寝ても疲れが取れない方と漢方|薬剤師が5タイプで見立てる整え方
「8時間寝ても朝から疲れている」「休日に寝だめしても月曜は重い」「夕方になるとぐったりして家事ができない」——30〜50代女性のご相談カウンターで本当に多く伺うお声です。当薬局では、寝ても取れない疲労を「睡眠の質の問題」だけで片付けず、気・血・陰・陽・水の5つのめぐり方で見立てます。LINE友だち追加で5,000円分のクーポンを進呈しております。初回のご相談は無料、薬剤師歴45年の店主が60分かけてお話を伺います。
監修:柳澤 謙行(やなざわ けんこう)/銀座漢方天風堂薬局 薬剤師
薬剤師歴45年。延べ1万件以上の漢方相談実績をもとに、お一人おひとりの体質に合わせた煎じ薬の見立てを行っています。
この記事でわかること
- 寝ても疲れが取れないのが「睡眠時間の不足」だけではない理由
- 気虚・血虚・陰虚・陽虚・痰湿の5タイプ別セルフチェック
- タイプ別の代表処方と養生(食材・生活習慣)
- 疲労の裏に隠れている「本当の体質」と整え方の方向性
なぜ寝ても疲れが取れないのか
「もっと寝ればよくなるはず」「サプリを足せばよくなるはず」と思いながら、変わらない疲労感を抱えていらっしゃる方は本当に多いです。睡眠時間や栄養補給だけで解決しないとき、中医学の見方では「体のエネルギーの作られ方・運ばれ方・しまわれ方」のどこかに偏りがあると捉えます。
中医学では、エネルギーを「気」「血」「陰」「陽」「水(津液)」の5つの要素で見ます。
気:体を動かすエネルギー本体。不足すると「動くとすぐ疲れる」「息切れ」が出ます。
血:全身に栄養と潤いを運ぶもの。不足すると「顔色が悪い」「めまい」が出ます。
陰:体を潤し、夜に休ませる力。不足すると「寝汗」「夜中の覚醒」が出ます。
陽:体を温め、朝に動かす力。不足すると「冷え」「朝起きられない」が出ます。
水(津液):体の余分な水分の流れ。よどむと「重だるい」「雨の日に悪化」が出ます。
つまり「寝ても疲れが取れない」は単一の症状ではなく、5つの要素のどれが偏っているかで「整える方向性」が全く変わってきます。
あなたの疲労タイプは?5タイプ別セルフチェック
ご相談票を304件並べて分析したところ(2026年5月時点・当薬局調べ)、寝ても取れない疲労のご相談に来られる30〜50代女性の体質は、大きく5つの方向性に分かれていました。ご自身に近いものをチェックしてみてください。
| タイプ | よくお伺いするお声 |
|---|---|
| ① 気虚 (エネルギー不足型) |
□ 動くとすぐ疲れる・息切れする □ 声が小さく出にくい □ 朝起きてもだるい □ 風邪をひきやすい・治りにくい |
| ② 血虚 (血液不足型) |
□ 顔色が悪い・くすむ □ めまい・立ちくらみ □ 髪のパサつき・抜け毛 □ 月経の量が少ない・短期間で終わる |
| ③ 陰虚 (潤い不足型) |
□ 寝汗をかく・夜中に目が覚める □ 手足のほてり・のぼせ □ 口や喉がいつも乾く □ 寝ても何度も目が覚めてしまう |
| ④ 陽虚 (温め不足型) |
□ 朝起きるのがとにかくつらい □ 手足が冷たい・お腹が冷たい □ 寒がりで夏でも冷える □ 軟便・下痢気味 |
| ⑤ 痰湿 (湿気よどみ型) |
□ 体が重だるく動きたくない □ 雨の日や梅雨に悪化 □ 頭が重い・もやがかかった感じ □ むくみやすい・舌に苔が厚い |
ご相談では、お一人で2〜3タイプを抱えていらっしゃるケースが珍しくありません。たとえば気虚と血虚が同時に出ている方(気血両虚)は、動くとすぐ疲れて顔色も悪いという二重の重さを抱えていらっしゃいます。複数の体質が重なっているとき、煎じ薬で「あなたの一剤」を仕立てる意味が出てきます。
タイプ別の見立てと代表処方
① 気虚タイプ — 動くとすぐ疲れる方
少し動いただけで息切れする、声が小さく出にくい、朝から重だるいというお声は、エネルギー本体である「気」が不足しているサインです。長期のお仕事ストレス、産後、病気の後、加齢で気の量が落ちることが多くなります。
当薬局のご相談では、補中益気湯・四君子湯・人参養栄湯などの方向で、お疲れの度合いに合わせて見立てていきます。
② 血虚タイプ — 血が足りない方
顔色がくすむ・めまいや立ちくらみが出る・髪のパサつきや抜け毛・月経量の減少などが重なる方は、栄養と潤いを運ぶ「血」が不足している見立てです。妊娠・出産・授乳でぐっと血を消耗されている方、夜更かしが続いている方、長期のダイエットを続けてきた方に多い体質です。
当薬局では、四物湯・当帰芍薬散・帰脾湯などの方向で、月経の状況や顔色に合わせて見立てていきます。
③ 陰虚タイプ — 寝ても何度も目が覚める方
寝汗をかく、夜中に何度も目が覚める、手足がほてる、口がいつも乾くというお声は、体を潤し休ませる「陰」が不足した見立てです。更年期前後、長期のお仕事ストレス、睡眠不足の積み重ねで陰が減りやすくなります。
当薬局では、六味地黄丸・天王補心丹・酸棗仁湯などの方向で、睡眠の質やほてりの度合いに合わせて見立てていきます。
④ 陽虚タイプ — 朝起きるのがつらい方
朝起きるのがとにかくつらい、手足やお腹が冷たい、寒がりで夏でも冷えるというお声は、体を温め朝に動かす「陽」が不足している見立てです。冷たい飲み物の習慣、湯船に浸からない生活、夜更かしの積み重ねで陽が落ちることが多くなります。
当薬局では、八味地黄丸・真武湯・人参湯などの方向で、冷えの強さと消化の状態に合わせて見立てていきます。
⑤ 痰湿タイプ — 体が重だるい方
体が重くて動きたくない、頭が重い、雨の日に悪化する、舌に苔が厚いというお声は、体に余分な水分と老廃物(痰湿)がたまっている見立てです。甘いもの・脂っこいもの・乳製品・冷たい飲み物の摂りすぎで痰湿が生まれやすいのです。
当薬局では、二陳湯・苓桂朮甘湯・防已黄耆湯などの方向で、お体のむくみ具合や頭の重さに合わせて整える方向で見立てます。
疲労を整える養生キッチン
明日から試していただける養生をタイプ別にまとめました。一度にすべてやる必要はありません。ご自身のタイプに近いものから、ひとつだけ取り入れてみてください。
| タイプ | おすすめの食材・生活習慣 |
|---|---|
| ① 気虚 | かぼちゃ・じゃがいも・お米・大豆製品・なつめ・しいたけ。一口30回噛む。22時就寝。激しい運動を控え、ゆったり散歩を1日20分。 |
| ② 血虚 | なつめ・黒ごま・レバー・ほうれん草・ぶどう・人参・ぶり。1日3食を必ず食べる。22時就寝(22-2時は血を作る時間)。画面を見すぎない。 |
| ③ 陰虚 | 黒ごま・くるみ・松の実・百合根・蓮の実・梨・豆腐。コーヒー・辛いもの・遅い時間の食事を控える。寝る前のスマホを短く。 |
| ④ 陽虚 | 羊肉・くるみ・黒豆・くこの実・シナモン・しょうが。湯船に20分浸かる。下半身を冷やさない(特に腰回り)。冷たい飲み物・生ものを控える。 |
| ⑤ 痰湿 | はと麦・小豆・とうもろこしのひげ茶・冬瓜・大根・しいたけ。乳製品・揚げ物・甘いものを控える。1日20分の汗をかく運動。 |
疲労の裏にある本当の体質
カウンターで「寝ても疲れが取れないんです」と来られる方の多くが、お話を伺い進めると、PMS・冷え・むくみ・不眠・食欲の暴走などのお悩みを同時に抱えていらっしゃいます。
これは偶然ではありません。中医学の見立てでは、疲労は「体質の波がたまたまエネルギー切れという形で表れている」だけで、根っこを辿ると同じ体質の偏りが、月経の乱れ・冷え・むくみ・睡眠の浅さといった別の症状でも顔を出していることがほとんどです。
たとえば気血両虚(気虚+血虚)は、寝ても疲れない・PMS・基礎体温が上がらない・髪のパサつきと地続きの体質。陽虚は、朝のつらさ・足腰の冷え・むくみ・低い基礎体温と共通の根っこ。痰湿は、重だるさ・ストレス過食・ダイエットの停滞・むくみと地続きの体質です。
当薬局では「疲労だけを取る」のではなく「月のリズム全体・体質の土台を整える」方向でお話しすることが多くなります。複数の不調が重なっている方ほど、煎じ薬で「あなたの一剤」を見立てる意味が出てきます。
まとめ
・寝ても取れない疲労は「睡眠時間の不足」ではなく、気・血・陰・陽・水のどこかが偏ったサインです。
・気虚・血虚・陰虚・陽虚・痰湿の5タイプ別に養生と漢方の方向性が異なります。
・複数のタイプが重なる方ほど、煎じ薬で「あなたの一剤」を仕立てる意味が出てきます。
・疲労の裏にはPMS・冷え・むくみ・不眠など共通する体質の偏りが隠れていることが多いです。
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銀座漢方天風堂薬局
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よくある質問(FAQ)
Q. 寝る時間を長くしても疲れが取れません。睡眠の質を上げれば解決しますか?
睡眠の質を上げることは大切ですが、それだけで解決しないケースも多くあります。中医学の見方では、疲労は気・血・陰・陽・水の5要素のバランスを映すサインで、たとえば気虚・血虚は「エネルギーや栄養の元」が足りていない状態。これは睡眠時間を延ばしても、不足分を補わなければ回復しにくいのです。当薬局のご相談では、お話を伺いながら「不足を補う方向」「過剰を流す方向」を見立てます。一方で睡眠の質に直接関わるのは陰虚タイプ(夜中に何度も目が覚める)が多く、こちらは陰を補う漢方と生活リズム調整の合わせ技で整えていく方向が多くなります。
Q. 鉄剤やビタミン剤を飲んでも疲れが取れません。漢方で何か変わりますか?
血液検査で異常が出ていない範囲の疲労感は、西洋医学だけでは原因の特定が難しいことが多くなります。中医学では「数値に出ない不調」を「気・血・陰・陽・水のバランスの偏り」として捉え、5タイプ別に整えていきます。ご相談に来られる方の中で、鉄剤や栄養剤を続けていらっしゃる方も多いですが、それでも改善が乏しい場合は、血を「補う」だけでなく「運ぶ」「蓄える」働きの整えが必要なケースがほとんどです。当薬局では現在お飲みのお薬・サプリも含めて見立てを進めます。
Q. 慢性疲労症候群と診断されています。漢方は使えますか?
医療機関で慢性疲労症候群と診断されている方も、漢方を併用されているケースは多くいらっしゃいます。漢方は西洋薬と作用機序が異なるため、現在の治療と併走できることがほとんどです。主治医に「漢方を併用しています」と一言お伝えいただくと、より安全に進められます。当薬局では病気の有無に関わらず、お一人おひとりの体質を見立てる方向で進めます。なお、6か月以上続く強い疲労がある方は、まず医療機関での精査をご検討ください。
Q. 疲労感と生理不順・PMSが重なっています。同時に整えられますか?
同時に整えていく方向が、当薬局の見立ての基本です。疲労と婦人科の不調は、中医学の見立てでは「気血の不足」や「肝鬱気滞」など共通の根っこから派生していることがほとんどです。たとえば気血両虚(気虚+血虚)の方は、疲労感だけでなく、月経量の減少・PMSの重さ・髪のパサつきが同時に現れます。煎じ薬は生薬の組み合わせを体質に合わせて仕立てるお薬なので、複数の不調を同時に抱える方ほど価値が出てきます。
本記事は薬剤師による一般的な情報提供であり、個別の診断・治療を行うものではありません。漢方薬の効果には個人差があり、すべての方に同じ結果をお約束するものではありません。妊娠中・授乳中の方、妊娠の可能性がある方、持病をお持ちの方、現在お薬を服用中の方は、漢方相談時に必ずお伝えください。甘草を含む漢方薬と利尿薬・降圧薬・ステロイドの併用では低カリウム血症のリスクが報告されています。6か月以上続く強い疲労、急激な体重減少、発熱を伴う倦怠感、息切れ・動悸・胸痛がある場合は、貧血・甲状腺機能異常・心疾患・慢性疲労症候群・自己免疫疾患・うつ病などの疾患が隠れていることがありますので、まず医療機関(内科・心療内科)の受診をご検討ください。
