ふとした瞬間に胸がドキドキしたり、階段の途中で息が切れたり。40代・50代を迎えるころから、そうした体の変化を感じる方は少なくありません。「年のせいかしら」と一人で抱え込んでしまう前に、まずは落ち着いて、その背景を知ることから始めましょう。動悸や息切れは、体からの大切なサインです。本記事では、更年期世代にこうした症状を感じる方が多い一般的な背景と、医療機関に相談する大切さ、そして暮らしのなかでできるセルフケアを、銀座の薬剤師がご案内します。
この記事でわかること
- 更年期世代に動悸・息切れを感じる方が多い、一般的な背景
- 「これは受診を」と判断するための目安と、医療機関に相談する大切さ
- 暮らしのなかで今日から取り入れられるセルフケアの工夫
更年期世代に動悸・息切れを感じる方が多い背景(一般情報)
動悸とは、心臓の拍動をふだんより強く、あるいは速く感じる状態をいいます。息切れは、呼吸がしづらい、息が上がりやすいと感じる状態です。いずれも、更年期にあたる世代で訴える方が比較的多いことが知られています。
その背景の一つとして、一般的に、この年代では女性ホルモンの分泌が変化していく時期にあたることが挙げられます。ホルモンの変動は自律神経のはたらきにも影響を与えるとされ、自律神経は心臓の拍動や血管、呼吸などを無意識のうちに調整しているため、そのバランスがゆらぐと、動悸や息切れ、ほてり、発汗といった体の変化として感じられることがあると説明されています。
また、この世代は仕事や家庭で責任の重なりやすい時期でもあります。睡眠不足やストレス、疲労の蓄積、カフェインやアルコールのとりすぎなども、動悸を感じやすくする要因として一般に知られています。つまり、ホルモンの変化に加えて、暮らしのさまざまな条件が重なって症状として現れることがある、というのが大まかな見取り図です。
ただし、ここで一つ大切なことがあります。動悸・息切れは更年期世代によくみられる一方で、その原因はさまざまです。心臓や甲状腺など、ほかの病気が隠れていることもあります。「更年期だから」と自己判断で片づけてしまわないことが、何より大切です。
まず婦人科・医療機関に相談する大切さ
動悸や息切れが気になるときに、最初にお願いしたいのは、自己判断で原因を決めつけないことです。症状の背景にはさまざまな可能性があり、それを見極められるのは医療機関だけだからです。
更年期に関連する体の変化が気になる場合は、まず婦人科に相談するのが一つの目安になります。婦人科では、年代や症状をふまえた相談に応じてもらえます。一方で、動悸・息切れそのものが強い、あるいは長く続く場合には、内科や循環器内科での診察が必要になることもあります。どこを受診すればよいか迷うときは、まずかかりつけ医に相談し、必要に応じて適切な科を案内してもらうとよいでしょう。
とくに、次のような場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 動悸や息切れが強く、長く続くとき
- 胸の痛みや圧迫感をともなうとき
- 気を失いそうになる、立っていられないほどのめまいをともなうとき
- 安静にしていても症状がおさまらないとき
- 急に始まった、これまで経験したことのない動悸・息切れのとき
これらは、心臓などの病気が隠れている可能性も考えられるサインです。我慢せず、ためらわずに医療機関を受診することが、ご自身を守ることにつながります。受診の際は、いつ・どんなときに・どのくらいの時間症状が出たかをメモしておくと、診察の助けになります。
暮らしでできるセルフケア
受診と並行して、暮らしのなかでできる工夫もあります。これらは病気を治すためのものではなく、心身の負担をやわらげ、体調を整えるための一般的な養生の考え方です。無理のない範囲で取り入れてみてください。
睡眠とリズムを整える。 自律神経は生活リズムの影響を受けやすいといわれます。できるだけ決まった時間に休み、朝は日の光を浴びるなど、一日のリズムをととのえることが、心身を落ち着ける土台になります。
刺激物のとりすぎに気をつける。 カフェインやアルコール、喫煙は動悸を感じやすくする要因として知られています。コーヒーやお茶を飲む量や時間を見直すだけでも、体の感じ方が変わることがあります。
呼吸をゆっくりと。 ドキドキを感じたときは、まずいったん動きを止めて、息をゆっくり吐くことを意識してみましょう。吐く息を長めにする深い呼吸は、気持ちを落ち着けるのに役立つとされています。
体を冷やさず、適度に動かす。 急に激しい運動をする必要はありません。散歩や軽いストレッチなど、心地よいと感じる程度の運動を続けることが、体調の安定につながると考えられています。
自分を追いつめない。 「がんばらなければ」と気を張りつめすぎないことも、立派なセルフケアです。つらいときは周囲に頼り、休む時間を意識して持つようにしましょう。
なお、こうしたセルフケアを続けても症状が気になるとき、あるいは強くなるときは、迷わず医療機関にご相談ください。セルフケアは受診の代わりにはなりません。
まとめ
- 更年期世代に動悸・息切れを感じる方が多い背景には、ホルモンの変化や自律神経のゆらぎ、暮らしの条件の重なりがあると一般に説明されます。
- ただし原因はさまざまで、ほかの病気が隠れていることもあります。強い・続く・気を失いそうな動悸や息切れは、ためらわず医療機関へ。まずは婦人科やかかりつけ医にご相談ください。
- 睡眠・刺激物・呼吸・運動・休息といった暮らしの工夫は、心身を整える支えになります。セルフケアは受診の代わりにはなりません。
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※用法・用量を守り、使用上の注意・添付文書をよくお読みください。15歳未満は服用しないでください。医師の治療を受けている方・妊娠中の方は服用前に医師・薬剤師にご相談ください。
