9月の胃もたれ・食欲不振を季節だけで決めつけない|食べ方と受診の目安
2000年銀座にて漢方薬局を開業。30〜50代女性の冷え・婦人科・慢性不調のご相談を延べ1万人以上担当。
食欲がわかない、少し食べると胃が重い、食後の不快感が続く。季節の変わり目にこうした症状があっても、「夏バテが残っている」と一つの原因に決めつけることはできません。
日本消化器病学会の機能性ディスペプシア診療ガイドラインでは、上腹部症状には胃や十二指腸の運動、知覚、胃酸、心理社会的要因、生活習慣など複数の要素が関係し得ることが示されています。症状だけで病名や体質を自己判断せず、続く場合は医療機関で確認することが大切です。
まず確認したい3つのポイント
1.食べた量と症状の関係
一度に多く食べた日、脂っこいものや刺激の強いものを食べた日、遅い時間に食べた日など、症状が出た場面を簡単にメモしてみましょう。特定の食品を一律に禁止するのではなく、自分の症状との関係を確認するための記録です。
2.食事の間隔と生活リズム
欠食のあとにまとめて食べる、就寝直前に食べるといった習慣が続いていないか振り返ります。体調がすぐれない日は、食べられる量を無理なく選び、水分も少量ずつ補ってください。
3.受診を優先したい変化
症状が続く、繰り返す、体重が減る、吐き気や嘔吐が続く、黒い便や血が混じる、強い腹痛がある、飲み込みにくい、発熱を伴う場合は、漢方や食養生だけで様子を見ず医療機関へご相談ください。
漢方相談で伺うこと
漢方相談では、胃もたれや食欲だけでなく、便通、冷え、口の渇き、睡眠、疲れ方、服薬状況なども伺います。「脾胃虚弱」「湿滞」などの伝統的な言葉を参考にすることがありますが、これは病気の診断ではなく、処方を自己判断するためのチェックリストでもありません。
漢方薬は、同じ症状名でも体調や服薬状況によって選び方が異なります。妊娠・授乳中、持病がある方、医療機関で治療中の方は、自己判断で追加せず医師・薬剤師に確認してください。
今日からできる無理のない工夫
- 食べられる範囲で、一度に詰め込まず量を調整する
- 主食・主菜・副菜を基本に、体調に合う食べやすい組み合わせを選ぶ
- 症状が出た時間、食事内容、便通、睡眠を簡単に記録する
- 水分がとれない、症状が強い、長引く場合は早めに受診する
特定の食材や短期間の取り組みだけで結果を約束することはできません。体調に合わせて一つずつ見直し、必要なときは医療機関につなげることが基本です。
※本稿は一般的な健康情報です。診断・治療の代わりにはなりません。