更年期と不眠 | 眠りの質を高める漢方アプローチ【専門家監修】

なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目覚めてしまう—更年期に入ってから、こうした睡眠の悩みを抱える方は少なくありません。昼間の疲れを感じているのに、夜になると目が冴えてしまうというジレンマに悩まされていませんか?

本記事では、東洋医学の視点から更年期の不眠の特徴と、体質に合わせた漢方的アプローチについて解説します。自分でできる養生法から、専門家に相談するメリットまでご紹介します。

更年期の不眠と東洋医学的な考え方

更年期に睡眠の質が変化するメカニズム

更年期の不眠は、西洋医学では女性ホルモンの減少が自律神経系に影響を与え、体温調節機能や心身のリズムが乱れることで起こると考えられています。ほてりや発汗といった身体症状が睡眠を妨げることもあります。

一方、東洋医学では「気・血・水」のバランスという観点から睡眠の質を捉えます。特に「心(しん)」と呼ばれる心と身体の状態を司る機能と、「腎(じん)」と呼ばれる生命エネルギーを蓄える機能のバランスが重要と考えます。

東洋医学では「眠りは心身の状態を映す鏡」と考え、不眠の現れ方から体の状態を読み取ります。同じ不眠でも、寝付きの悪さ、中途覚醒、早朝覚醒など、症状の特徴から体質の傾向を考えていきます。

体質と不眠パターンの関連性

東洋医学では、不眠の特徴も体質によって違いがあると考えます。以下に代表的な体質傾向と不眠パターンの特徴をご紹介します。(あくまで一般的な傾向であり、個人差があります)

心の熱(心火)が強い傾向の方

  • なかなか寝付けないタイプの不眠
  • 頭がさえて考え事が続く
  • 胸がドキドキしたり、熱感を感じることも
  • 口の渇きを伴うことも

気の巡りが滞る傾向の方

  • 眠りが浅く、夢をよく見るタイプの不眠
  • 胸や脇腹の張りや不快感を感じることも
  • ため息が出やすい
  • 食後に眠気を感じることも

腎(じん)の働きが弱い傾向の方

  • 早朝に目が覚めてしまうタイプの不眠
  • 疲れやすく、腰や膝に力が入りにくい
  • 耳鳴りや目の乾燥感を伴うことも
  • 夜間のトイレが増えることも

これらの体質傾向は混在することもあり、また生活習慣や季節によっても変化します。体質の傾向を知ることで、より自分に合った対応が見えてくることがあります。

体質別の睡眠を整える養生法

不眠の特徴や体質によって、日常生活での工夫の仕方も変わってきます。自分の体質傾向に合わせた養生法の考え方をご紹介します。

心の熱(心火)が強い傾向の方の養生法

頭がさえて寝付きにくい方は、心を落ち着かせるアプローチが基本となります。

食生活での工夫

  • 清涼性の食材を意識する(きゅうり、レタス、蓮根など)
  • 刺激物を控える意識(アルコール、コーヒー、香辛料など)
  • 夕食は消化の良いものを適量摂る

生活習慣での工夫

  • 就寝前のリラックスタイムを確保する
  • 入浴は就寝の1〜2時間前に済ませる
  • 就寝前のスマホやパソコンの使用を控える
  • 心地よい香り(ラベンダーなど)を取り入れる

東洋医学では、「心を静め、火を降ろす」ということを大切にします。1日の終わりに心を落ち着ける時間を持つことが睡眠の質を高めるポイントになります。

気の巡りが滞る傾向の方の養生法

眠りが浅く、夢をよく見る方は、気の流れを整えるアプローチが基本となります。

食生活での工夫

  • 消化に良い食材を意識する(根菜類、発酵食品など)
  • 食べ過ぎを避け、腹八分目を心がける
  • 規則正しい食事時間を守る

生活習慣での工夫

  • 適度な有酸素運動を取り入れる(ウォーキングなど)
  • 肩や首のストレッチ、軽いマッサージ
  • 深呼吸や腹式呼吸を意識的に行う
  • 入浴でじっくり体を温める

気の巡りを良くするためには、適度に体を動かし、体の緊張をほぐすことが大切です。特に肩や首周りのこわばりを和らげることで、睡眠の質が変わることもあります。

腎(じん)の働きが弱い傾向の方の養生法

早朝に目覚めてしまう方は、腎の働きを整えるアプローチが基本となります。

食生活での工夫

  • 腎を補う食材を意識する(黒豆、黒ごま、クルミなど)
  • 温かい食事を心がける(冷たい飲食物は控えめに)
  • 良質なタンパク質を適量摂る

生活習慣での工夫

  • 早めの就寝を心がける(22時〜23時頃までに)
  • 足元を温める習慣をつける(足湯など)
  • 過労を避け、休息を十分にとる
  • 軽い筋力トレーニングを取り入れる

腎は東洋医学で「先天の精」を蓄える場所と考えられており、過度の疲労や睡眠不足で消耗しやすいとされています。無理をせず、エネルギーを蓄える生活リズムを意識することが大切です。

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漢方的アプローチの特徴

体質に合わせた考え方

漢方の考え方の特徴は「その人の体質や状態に合わせたアプローチ」を大切にすることです。同じ「不眠」という症状でも、人によって原因や体の状態は異なるため、東洋医学では「証」と呼ばれる体質や状態を見極めることを重視します。

例えば、心の熱が強く寝付きが悪い方と、腎の働きが弱く早朝に目覚めてしまう方では、アプローチが大きく異なります。漢方相談では、詳しい問診や舌診、脈診などから一人ひとりの体質を判断し、体質に合った対応を考えていきます。

生活習慣との組み合わせの考え方

漢方ではもう一つの特徴として、薬だけでなく生活習慣も含めた総合的なアプローチを大切にします。東洋医学では「未病」という考え方があり、不調の芽を小さなうちに整えることを重視します。

睡眠の質を高めるアプローチでは、以下のような視点で総合的に考えていきます:

  • 食事の内容や時間
  • 就寝環境や寝具
  • 日中の活動量と質
  • 入浴の時間や方法
  • 心のストレスや緊張の解消法

漢方は即効性よりも、体のバランスを整え、自然治癒力を高めていくことを大切にします。そのため、生活習慣との組み合わせが特に重要と考えられています。

専門家に相談するメリット

銀座天風堂の漢方相談の特徴

天風堂薬局の漢方相談では、東洋医学の考え方に基づいた丁寧な問診と、舌診・脈診などを通じて、一人ひとりの体質や状態を総合的に判断していきます。

当薬局の特徴は以下の点にあります:

  • 現代の生活スタイルに合った実践的なアドバイス
  • 西洋医学との連携を大切にした総合的なアプローチ
  • 一人ひとりの体質や生活リズムに合わせた細やかな対応
  • 継続的なフォローアップによる段階的な体質改善

特に更年期の不眠は、ホルモンバランスの変化だけでなく、生活環境やストレス、長年の生活習慣など様々な要素が複雑に関わっていることが多いため、多角的な視点でのアドバイスを心がけています。

初回相談の流れ

天風堂薬局での初回漢方相談は、以下のような流れで進みます。

相談前の準備(あれば役立つもの)

  • 睡眠の状態や変化のメモ(いつ頃から、どのような特徴かなど)
  • 服用中のお薬があれば、その情報
  • 最近の生活リズムや体調の変化について

相談当日の流れ

  1. 問診表へのご記入(約5分)
  2. 漢方薬剤師による詳しい問診(約20分)
    • 睡眠の状態や特徴について
    • 生活習慣や食事の傾向について
    • その他の体調や過去の健康状態について など
  3. 舌診・脈診(約5分)
  4. 東洋医学的な体質の説明と養生法のアドバイス(約15分)
  5. 質問やご相談(約10分)

初回相談の所要時間は約50分〜60分です。あなたの体質や状態をしっかり把握するために、十分な時間をかけて対応させていただきます。

まとめと次のステップ

更年期の不眠は、東洋医学では体内の「気・血・水」のバランスの乱れとして捉えます。特に体質によって不眠の現れ方や対応が異なることが特徴です。

本記事でご紹介したポイント

  1. 不眠には「心の熱が強い」「気の巡りが滞る」「腎の働きが弱い」などの体質傾向があり、それぞれ特徴が異なる
  2. 体質傾向に合わせた養生法の基本的な考え方があり、食事や生活習慣での工夫が大切
  3. 漢方的アプローチでは体質に合わせた総合的な対応を重視する
  4. 専門家への相談では、詳しい問診と舌診・脈診から個人に合ったアドバイスが受けられる

更年期の不調は一時的なものですが、その期間は人によって異なります。ご自身のペースで、体質に合った対応を見つけていくことが大切です。

今回ご紹介した養生法の基本的な考え方を日常生活に取り入れながら、より詳しいアドバイスが必要な場合は、ぜひ専門家にご相談ください。天風堂薬局では、あなたの体質と状態に合わせた東洋医学的なアプローチをご案内しています。

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監修:銀座漢方天風堂薬局 薬剤師 柳澤謙行

漢方薬剤師歴45年。相談実績1万人以上。東洋医学と西洋医学の両方の視点から、一人ひとりの体質に合わせた漢方相談を行っています。日本東洋医学会会員。

※本記事は東洋医学における考え方をご紹介するものであり、効果効能を保証するものではありません。睡眠に関する深刻な悩みがある場合は、医療機関への受診もご検討ください。

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