春の寒暖差疲労と漢方|自律神経と肝の乱れを体質別に整える薬剤師の処方指針

春の寒暖差疲労と漢方|自律神経と肝の乱れを体質別に整える薬剤師の処方指針

春の寒暖差疲労と漢方
自律神経と肝の乱れを体質別に整える薬剤師の処方指針

春の朝、窓際で疲れを感じる女性のイメージ

「朝起きても疲れがとれない」「午前中はずっと頭がボーッとする」「理由もなくイライラしてしまう」。

4月に入ってから、こうしたお悩みのご相談が当薬局に急増しています。

2026年の4月は、日中と早朝の気温差が10度を超える日が続きました。桜が咲いたと思ったら真冬並みの冷え込みが戻る――体がついていかないのは、あなたのせいではありません。

これは現代医学で「寒暖差疲労」と呼ばれる状態です。急激な気温変化に自律神経が対応しきれず、だるさ・頭重・肩こり・動悸・めまい・イライラが同時多発する――30〜50代の女性にとくに多く見られます。

漢方の視点では、この不調は「肝(かん)」という臓の乱れとして捉えます。春は肝がもっとも活発になる季節。寒暖差と環境変化のダブルパンチで、気の巡りが滞りやすいのです。

監修

柳澤 謙行(やなざわ けんこう)/銀座漢方天風堂薬局 薬剤師
薬剤師歴45年以上。前職を含めのべ数万件の漢方相談に従事。中医学理論に基づく体質の見立てと煎じ薬の提案を得意とし、自律神経・婦人科・胃腸・皮膚の領域で実績多数。

この記事でわかること

  • 寒暖差疲労がなぜ春に急増するのかを平易に理解できる
  • 自分がどのタイプに当てはまるかをセルフチェックできる
  • 今日から始められる養生法がわかる
  • どんな漢方相談が向いているかがわかる

なぜ春に疲れが抜けないのか

気温差が激しい日々では、体温を一定に保つため、自律神経が休みなく働いています。

血管を縮めて熱を守る、広げて逃がす、汗を出す、止める――この切り替えが1日に何度も繰り返されると、自律神経が確実に疲弊します。

目安は「1日の気温差が7度以上」または「前日との気温差が5度以上」。2026年4月の東京は、連日この閾値を超えていました。

漢方では、自律神経の働きは「肝」が司ると考えます。肝は気の巡りを整え、感情を安定させ、血を蓄える役割。春はこの肝がいちばん活発になる季節であり、寒暖差・ストレス・花粉で肝気が上に突き上げたり、滞ったりすると、のぼせ・イライラ・頭痛・肩こり・生理前の不調などが連鎖的に起こります。

5つのサインでセルフチェック

朝の薬膳茶と日記をとるシーン

以下のうち3つ以上が2週間以上続いている方は、寒暖差疲労の可能性が高いです。

  • □ 朝起きても疲れがとれず、午前中は頭がボーッとする
  • □ 首や肩がこり、頭が重い・締めつけられる感じがある
  • □ 理由もなくイライラ、または急に不安になる
  • □ 動悸・ほてり・手足の冷えが交互にくる
  • □ 食欲にムラがあり、甘いものや冷たいものが急に欲しくなる

あなたはどのタイプ? 4つの体質別アプローチ

体質タイプ別の漢方茶と生薬

同じ「寒暖差疲労」でも、根っこの体質は人それぞれ。当薬局では、4つのタイプに分けて見立てます。

① ストレス過多タイプ(肝気鬱結)

イライラが強く、胸のつかえ、ため息、生理前の不調が増悪。気の巡りが途切れ途切れになっているタイプ。

代表処方:加味逍遙散、柴胡疎肝湯など。当薬局ではストレスの出方(怒り・不安・悲しみ)をうかがい、もっとも合う処方を見立てます。

② エネルギー切れタイプ(気血両虚)

午後に失速、立ちくらみ、爪が割れやすい、眠りが浅い。気と血の両方が不足しているタイプ。

代表処方:補中益気湯、加味帰脾湯など。胃腸の消化力をうかがい、補いながら巡らせるタイプの処方を見立てます。

③ 冷えベースタイプ(陽虚)

手足が常に冷たい、冷房に弱い、朝方に下痢しやすい、腰が重だるい。体を温める力が全体的に低下しているタイプ。

代表処方:八味地黄丸、当帰四逆加呉茱萸生姜湯など。温める力をどこから立ち上げるか(下半身・お腹・体表)を見極めて処方を見立てます。

④ 体重だるタイプ(痰湿)

体が重い、頭が重くスッキリしない、むくみ、雨の日に悪化、胃もたれ。水分代謝が滞っているタイプ。

代表処方:半夏白朮天麻湯、五苓散など。水分の滞りの位置(頭・胃・下肢)を確認し、もっとも合う処方を見立てます。

今日から始められる養生法

ストール・靴下・生姜スープの養生セット

今日からの4つの養生

  1. 首・手首・足首の「三首」を温める。薄手のストールと靴下の重ね履きで自律神経の負担を軽減します
  2. 朝ごはんに温かいスープを一品。味噌汁・生姜湯・根菜スープで胃腸を立ち上げます
  3. 夜10時〜深夜2時に眠る。この時間帯の睡眠が肝を整えます
  4. 20分の早歩きで気を巡らせる。軽く汗ばむ運動が滞りを流します

寒暖差疲労の裏に潜む「冷え」

寒暖差疲労でご相談にいらっしゃる方の多くが、ご自身が冷え体質だと気づいていません

「暑がりだから冷え性ではない」「むしろのぼせる」とおっしゃる方ほど、ふたを開けると上半身は熱く下半身は冷えている状態であることが多いのです。

寒暖差疲労の根っこには「体を温める力の不足」があります。少しの気温差でも大きな負担になるのは、そもそも温める力が足りないから。つまり寒暖差疲労は、冷え体質の方にまず現れる信号です。

放置すると、更年期症状の悪化、妊活の停滞、慢性疲労へとつながることが多い体質です。今のうちに見立てを受けておく価値は大きいです。

当薬局のアプローチ

銀座漢方天風堂の相談カウンター

当薬局でお渡しするのは、煎じ薬だけではありません。

まずは初回60分のカウンセリングで、あなたの体調・生活リズム・食習慣・運動量・ストレスの出方・睡眠の質までをじっくりうかがいます。お話の中から体質の軸を見立て、200種類を超える古典処方の中からあなたに合うものを選び、厳選した生薬を土鍋で丁寧に煎じてお渡しする——これが銀座漢方天風堂が50年近く磨いてきた強みです。

そのうえで、漢方だけに頼らずに、養生生活の指導・食事の整え方・体の動かし方・呼吸法・日常で押せるツボまで、体質に合わせてお伝えします。時にはお仕事やご家族のことなど、人生のご相談に耳を傾けることも少なくありません。漢方は「薬を飲んで終わり」ではなく、日々の暮らしの中で体質を整えていくもの。あなたの毎日に寄り添い続けます。

寒暖差疲労のように複数の体質が絡み合う不調では、煎じ薬と生活指導を組み合わせたアプローチが力を発揮します。体質の変化に合わせて次回以降も処方と養生を見直すことができます。

症状が軽い場合や忙しくて煎じる時間がない場合には、手軽な「エキス剤」(粉薬・錠剤・顆粒)も状況に応じて併用します。

煎じ薬とエキス剤、向き・不向き

比較項目 エキス剤(粉薬・錠剤・顆粒) 煎じ薬
処方の選択肢 ラインナップの中から 200種類超の古典処方から見立てる
複合体質への対応 単一向き 複数体質が絡む不調にも対応
相談・見立て 基本なし 薬剤師が初回60分対面で
経過の見直し 購入者の自己判断 体質変化に合わせて処方見直し可
向いている方 軽症・短期・急ぎの不調 慢性化・複数体質が絡む不調

まとめ

春の寒暖差疲労は、自律神経の疲弊と肝の乱れが重なる現代人特有の季節病です。

まずは4つの体質タイプのどこに自分がいるか当たりをつけて、今日からの養生を始めてみてください。症状が長引く・悪化する場合は、一人で抱え込まず専門家への相談も選択肢です。

当薬局では、薬剤師歴45年以上の柳澤が初回60分じっくりお話をうかがい、あなたに合う処方を見立ててご提案します(個人差があります)。

よくあるご質問

Q1 寒暖差疲労はどのくらいの気温差で起こりますか?
A1 1日の気温差が7度以上、または前日との気温差が5度以上で自律神経が疲弊しやすくなります。2026年4月は連日この閾値を超えました。個人差があります。
Q2 市販の漢方薬でよくならないのはなぜですか?
A2 寒暖差疲労は複数の体質タイプが重なることが多く、一種類の漢方薬では届きにくいのです。煎じ薬で組み合わせを仕立てる方向で整えます。
Q3 寒暖差疲労は何科で診てもらえばよいですか?
A3 動悸が強ければ循環器内科、めまいが強ければ耳鼻咽喉科、不眠・不安が中心なら心療内科が選択肢です。検査で異常がない場合、漢方相談が力になれる領域です。

免責事項

本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。記載の漢方薬は体質により適応が異なり、効果には個人差があります。現在治療中の病気がある方、妊娠中・授乳中の方、ほかの薬を服用中の方は、ご相談時に必ずお伝えください。強い症状・急激な変化がある場合は、まず医療機関を受診してください。

銀座漢方天風堂薬局

体質の見立てから、はじめてみませんか。


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※養生の感じ方や漢方の効果には個人差があります。妊娠中・授乳中の方、持病をお持ちの方、お薬を服用中の方は事前にお申し出ください。

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