妊活に悩む方へ
東洋医学的体質改善で授かりやすい身体づくりを
「なかなか妊娠しない...」「妊活に疲れてしまった」多くの方が抱える妊活の悩み。東洋医学では「母体の身体づくりが最も重要」と考え、個人の体質に合わせたアプローチで妊娠しやすい環境を整えます。
妊活は単に妊娠を目指すだけでなく、健康な赤ちゃんを迎えるための母体の準備期間です。東洋医学的な視点で体質を理解し、根本から身体を整えることで妊娠しやすい環境を作り上げましょう。
この記事では、妊活における体質の違いと、それぞれに適した養生法、そして日常生活で実践できる効果的な妊活サポート方法をご紹介します。
妊活における東洋医学の基本的な考え方
東洋医学では、妊娠は「腎」「肝」「脾」の三つの臓器の働きが調和した時に成り立つと考えます。腎は生殖機能や生命力の源となるエネルギーを司り、肝は血液の流れや情緒の安定を管理し、脾は栄養の消化吸収と気血の生成を担当します。
妊娠に重要な身体の状態
妊娠しやすい身体とは、全身に栄養とエネルギーが行き渡り、体内の調和が保たれ、心身ともに穏やかな状態にあることです。現代の生活環境では、冷えによる血行不良、慢性的なストレス、不規則な食生活、睡眠不足、運動不足、過労や疲労の蓄積などが妊娠力に大きな影響を与えています。
東洋医学的妊活のメリット
東洋医学的なアプローチでは、症状を抑えるのではなく体質から根本的に改善し、本来持っている妊娠する力を引き出します。天然素材による穏やかな作用で副作用が少なく、身体だけでなく精神面も安定させながら、一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイドの治療を行います。また、妊娠中から産後まで継続的なサポートが可能です。
妊活における体質分類と対処法
東洋医学では、妊活の成功に影響する体質を大きく三つのタイプに分類します。それぞれの特徴と対策をご紹介します。
気虚タイプ(エネルギー不足型)
特徴的な症状
疲れやすく、だるさが取れないことが多く、食欲不振や消化不良が頻繁に起こります。息切れしやすい、声が小さい、朝起きるのがつらい、風邪を引きやすいといった症状があり、基礎体温が低い、低温期が長いなどの特徴があります。
妊活養生ポイント
山芋、栗、鶏肉、もち米、人参などの気を補う食材を積極的に摂取し、消化の良い温かい食事を心がけます。規則正しい生活リズムを確立し、適度な運動で気の循環を促進させながら、十分な睡眠と休息を確保し、ストレスを溜めない生活を心がけることが重要です。
血虚タイプ(血液・栄養不足型)
特徴的な症状
顔色が青白く、爪が割れやすい、めまいや立ちくらみが多く、肌や髪が乾燥しやすいという特徴があります。月経量が少ない、周期が不安定、夕方以降に疲れが出やすい、手足の冷えやしびれを感じることがあります。
妊活養生ポイント
ほうれん草、レバー、ナツメ、黒ゴマなどの血を補う食材を積極的に摂取し、鉄分とビタミンB群の積極的な摂取を心がけます。良質な睡眠で血を作る時間を確保し、目の使いすぎに注意(血を消耗するため)しながら、適度な運動で血行を促進し、乾燥を防ぎ潤いを保つケアを行います。
気滞タイプ(エネルギー停滞型)
特徴的な症状
ストレスが多く、イライラしやすい、胸や脇の張り感や圧迫感がある、月経前症候群(PMS)が強い、お腹の張りやガスが溜まりやすいという特徴があります。感情の起伏が激しく、基礎体温のグラフがギザギザしていることがあります。
妊活養生ポイント
ストレス解消を最優先事項とし、柑橘類、しそ、セロリ、ジャスミン茶などの香りの良い食材を積極的に摂取します。規則的な運動で気の流れを改善し、深呼吸や瞑想でリラックスし、好きな趣味や活動で気分転換を図り、カウンセリングや話し相手を見つけることが重要です。
日常生活でできる妊活サポート方法
体質改善と合わせて、日常生活の中で実践できる妊活サポート方法をご紹介します。
食事療法・薬膳アプローチ
妊活に効果的な食材
子宮と卵巣を温める食材
大根、にんじん、ごぼう、れんこんなどの根菜類は身体を温める性質があります。生姜、ねぎ、にんにく、シナモンなどの温性食材も効果的です。黒豆、黒ゴマ、黒米、海苔などの黒い食材は腎を補う働きがあり、くるみ、松の実、アーモンドなどのナッツ類は良質な脂質を含みます。鶏肉、魚類、卵、大豆製品などの良質なタンパク質と、生姜茶、ルイボスティー、温かい豆乳などの温かい飲み物を心がけましょう。
避けたい妊活に良くない食材
アイスクリームや冷たいジュースなどの冷たい食べ物・飲み物は身体を冷やすため控えめに。刺身や生野菜サラダなどの生ものも適量なら問題ありませんが、食べ過ぎは身体を冷やします。インスタント食品やファストフードなどの添加物の多い加工食品、砂糖の多いお菓子やジュースなどの過度な甘いもの、アルコール、コーヒーや紅茶などのカフェインの過剰摂取は控えることをお勧めします。
温活・冷え対策
身体を温める方法
38-40℃のぬるめの湯に15-20分浸かる入浴法、就寝前15分程度の足湯で血行促進、お腹や腰、足元に湯たんぽを当てて温める、一年中お腹と腰を温める腹巻き、足元から冷えを防ぐ靴下の重ね履き、就寝時のお腹の温熱パッドなどが効果的です。特に「お腹・腰・足首」の三つの部位を重点的に温めることが重要です。
運動・ストレッチ
毎日30分程度の軽い散歩としてのウォーキング、股関節の柔軟性向上のための骨盤周りのストレッチ、血流改善とリラックス効果のあるヨガ、下半身の筋力強化と血行促進のためのスクワット、腹式呼吸で内臓を刺激する深呼吸、セルフマッサージで血行改善などを行います。激しい運動は避け、継続できる軽度な運動を心がけることが大切です。
ストレス管理・メンタルケア
早寝早起きの習慣化による規則正しい生活リズム、質の良い7-8時間の十分な睡眠、好きな趣味や読書の時間確保によるリラックス時間、悩みや不安の共有のためのパートナーとのコミュニケーション、完璧を求めすぎない姿勢による適度な息抜き、定期的なカウンセリングなどの専門家との相談が重要です。妊活のプレッシャーを軽減し、心身ともにゆとりを持つことが大切です。
妊活サポート1日のスケジュール例
理想的な1日の妊活ルーティン
朝(6:00-8:00)
基礎体温測定 → 白湯または温かい飲み物 → 軽いストレッチ → 温かい朝食(味噌汁、温野菜など) → 日光浴
昼(12:00-13:00)
栄養バランスの良い昼食 → 軽い散歩またはストレッチ → 温かい飲み物 → リラックスタイム
夕方(17:00-19:00)
軽い運動(ウォーキングやヨガ) → 温かい夕食準備 → パートナーとのコミュニケーション
夜(20:00-22:00)
ぬるめの入浴 → セルフマッサージ → 腹巻き着用 → リラックス活動(読書、音楽) → 早めの就寝
妊活における漢方薬の役割
漢方薬は体質に応じて選択し、根本的な体調改善を目指します。妊活に使用される代表的な処方をご紹介します。
体質別の代表的な漢方薬
気虚タイプによく用いられる処方
エネルギー不足を補い消化機能を改善する補中益気湯、胃腸の働きを整え栄養吸収を促進する六君子湯、冷えによる消化不良を改善する人参湯、気血両方を補う総合的な処方である十全大補湯、体力を回復し免疫力を向上させる黄耆建中湯、心身の疲労と不眠を改善する帰脾湯などがあります。
血虚タイプによく用いられる処方
血液を補い冷えと浮腫みを改善する当帰芍薬散、血を補う基本処方である四物湯、気血両方を補い体力を回復させる人参養栄湯、女性の血の不足を改善する婦宝当帰膠、月経量の改善と子宮環境を整える芎帰膠艾湯、気血両方を補う代表的な処方である八珍湯などがあります。
気滞タイプによく用いられる処方
ストレス性の不調全般に対応する加味逍遙散、肝の気の流れを改善する柴胡疏肝散、気分の落ち込みと消化不良を改善する香蘇散、女性の不定愁訴を総合的に改善する逍遙散、イライラや不安感を鎮める抑肝散、情緒不安定と不眠を改善する甘麦大棗湯などがあります。
漢方薬は体質に合わせた選択が重要です。同じ症状でも体質により適する処方は異なります。必ず専門家の診断を受けて、あなたに最適な処方を選択しましょう。また、妊娠の可能性がある時期は、服用についてご相談ください。
パートナーと共に取り組む妊活
妊活は女性だけの問題ではありません。パートナーと一緒に取り組むことで、より効果的な妊活が可能になります。
男性の妊活サポート
亜鉛やビタミンEの積極的摂取による栄養バランスの良い食事、血行促進と体力維持のための適度な運動、精子の質向上のための禁煙・禁酒または節制、規則正しい生活リズムによるストレス管理、肥満や痩せすぎの改善による適正体重の維持、サウナや熱い風呂の長時間利用を控えて熱い環境を避けることが重要です。
夫婦で取り組む生活習慣
一緒に健康的な食事を心がけ、共通の運動やリラックス活動を見つけ、妊活の情報や悩みを共有することが大切です。お互いにプレッシャーをかけすぎず、定期的なデートや楽しい時間を確保し、専門家への相談も一緒に参加することで、夫婦が協力して妊活に取り組むことができます。
まとめ:妊活は体質改善から始める
妊活は急いで結果を求めるものではなく、じっくりと身体づくりに取り組む大切な期間です。東洋医学的なアプローチでは、表面的な症状だけでなく、根本的な体質改善を重視します。
気虚・血虚・気滞、それぞれの体質に応じた適切な養生法を続けることで、自然妊娠力を高めることができます。
食事、運動、ストレス管理、温活など、様々な角度からのアプローチを組み合わせ、パートナーと一緒に無理なく続けられる妊活習慣を身につけていきましょう。
一人で悩まず、専門家と一緒に「授かりやすい身体づくり」に取り組んでみませんか?あなたの妊活を東洋医学の視点からしっかりとサポートいたします。
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