
- 患部から滲出液(透明な汁)が出る、もしくは掻き壊しでジュクジュクする
- 赤みが鮮やかで、汗ばむ・蒸れる季節に悪化する
- 甘い物・脂っこい食事・お酒を好み、便がベタつくか粘る
- 舌の苔が黄色っぽく厚い、もしくは口の中が粘る
② 血熱タイプ(夜のかゆみ・鮮やかな赤み)
- 夜寝ようとするとかゆみが強くなり、布団の中で掻いて眠れない
- 赤みが鮮紅色で、皮膚が熱を持っているように感じる
- イライラしやすい・寝汗をかく・口渇が強い
- 舌が真っ赤で苔が少ない、もしくは目の充血が出やすい
③ 血虚風燥タイプ(カサカサ・乾燥型)
- 患部はカサカサで粉を吹くような乾燥、肌色は淡い赤〜くすみ
- 長年掻いてきて皮膚が硬く厚くなっている(苔癬化)部位がある
- 月経の前後・季節の変わり目で肌が一気に荒れる
- 顔色が青白い・髪のパサつき・爪が薄い・疲れやすい
④ 脾虚湿盛タイプ(胃腸の弱りで慢性化)
- 湿疹が何年も同じ場所でくすぶっている(治っては再発の繰り返し)
- 食後の眠気・お腹のもたれ・軟便もしくは下痢しやすい
- 舌の縁にギザギザの歯型がある、もしくは舌苔が白く厚い
- 梅雨や湿気の多い時期に必ず悪化する、疲れると湿疹が出る
3. ① 湿熱タイプ|消風散・越婢加朮湯
急性増悪期や夏季に悪化するアトピーで最も多いのが、この湿熱タイプです。皮膚の中に湿気と熱がこもって、ジュクジュクした滲出液・鮮やかな赤み・強いかゆみが連動して出ます。代表処方は消風散で、湿気と熱と風(かゆみ)を同時に追い出す方向に組まれた処方です。荊芥・防風で風(かゆみ)を散らし、苦参・木通・蝉退で湿熱を排出し、知母・石膏で熱を冷ます、という三方向の働きが組み込まれています。
顔・上半身・関節屈側など、汗が溜まりやすい部位に強い炎症が出ている方、滲出液が多い急性期の方には消風散を中心に組み立てます。一方、まぶたや顔が真っ赤に腫れて熱感がある「赤くて湿った」タイプには、越婢加朮湯を使い分けます。当薬局では、急性期は越婢加朮湯で熱を一気に冷ましつつ、亜急性期に消風散へつなぐ、という流れをご提案するケースも多いです。煎じ薬であれば、その日の皮膚の状態に合わせて石膏・苦参の比率を微調整できます。
湿熱タイプは、甘い物・脂っこい食事・お酒・夜遅い食事が患部に直結します。漢方を始めるのと同じタイミングで、夜のスイーツ・揚げ物・アルコールを2週間だけ控えてみてください。それだけで「掻く回数が減った」と感じる方が多いのが、湿熱タイプの特徴です。煎じ薬と食事の見直しを併走させると、体感が早くなる方向に整いやすくなります。
4. ② 血熱タイプ|温清飲・黄連解毒湯
血熱タイプは、血の中に熱がこもって、夜になるとかゆみが暴れる体質です。日中は比較的落ち着いていても、布団に入って体が温まるとかゆみが強くなり、寝不足から自律神経がさらに乱れる悪循環に入ります。代表処方は温清飲で、血を補う四物湯と熱を冷ます黄連解毒湯を合わせた構成です。慢性化して赤みと黒ずみ(色素沈着)が混在し、熱感がある皮膚状態に最も適応する処方として、アトピー性皮膚炎で著効率がトップクラスとされる処方でもあります。
赤みと熱感が前面に出ていて、まだ乾燥は強くない急性〜亜急性期の方には、黄連解毒湯を単独で使うこともあります。黄連・黄芩・黄柏・山梔子の4つの「苦寒薬」で構成され、血と心の中にこもった熱を一気に冷ます方向に働きます。顔の赤み・ほてり・イライラ・寝つきの悪さが連動している方は、温清飲よりも黄連解毒湯ベースの方が体感が早いケースもあります。当薬局ではどちらを軸にするか、舌の状態と寝汗の有無で判断していきます。
黄連解毒湯と温清飲(黄連解毒湯を含む)は、強く体を冷やす処方です。手足が冷たい・顔色が青白い・お腹が冷えると下痢する方には合いません。同じ「夜のかゆみ」でも、冷えを伴う方は次の血虚風燥タイプの当帰飲子の適応に近いケースが多くなります。市販で温清飲を試して胃腸を悪くしたという方は、当薬局では舌・脈・お腹の温度感を確認したうえで、配合を組み直す方向でご提案します。
5. ③ 血虚風燥タイプ|当帰飲子
慢性化して数年〜十数年経過したアトピーで多いのが、この血虚風燥タイプです。長年の炎症と掻爬で血が消耗し、皮膚を潤す力が足りなくなった状態です。代表処方は当帰飲子で、血を補う四物湯(当帰・地黄・芍薬・川芎)に、かゆみを止める蒺藜子・荊芥・防風と、皮膚と血を補う何首烏・黄耆を合わせた構成です。乾燥型のアトピーで赤みが少なく、夜寝ようとするとカサカサとかゆむ、という典型像に最も合います。
当帰飲子の典型的なターゲットは、長年掻いてきて肌が硬く厚くなり(苔癬化)、患部の色は淡い赤〜くすみ、乾燥が強くて月経のたびに肌が荒れる女性です。冷え・貧血気味・髪のパサつき・爪が薄いといった「血虚」の徴候が伴うのが特徴で、保湿剤だけでは追いつかない乾燥かゆみに対して、内側から血を補う方向で整えます。月経量が少ない方・産後に悪化した方・更年期前後の乾燥アトピーには、当帰芍薬散や四物湯を組み合わせるケースもあります。
6. ④ 脾虚湿盛タイプ|補中益気湯・六君子湯
「治っては同じ場所がぶり返す」を何年も繰り返している慢性湿疹の背景には、胃腸の弱りからくる脾虚湿盛が隠れていることが多くなっています。脾(胃腸)が水分を捌ききれず、湿として体内に残り、それが皮膚に表れている状態です。代表処方は補中益気湯で、疲れやすく食欲が落ちている、体力低下を背景に湿疹がくすぶる方に向きます。気を補って免疫力の土台を立て直す処方として、慢性疾患の体質づくりに広く使われます。
胃もたれ・食後の眠気・軟便・お腹のポチャポチャ音が前面に出ている方には、六君子湯を使い分けます。六君子湯は脾胃の弱りと湿の停滞を同時に整える処方で、湿気の多い時期に必ず悪化するタイプの慢性湿疹の土台づくりに向きます。乳幼児期からのアトピーで、食が細くて成長が緩やかなお子さんにも使われる処方系統です。当薬局では、補中益気湯または六君子湯を軸にしつつ、急性増悪期だけ消風散を上乗せする、という二段構えの組み立てをご提案するケースが多いです。
7. 4タイプの代表処方一覧と使い分け
| タイプ | 代表処方 | こんな皮膚状態に |
|---|---|---|
| 湿熱 | 消風散/越婢加朮湯 | ジュクジュク・滲出液・鮮やかな赤み・夏季悪化 |
| 血熱 | 温清飲/黄連解毒湯 | 夜のかゆみ・鮮紅色・熱感・赤と黒ずみ混在 |
| 血虚風燥 | 当帰飲子(+当帰芍薬散) | 乾燥型・粉吹き・苔癬化・月経で悪化・冷え |
| 脾虚湿盛 | 補中益気湯/六君子湯 | 慢性くすぶり・湿気で悪化・胃腸弱・疲労連動 |
表のとおり、同じ「アトピー性皮膚炎」でも適応する処方はまったく違います。市販で消風散や温清飲を試して効かなかった方は、複数タイプが重なっているか、別タイプが背景にあるケースが大多数です。当薬局では、皮膚の状態(赤み・湿潤度・乾燥度・苔癬化の有無)と全身の徴候(睡眠・胃腸・月経・冷え・疲労)を合わせて見立て、煎じ薬で配合を組み直す方向で整えます。複数タイプが重なる場合は、優位な症状から順に処方を組み立てます。
8. ステロイド・タクロリムスとの上手な併用方
当薬局でアトピーのご相談を受けるとき、最初に必ずお伝えしているのが「脱ステロイドはおすすめしません」ということです。皮膚科で処方されたステロイド外用薬・タクロリムス軟膏・抗ヒスタミン薬・保湿剤は、急性炎症を抑える西洋医学側の役割をしっかり果たしてくれます。漢方薬は、それと「敵対」するものではなく、内側の体質を整える役割として補完的に併用するのが、最も安全で再燃しにくい道筋です。
日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインでも、漢方療法は「ステロイド外用・タクロリムス軟膏・抗ヒスタミン薬・スキンケアなどで十分な効果が得られない場合の併用」として位置づけられています。漢方単独で全てを解決するのではなく、西洋医学の治療を続けながら、漢方で内側を整えていく形です。
| 時期 | 西洋薬と漢方の役割 |
|---|---|
| 急性増悪期(炎症爆発中) | ステロイド・タクロリムスが主役。漢方は熱・湿を冷ます方向(消風散・越婢加朮湯・黄連解毒湯)で短期重ね打ち。 |
| 亜急性期(炎症が落ち着いてきた) | ステロイドの強さ・回数を皮膚科の指示で段階的に減らしつつ、漢方で体質づくりへ移行(温清飲・当帰飲子)。 |
| 寛解維持期(再発予防) | プロアクティブ療法(弱めのステロイドを週2回など)+保湿+漢方で土台づくり(当帰飲子・補中益気湯・六君子湯)。 |
当薬局で長くお付き合いしているアトピーの方の経過を見ていると、漢方で内側の体質を整えていくと、皮膚科の指示でステロイドの強さを1〜2段階下げられるようになる方が多くなっています。逆に、内側を整えずにステロイドだけ無理に減らすと、ほぼ確実にリバウンドが起こります。減量は皮膚科の主治医と相談しながら、一方通行ではなく行きつ戻りつで段階的に進めていく方向が現実的です。
9. 初夏〜夏に向けた養生|湿熱を冷ます食と暮らし
アトピー・湿疹は、汗ばむ季節に入る5月後半〜夏に湿熱の影響で悪化しやすくなります。最初の2週間で1〜2つを取り入れ、続けられるものを増やしていく方向が現実的です。
- 夜の甘・脂・酒・夜食を2週間だけ控える:湿熱・血熱タイプの方は、夜のスイーツ・揚げ物・アルコール・チョコレートが翌日のかゆみに直結します。2週間だけでも控えると、掻く回数が減ったと体感できる方が多いです。
- 「湿熱を冷ます食材」を週3〜4回:はと麦・緑豆・冬瓜・きゅうり・蓮根・とうもろこしのひげ茶・どくだみ茶は、湿熱を内側から排出する方向に古くから用いられる食材です。緑豆ご飯・はと麦茶・きゅうりの酢の物などで日常に組み込んでください。
- 血虚風燥タイプは「血を補う食材」を毎日:黒ごま・なつめ・松の実・ほうれん草・人参・赤身の肉・レバー・卵・あさり・しじみは、血を補う食材です。月経で消耗しやすい女性は、生理周期を意識して鉄分・たんぱく質を切らさないことが、肌の乾燥対策の土台になります。
- 湯船はぬるめ10分まで・熱いシャワーは厳禁:熱い湯はバリアを壊し、血熱タイプはかゆみを誘発します。38〜40度のぬるめのお湯に10分程度、上がったら3分以内に保湿剤を塗る、という流れを習慣化してください。ナイロンタオルでこすり洗いはアトピーには厳禁です。
- 綿100%の肌着・寝具で「掻きにくい環境」を作る:ウール・化繊の肌着、汗を吸わない寝具は夜のかゆみを誘発します。綿・シルク・ガーゼ素材に切り替えると、夜中の引っ掻き回数が減って、睡眠の質が上がる方向に整いやすくなります。
- 睡眠は23時前に・寝る前1時間スマホ断ち:血熱・血虚風燥タイプは、夜更かしと寝る前のブルーライトで一気に悪化します。23時までに寝床に入る、寝る1時間前はスマホを置く、という2つだけでも、夜のかゆみが軽くなる方が多いです。
アトピー性皮膚炎は、体質の偏りが背景にあるため、完全に「治る」というより「軽くなる」「再燃の幅が小さくなる」を現実的なゴールに置くのが、当薬局でご相談する方とお話しするときの共通認識です。漢方で内側を整えながら、皮膚科の治療と保湿を続け、生活の中で悪化要因を一つずつ減らしていく。この三方向のアプローチで、毎年の悪化サイクルが少しずつ穏やかになっていく方が多くなっています。
10. アトピーの裏にある本当の体質
アトピー・慢性湿疹は単独で起きている症状ではありません。当薬局でご相談に来られる方の問診票を304件分析したところ、皮膚不調を訴える方の36%にアレルギー体質が、さらに多くの方に冷え・婦人科・胃腸の不調が同時に存在していることが分かっています。
| アトピーの体質 | 同時に抱えやすい不調 |
|---|---|
| 湿熱 | 胃腸の重だるさ・梅雨だる・脂肪太り・口の苦み・尿の濃さ |
| 血熱 | 更年期ホットフラッシュ・PMS・寝つき悪い・イライラ・寝汗 |
| 血虚風燥 | 妊活の停滞・生理痛・冷え・髪のパサつき・爪が薄い・低血圧 |
| 脾虚湿盛 | 胃もたれ・代謝低下・慢性疲労・食後眠気・むくみ・軟便 |
湿熱は梅雨だるさ・代謝低下と地続きで、血熱は更年期のホットフラッシュ・PMSと同じメカニズム、血虚風燥は妊活の土台が崩れている状態と同じ根、脾虚湿盛は慢性疲労・胃腸の弱りそのものです。「アトピーを軽くする」を入口にしつつ、ベースにある体質を一緒に見立てるのが、煎じ薬の真価が出る場面です。一剤で複数の不調が同時に整っていく方向にもっていけるのが、生薬を組み合わせて仕立てる漢方の強みになります。
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よくある質問(FAQ)
Q. ステロイド外用薬と漢方薬は、併用しても大丈夫ですか?
併用は問題ありません。当薬局では、いきなりステロイドをやめる「脱ステ」はおすすめしていません。皮膚科で処方されたステロイド外用薬・タクロリムス軟膏・抗ヒスタミン薬を続けていただいたうえで、内側の体質づくりとして漢方を併用していただく方向が、最も安全で再燃しにくい道筋です。漢方で内側を整えながら、皮膚科の指示でステロイドの強さや回数を段階的に下げていく、というステップを取られる方が多くなっています。
Q. 市販の消風散を試しましたが効きませんでした。漢方は合わないのでしょうか?
市販の消風散が効かなかった方の多くは、湿熱の単独タイプではなく、血熱・血虚風燥・脾虚湿盛のいずれかが背景にあるか、複数タイプが重なっています。当薬局でご相談に来られる方の問診を取ると、「湿熱+血熱」「血虚風燥+脾虚」のように2つ以上の素因が絡んでいるケースが大多数です。煎じ薬であれば配合を組み直して、湿熱を冷ましながら血を補う、というように複合的な体質に合わせた処方が組めます。市販で効かなかったから漢方が合わない、ではなく、組み合わせの調整が必要な体質だった、というのが当薬局の見立てです。
Q. 肌が乾燥してカサカサです。保湿だけでは追いつきません。
保湿で追いつかない乾燥は、外側からの水分補給だけでなく、内側の「血」が足りないサインのことが多いです。中医学では、これを「血虚風燥」と整理します。当帰飲子は、血を補いながら皮膚のかゆみを鎮める方向に働く処方で、夜布団に入った瞬間にかゆくなる方、粉を吹くようなカサカサ肌の方、月経のたびに肌の調子が崩れる方に適応があります。鉄分・たんぱく質・睡眠の見直しと並行して、内側から血を補う方向で整えていきます。保湿剤・ステロイドはそのまま続けながら、体質づくりとして漢方を重ねていく形です。
Q. 何年も同じステロイド軟膏を続けています。減らせますか?
急にやめる「脱ステ」は、当薬局ではおすすめしていません。長く続けてきたステロイドを急に中止すると、リバウンドで元より悪くなるケースがあるためです。一方で、内側の体質を整えていくと、ステロイドの強さ・塗布回数を段階的に下げていけるようになる方は多くなっています。皮膚科の主治医と相談しながら、漢方で体質を整え、皮膚科の指示でステロイドを少しずつ弱めていく、という二人三脚のステップを当薬局ではご提案します。煎じ薬おためし2週間で見立てと体感を確かめ、合いそうなら継続というステップを取られる方が多いです。
本記事は一般的な漢方の考え方や養生をご紹介するもので、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。漢方薬の効果には個人差があります。妊娠中・授乳中の方、ホルモン療法・抗凝固薬・利尿薬・降圧薬・ステロイド・SU剤・インスリン製剤・免疫抑制薬・生物学的製剤・JAK阻害薬を服用中の方、医療機関で治療を受けている方は、必ず主治医・薬剤師にご相談のうえご利用ください。妊娠中の方は、桃仁・紅花・大黄を含む処方(活血化瘀薬・瀉下薬)は流産リスクの観点から原則使用を避けるため、ご相談時に必ず妊娠の有無をお伝えください。甘草を含む処方(消風散・温清飲・補中益気湯・六君子湯ほか)を他剤(利尿薬・降圧薬・ステロイド・グリチルリチン製剤など)と長期併用する場合は、低カリウム血症・偽アルドステロン症(むくみ・血圧上昇・脱力)のリスクがあるため必ず薬剤師にご相談ください。アトピー性皮膚炎の急性増悪期や、滲出液が多く感染を疑う皮膚状態(黄色いかさぶた・膿・発熱を伴う赤み)は、まず皮膚科を受診してください。当薬局はステロイド外用薬・タクロリムス軟膏・抗ヒスタミン薬・生物学的製剤・JAK阻害薬の中止や減量を独自判断で行うことはおすすめしておらず、皮膚科の主治医と相談しながら段階的に進める方向をご提案しています。脱ステロイド・脱保湿は当薬局では推奨していません。本記事中の処方名・体質分類は当薬局の見立ての枠組みであり、実際のご提案はご相談の上で決定します。
銀座漢方天風堂薬局
体質の見立てから、はじめてみませんか。
薬剤師歴45年の店主が、お一人おひとりのお話を60分かけて伺います。初回のご相談は無料で承っており、おためし2週間コース(9,800円)もご用意しております。LINEにご登録いただいた方には、1ヶ月分の漢方にご利用いただける5,000円分のクーポンを進呈しております(おためし2週間コースとの併用はできません)。
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